地湧き出る者
その人は、フードを深くかぶった人であり。
それは、どこかシューさんの様子に酷似していた。
息を切らしながら門へとたどり着くと。
その人は、フードを脱いで私に顔を見せてくれた。
「シューさんっ!!」
やはり彼女だった様子であり、私の呼びかけに彼女は少し照れた様子で「おはようございます」と口にした。
「おはようございます、どうされたのですか?」
「いえ、大角さんがここにおられると耳にしたので、少し尋ねてみたくなったものでして」
「そうだったんですね」
シューさんの言葉に、心躍らせながら彼女との関係性を深めようと思っていると、ふと背後から足音が聞こえてきた。
そして、それと同時に彼女はフードを深くかぶった。
「おーい、カイア」
その声に振り返ってみると、そこにはペラさんがいた。
彼女は、駆け足で私達のもとまでやってきた。
「あ、ペラさん、おはようございます」
「えぇ、おはようカイア、それとそっちの方もおはよう」
ペラさんは私だけでなくシューさんにも挨拶。
すると、彼女さんはどこか気まずそうに、あたりをキョロキョロと見渡し始めた。その様子に私はすかさずペラさんの事を紹介することにした。
「あ、あの、この方はペラ・クアトロさんと言ってですね同じベリル屋敷の同胞の方です」
「あ、うっ、そうなんですね・・・・・・」
明らかに動揺した様子のシューさん。
すると、ペラさんは堂々とした様子でシューさんに歩み寄った。
「古代人、それは地下へと移り住んだとされる伝説の人類。モンス事変を機に長い沈黙を破り、地上の人類に接触を始めた未知なる存在」
古代人というものに詳しい様子を見せるペラさんは、じりじりとシューさんとの距離を詰めていた。
その様子はどこか問い詰めているかの様な、そんな不穏な空気すら感じられたが、ペラさんの顔は満面の笑みであり。
何なら彼女の両手はワキワキと動き、まるで何かを触りたくて仕方がないといった様子だった。
「魔法界においては召喚魔法に続いて嫌われる対象である古代人は、この学校でだけ魔女見習いとして受け入れられている事は有名な話である。
ちなみに、彼らの知識と魔法はモンス由来と思われるものが多く、魔法界の発展につながることは間違いないと陰ながらに期待はされている模様」
「あ、あのぉ」
たまらず口をはさんでみるとペラさんはニコニコ笑顔で私の方を見た。
「なぁにカイア?」
「随分とお詳しいようですけど、有名な話なのですか?」
「私が個人的に調べたのよ、かなり興味深いテーマだし、それに古代人ってロマンの塊でしょっ」
ワクワクした様子のペラさんは止まる様子を見せることなく再びシューさんに詰め寄った。
「そして、その古代人が今目の前にいる」
「あ、う、えっと」
明らかに困った様子のシューさんは、まるで私に助けを求めるかのように私を見つめてきた。
そんな様子に私は彼女のもとへと向かって側に立つと彼女は私の背中に隠れた。
「あら、カイアとはすでに面識ありなのね」
「えぇ、昨日図書館であったんです」
「そうなのね、じゃあ私とも仲良くしましょうよ」
そうしてペラさんはシューさんに向かって手を差し伸べた。




