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吸血姫様は今日も不機嫌  作者: 笹葉きなこ
ご機嫌斜めな一学期
19/87

三人での帰り道

 夜黒さんが抜けた後の帰り道、大地が口を開く。


「まさか夜黒が抜けてるとはおもわなかったわ。もっとなんていうか……、快人みたいな感じかと思った」

「あ、私も最初はそう思った。しっかりしてて堅そうだなーって」

「おい、堅いは余計だ」

「あはは」


 三人で笑いあいながらも会話は続く。三人で帰るのも久しぶりで、三人での会話も盛り上がった。

 渚は家が隣の幼馴染だと言ったが、大地の家は遠い。中学校を挟んでちょうど反対くらいにある。小学校は別の学区だったため、中学からの付き合いになる。

 しかし、それでも気がかなり合い、十分に仲がいい奴と言える。渚と大地の二人も仲が良く、結果として三人組が成立している感じだ。祭りに一緒に行ったり、クリスマスパーティーを家でやったりなどもしている。去年も中学生の時と同じノリで色々やった気がする。

 高校に入って新しいコミュニティができて、3人で集まることがなくなったりするかなとも思ったが、そんなことで無くなる仲ではなかったようだ。他2人には別の理由もありそうだが……。


 新学期が始まって少し経ったが、今まで一緒に帰ることはなかったので主に新クラスのことで話が盛り上がる。

 電車に揺られながら話していると、あっという間に日暮駅に着く。ここから大地だけは家が遠いので自転車になる。俺も自転車で駅まで行きたいが、駐輪場の契約費が嵩んでしまうので諦めた。別に歩けない距離でもないのでいいけども。


「じゃあまた月曜日」

「おうよ」

「ばいばーい」


 一人駐輪場に向かう大地が分かれ、渚と二人で歩き始める。歩き始めて十数秒後、俺は後ろから衝撃を受けて声を出す。

 振り返ると黒髪をはためかせ、満面の笑みを浮かべた深雪がいた。


「深雪、危ないからそういうことはしない。もう高校生だろ」

「あ、そうやってすぐ深雪ちゃんを子供扱いする。一個しか変わらないのに」

「んねー。お兄ちゃんいつまで私のこと子供扱いするの」

「一人前になったらな」

「一人前ってなんだよー」

「俺の中で子供じゃなくなったらな」

「一体いつになるのか……」


 深雪は分かりやすく肩を落とす。が、すぐに肩を上げ、今度は渚にとっつく。

「ねぇねぇっ! さっき見てたけど大地先輩とはどうなの最近っ!」

「今年は頑張るとか言ってたけどあれじゃなぁ」

「はぁっ? これからがんばりますしぃっ」

 耳まで真っ赤にした渚が声を上げる。というか深雪はいつから見てたんだ。時間的に同じ電車で帰って来ていたような気もする。


「中学の頃からずっとそればっかだよな」

「なに? 悪い?」

「別にお兄ちゃんに気を使う必要ないんだよ?」

「別にそういうわけじゃ……」

「渚にそんな気が使えるわけないだろ」

「たしかになぎちゃんだと無理だね」

「まったく……。兄妹そろって失礼なんだから」


 ──


「じゃあまた月曜日」

 俺は渚に別れを告げる。渚と深雪の二人は明日も部活で会うらしくまた明日と言っている。


 家に着くとこれまたいつも通りの家事をこなし、夜になる。夕飯も風呂も済ませ自室にこもる。ふとスマホを確認すると夜黒さんからメッセージが届いている。


『明日暇だったらお料理教えてください』


 これと言って用事はない暇人になっているので返事はイエスだ。

 というわけで明日の任務は夜黒さんに料理を教えることになった。

これで各キャラの関係読めるくらいには出そろったはず。

今度こそここからイベントだけになるはず……。はず……。

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