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吸血姫様は今日も不機嫌  作者: 笹葉きなこ
ご機嫌斜めな一学期
47/88

体育祭─閉会式

 玉入れが終わった私が出る残りの種目は全員リレーだけ。バトンを落とさないで、転ばないようにしっかり走ることを目標にする。種目としては全員リレーが終わった後にクラス対抗リレーがあってそれで体育祭は終わりだ。


 他の人の応援をしていたら、もう一年生の全員リレーの時間になっていた。

 私は二組だから一年生の二組も応援する。……と言っても知ってるのは深雪ちゃんだけなんだけどね。だから深雪ちゃんの応援をする。


 速いなぁ、流石深雪ちゃん。


 そんなことを考えながら応援していると、あっという間に一年生の部が終わる。そして二年生の番が回って来る。


 私のリレーの出番はあっという間に終わった。特に転ぶこともなく、バトンの受け渡しも失敗することなく、無難に走り終える。特に目立った活躍はできなかった。でも、それでも十分満足だった。こんなに充実した体育祭……運動会から数えても初めてだった。


 でも本当の盛り上がりはここからだった。


 三年生の全員リレーが終わって、遂にクラス対抗リレーが始まる。すでに時間もそこそこ遅くて、すでに日差しが少し傾いている。


 クラス対抗リレー。全員リレーの一人100mと違って、距離は走者によってさまざまだ。100mの区間もあれば、400mの区間もある。長い区間になってくると一人で一気に逆転なんてこともあり最後までハラハラが止まらない。


「用意っ」


「パンッ」


 号砲に合わせてスタートする。クラスの代表者の代表者、速いに決まっている。さっきまでのリレーとスピード感が段違いだった。みんな速い。


 渚ちゃんが走って、深雪ちゃんが走って、中岡君が走る。

 ここまで二組は二番。走者は残り二人。晴気君と三年生の先輩だけ。

 バトンが晴気君に渡る。走る距離は400m、前との差は……何メートルだろう。でも晴気君がグングンと差を詰めていく。私は必死に声を上げて応援する。晴気君が前を抜いて一番になる。その瞬間に二組から歓声が湧き上がる。そしてそのままアンカーへ……。


 最終的にその差は覆ることなく、クラス対抗リレーは二組優勝を獲得した。


 私は感動しすぎて隣にいた友々里ちゃんに抱き着く。


「はいはい。わかったから~、すごかったね~」

「うんっ」


 友々里ちゃんは私の頭をなでながらそういってくれる。

 私が友々里ちゃんに抱き着くこと数分、代表の人たちが帰ってくる。

 私は上がりきったテンションで渚ちゃんに抱き着いてぐるぐる回る。そして離れてもう一人の女の子に抱き着こうとした。私のテンションは振り切れていたのだ。


 渚ちゃんから離れて振り向きざまに抱きつく。なんだかよく嗅いだようなにおいがしてくる。あれ、私渚ちゃんと友々里以外に抱き着いたことがある人……。


 少し不思議に思って私が顔を上げると、そこにいたのは、


「いや、別にいいけどさ……」

「あ、ごめん」


 少し赤い顔をしていた晴気君だった。


 振り切れていた私のテンションは一気に戻る。私の顔も赤くなってきた気がするけどこれはきっと夕焼けのせいだ。



 そんな一波乱があった後、閉会式が始まる。

 大月高校の体育祭は途中で点数が一切発表されない。結果発表までのお楽しみになっている。だから結果発表までドキドキがひたすらに続く。


「第三位……」


 遂に結果発表の時間がやって来る。二組は呼ばれなかった。呼ばれたクラスは、嬉しそうに、そしてちょっと悔しそうに声を上げている。


「第二位……」

 二組は呼ばれなかった。隣のクラスが喜んでいる声がやけに大きく聞こえる。心臓の音がだんだん大きくなってきたように感じる。


「第一位……」


 会場に静寂が走る。早く、お願いだから早く発表してください。


「二組!!」


 その声が聞こえたとき、私の周りは歓声に包まれた。


 体育祭は、二組の優勝で終わった。点数差はわずか一点だったそうだ。そのことを聞いた私たちはさらに盛り上がった。


 私は胸を張って言える。この体育祭は、一生の思い出だ。

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