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揉みたいおっPがソコにあるのに!  作者: 可燃物
プロトタイプ

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「……以上が、女性の皆様には最低限知っておいて頂きたい、ブラジャーの説明になります。

 そう言うわけで、先輩には大人用の物を、後輩さんにはジュニアブラ第三段階目のU字ワイヤーの物を、それぞれ勧めさせてます」


 ここで取り出すは、ガンちゃんに用意して貰った、白いカバンである。

 ご大層に金庫で管理して貰っているそれには、しっかりとワケがある。


 そこには、使用済の下着が詰まっているからだ。


 ……こう書くと、語弊があるな。


 キチンとそれぞれ洗濯済だ。

 残念ながら。



 この中にはウチで取り扱っている商品の、試着用の下着が山ほど詰まっている。

 あまりにサイズが合っていない下着を身に着けている人達には、おっぱいを一刻も早く救うべく、下着の貸出をしているのだ。


 着け心地を気に入って貰えれば購買にも繋がるので、宣伝の目的も多少ある。



 洗濯した後に返却さえしてくれれば、どの製品も貸出に応じている。

 万が一ほつれてしまったり、ワイヤーが変形してしまったとしても、気にする必要はない。


 なにせ僕が小遣いで、社員価格で購入したものだ。

 誰も咎めない。



 物によってはどこが傷みやすいのか、今後の商品開発の参考になり、逆に助かる場合もある。


 意識して気を付けていないとレースのどの部分を引っ掛けやすいのか、僕は見に付けないから分からない。

 材質ごとのバックベルトの強度なんか、かなり勉強になるのだ。



 基本的に下着は、サイズが合わなくなった時が買い替え時と言われている。

 あとは、生地が伸びたりほつれたり、損傷した時とワイヤーの破損があった時だな。


 おっぱいを支える力が衰えたら処分対象になるのは、至極当然のことだろう。

 まだ使えると甘くみると、素直なおっぱいは、すぐに垂れてしまう。



 僕の所有物である貸出品は、余程酷い扱いをされない限り、貸し出した人たちに買い取りをさせることはない。

 そもそも、例え年単位で貸したとしても、弁償を必要としないだろう。


 僕がこの手で、それぞれのおっぱいにミラクルフィットする下着を選んでいるのだ。

 当然である。


 丁度良いサイズのブラジャーを選ぶと、ブラジャーに掛かる負荷が減るから、長持ちするのだ。



 ここに詰まっている下着たちは皆、僕がこの学校に入ってから今日に至るまで、沢山の締め付けられ押さえつけられてきた可哀想なおっぱいたちを救ってきた、英雄である。


 残念ながら大人向けのワイヤー入りの物しか貸出品がないため、ポニテの先輩と後輩さんへの貸出はない。



 メガネの先輩のサイズは現在、D八五だ。

 しかし導くべき肉をおっぱいに収めれば、将来的に少なく見積もったとしても、F八〇。

 先輩が毎日丹精込めて寄せて上げてくれれば、G八〇まで行く。


 育つ。

 絶対に。



 この両手から溢れるほど豊満なおっぱいを、今までジュニアブラなんてもので押さえつけていたなんて……


 おっぱいに失礼だろ!

 泣くぞ!!

 おっぱいが!!!


 おっぱいが泣かずとも、僕が泣く!!!!!



 グラマラスな体型の人向けのブラジャーは、一般メーカーだと、なかなか可愛いものが少ない。

 そもそも、売っていないことが多い。


 昔に比べると、ネット通販なら見つけやすくなったようだが。



 近年食事や生活スタイルが欧米化しているからと、日本人女性のおっぱいも巨大化している傾向にある。

 そのためニーズに応えて、各社グラマラス向けのサイズ展開を積極的にしているし、デザインも豊富になってきてはいる。


 だがやはり、絶対数は少ない。

 だから、値段もその分高い。



 先輩の場合、収まるものを収めだしたら、更に成長するだろうしな……

 胸部の筋トレも併用したら、多分、Hまで成長するぞ、あの肉の付き方からして。



 おっぱいのためを思うなら、補整下着を勧めるべきだ。

 寄せて上げるとアンダーサイズを下げることが出来るし、よりボディラインを、おっぱいを美しく仕上げることができる。


 幸い今まで着けていたブラジャーは、サイズは合っていないにしても、クーパー靭帯の損傷率は低いように思える。

 触っていないので、なんとも言えない部分はあるが。


 先輩が見た目通り活発なタイプではなく、大人しく運動が苦手なのだとしたら、ナイスおっぱいと讃えねばならんな。



 将来のおっぱいを思うなら、若い今のうちから支えるための筋肉をつけて、補正下着の助けを借りて、形を整えておくべきだ。



 ……だがしかし、失礼ながら先輩のご家庭は、経済状況があまり良くないようだ。


 ファストファッションブランドを全国展開している、某衣料品チェーンストアで扱っているような安価な品は、ウチでは扱っていない。


 勿論素材から拘りまくっているので、丁寧に扱えばかなり長持ちするし、結果的にお得にはなるが……


 下手に勧めて、有難いことに気に入って貰えたとしても、買えなかったらおっぱいを悲しませてしまう。


 一度ミラクルフィットを経験したおっぱいは、合わないブラジャーを拒否する。

 これじゃないと駄々をこね、違和感を覚えずにはいられなくなる。


 カップが余ったり締め付けがキツければ、当然の違和感なのだが。



 おっぱいのためを想うなら、補整下着もブラジャーも貸し出すべき。

 おっぱいの持ち主である先輩を思うなら、下手に貸さない方が良い。


 ……ジレンマだ。



 沢山あるのだからやれば良い、と言う考えもあるかもしれない。

 だが自分で着けるわけでもないのに沢山持っているとは言え、先輩とそこまで親密じゃないのに、流石に何万円もするものを、簡単には差し上げられない。


 先輩が気にするだろ。

 変な下心を勘ぐられても困るし。



 カバンの中からあれやこれや取り出しひっくり返し、散々考えた結果。


 ……やはり僕は、おっぱいを優先させてもらうことにした。


 ごめんなさい、先輩。

 僕はおっぱいには、逆らえません。



「先輩は長年サイズの合わない下着を着けてきたので、まずは体型を正しい形にすることを優先すべきでしょう。

 こちらの補整下着をお貸しします。

 ブラジャーの上から着けた方が、より補整効果が高まりますが、これ単品で着用しても構いません。


 コチラのサイズで問題がないか確認したいので、試着をしてみてください。

 水着のように下から着用して下さい。

 僕は後ろ向いているので、着用し終わったらお声掛けください」


 いちいちカーテンの外に出ていては、時間の無駄になる。

 この待ち時間の間に、先程散乱させてしまった下着類を片付ける事にしよう。



 ……と思ったのだが、メガネの先輩に背を向けた途端、待機組の四人と、バッチリ目が合う。


 彼女達が開いているのは、色味的にカタログの八〇ページ以降。

 つまり、今散乱させている補整下着含む、大人な下着類のページだ。



 彼女たちがカタログを見る速度が思いのほか早かったのか、はたまたおっぱいへの情熱スイッチが入ってしまい、思った以上に僕がメガネの先輩との押し問答に時間をかけてしまっていたのか。


 どっちだ。



 スマホを取り出し時間を確認するが、昼休みの時間はまだまだ残っている。

 彼女達が速読と言うだけのようだ。


 しかも、よくよく見ると、開かれているページに掲載されているテディを、今僕はちょうど片付けようと、手に持っている。



 興味津々に、爛々と星が煌めくように向けられる瞳。

 ……好奇心に輝く女性と言うのも、美しいよね。


 獲物を前にした女豹と対峙している気分に、同時にさせられるけど。


 美しくない言い方をするなら。


 蛇に睨まれた蛙状態だ。



「……乱暴に扱わないのであれば、どうぞご覧ください」


 言ったと同時に、バーゲンセールに群がる女性狩人の如く、あっちにこっちに手に取り広げ眺めはじめる三人。


 モデル系の後輩さんだけは、その様子を見ているに留まった。


 興味がないのか? とも思ったが、ベッドの上に取り残されたカタログを、黙々と眺めはじめる。

 静かなのが好きなのかな。



 はっ! ちょっと先輩!!

 その総シルクのベビードール高かったんだから!!!

 もっと丁寧に扱って下さいよ!!!!!


 あぁっ!

 後輩さん達も!!

 そのテディ繊細なんだから!!!

 無遠慮に引っ張らないで!!!!!



 彼女たちの中で『乱暴に扱わない=丁寧に扱う』と言う公式が、成り立たないのであろうか。


 ベビードールのページに辿り着いたら、メガネの先輩が失神しかねないぞ。

 なにせそのお値段、一九九八〇円だ。


 こんな布面積少ないものが、まさかの一万円超え!? と感じる人は一定数いるだろう。

 シルクで出来ている上に、ふんわりガーリー系のくせに大人綺麗にも見える、拘りのデザイン。

 何よりレースの部分がかなり凝っているのだ。


 当然である。


 ショーツやガーターも含めたフルセットで、三万円以上になります。

 ……破けたら、流石に請求させて貰おう。



 テディなんて、ほぼ紐とレースで出来ている。

 爪にひっかけただけで、割きイカのように千切れていくんです。

 頼むから、引っ張らないで。


 レース部分に使われているゴムって、そんな柔軟性ないからね。

 すぐ千切れるから。

 お願い、やめて。



 あまりのぞんざいな扱いに、本気で泣きそうになる。


 血涙を流しながら、極限まで洗礼されたデザインにしようと、昼夜頭が沸騰しそうな勢いで机に向かっているのに。


 ひどい。

 ひどすぎる。

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