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揉みたいおっPがソコにあるのに!  作者: 可燃物
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 結局食べ損ねたお弁当は、授業の合間の短時間休憩の時に胃袋へ収めた。



 大抵ゆっくり味わって食べることが叶わないからと、弁当を作ってくれる下の姉には、パンで充分だと言ったのだが「成長期に食べないでどうする」と返された。


 僕の実情を話すと、分割して食べやすいように、ごはんはおにぎりに、おかずはスティックに刺して毎日用意してくれるようになった。

 面倒だろうに、ありがたいことだ。



 良いお嫁さんになると思うのだけど……なぜ、あぁも男運に恵まれないのか。


 口を滑らせると次の日のお弁当の、おにぎりの中身がオカカからイナゴの佃煮に、ナゲットにかかるケチャップがデスソースになりかねないので、決して口には出せない。



 下駄箱に行くまで油断は出来ないが、朝に続き放課後もフィッティングの予定は入っていない。


 上級生も同級生も、大半の女生徒は一度カウンセリングをしている。

 昼のメガネの先輩のような人は稀だし、一年にそう何度もフィッティングをする必要はない。



 下級生に関しては、まだ学校生活に馴染めていない時期だ。

 まずは交友関係を広げ、不慣れな校舎で教室の位置を覚えるのを優先させる。



 そんな中で怪しさ満載のあだ名で呼ばれている先輩を呼び出して、自分に合った下着を見繕って貰うなんて猛者は、早々いない。


 昼に来た子たちは、なかなか肝が据わった女性たち、ということだな。



 友人知人、姉妹に僕が過去見た人がいたとか、そういう理由でもない限り、下級生が依頼に来ることはない。


 直接呼出しに教室へ来たのは、今回が初めてだ。

 今のところ、手紙で呼び出されることばかりだな。


 上級生の教室に顔を出すというだけで難易度が高いのに、その上()()()()()で呼び出さなければならないのだから、当然だろう。


 一種の苦行だもの。



 僕の本名が浸透していないばっかりに、申し訳ないなぁ。

 是非とも尻込みして、この悪しき伝統を断ち切って貰いたいものだ。



 僕としては現状を、後学のためと思えば、決して悪いことばかりだとは思わない。

 色んなおっぱいと触れ合えることは、僕にとっても至福の時間と言える。


 それで女性が喜んでくれるならウィンウィンだし、良いこと尽くめと言えるのだろうが……



 ……暫くは、ゆっくり過ごせる日が続くのだろうか。



 ぼんやりそんなことを考えながら、放課後、春風の通る誰もいない教室で一人、ぼんやり外を眺める。



 将来勤めることになるであろう会社の社長(母さん)から直々に、インティメイトアドバイザーの資格を取るよう仰せつかっているので、その勉強の時間は必要だ。

 学生の本分である、学業だって疎かにしてはならない。


 決して悪くない成績とはいえ、順位や点数が下がればお小遣いをカットされるし、赤点を取って放課後の時間や休日を潰すなんて、絶対に嫌だ。

 貴重な時間を割いて、光栄にも僕を望んでくれる女性のためにも、下着の流行に敏感でありたいから情報収集だって怠れない。



 なにより、女性をより美しく魅せるための技術を向上させたい。


 自分の中にあるイメージを、紙ではなく実物におこすための特訓もしたい。


 しなくては、と言う使命感や義務感に駆られる物事も多いが、したいと思うことも同じくらい多い。


 時間はいくらあっても足りない。

 そう感じる。



 フィッティングの時間は楽しい。


 快感も得られるし、目の保養にもなる。


 料理の下ごしらえと例えたがまさしくその通りで、そこで手を抜いては、その上から着る衣服もなし崩しになってしまう。

 基礎である身体のラインが崩れた状態では、せっかく着飾っても、その美しさが半減してしまう。


 他の誰かの手に任せるくらいなら、僕自身で採寸して土台からしっかり携わって”魅力的な女性”を完成させたい。



 今僕が出来るのは、その、下ごしらえまでだ。

 それがもどかしいと感じている。


 もっとこうしたい。

 ああ出来たなら。


 フィッティングが終了し、シンデレラフィットとも言える程、相手の女性に適した下着をあてがえられた時の達成感と同時に、その上から衣服を着てしまった時の、あの美しさを隠され消されてしまったかのような喪失感。

 虚しくなる。



 制服は仕方ないと、諦めねばならない部分もある。

 それでも、「その制服サイズ合っていないですよね!? 採寸した責任者呼んで来い!!」と叫びたくなることが多い。



 将来の進路希望を提出するにあたり、改めて真面目に考えた時。

 両親を尊敬しているし、社長である母さんが許可してくれるなら、雇って貰いたいと思ったことは多々とある。


 だけど僕が将来したいと望んでいることは、フィッティングでも下着作りでもデザインを起こすことでもない。



 一人の女性を最も魅力的に、完璧と言える状態までもっていき、輝かせることだ。


 一から十まで、全て自分の手で行いたいと思っている。


 いわゆる、トータルコーディネート。

 ……の下着を選ぶ所から。



 それは、ほら。


 おっぱい好きだし。

 下着も好きだし。



 しかし、そんなことを事業にしてしまったら、身体がいくつあっても足りない。

 あれもこれもと手を出したら、手を抜くわけではなくても、どこかしら穴が出来てしまい、結局僕の希望から遠ざかる。

 難しいのは分かっている。



 デザインをする()()

 パターンを起こす()()

 縫う()()


 言葉にすれば()()だとしても、それらだけでも大変なのを目の当たりにして、日々過ごしているのだ。

 修羅場も何度も見て来た。


 全てを行うなんて、無謀と言う他ない。



 僕好みに、着飾らせたいのではない。


 相手の要望に沿い、寄り添いたい。

 その上で自信たっぷりに「私、綺麗でしょう?」と言って歩ける女性が、世の中に溢れるようになって欲しい。

 内に閉じこもらずに、積極的になれる女性が増えて欲しい。



 日本は昔気質な人が多いせいか、男尊女卑が根付いてしまっているせいか、女性を卑下す男性は未だ多い。


 そんな社会で育ってしまったせいもあるのだろう。

 胸を張って自信満々に生きられる女性が、少ないと感じる。


 女性に敬意を表されたいと望みながら、女性には敬意を払わない野郎が多すぎる。

 度し難いことに、無理矢理性的なはけ口にされ、道具扱いされる人もいると聞くし。



 僕は、ちょっとで良い。


 男なんかに従わなくても、自己主張をしても蔑ろにされず生きていけるのだと、自信を持つための、力添えが出来るようになりたい。

 その手助けをしたいと思うのだ。


 どう足掻いても、筋力的な問題で抵抗出来ないパターンもあるけれど、抗える項目を増やすのは、いいことだろうし。



 数多くのおっぱいと触れ合うことで、この一年で自信も付いてきた。

 技術だって前よりも向上している。


 お世辞を言わない姉からも上手だと、太鼓判を貰った。



 あとは、口で言うだけにならないよう、まだ出来ていない所に着手しようと思っている。

 目下の目標は、インティメイトアドバイザーのバッジ取得だ。

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