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禁忌を犯せし魔女見習いは、愛しの王子と幸せになりたい。  作者: しゃこじろー


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卵運び

 罰でも補修でも受けてペラさんに謝りに行きたい。

 そう思うと、どんなものでも受け止める覚悟が出来ていた。

 すると、ヤグルマ先生が「決めました」と甲高い声を上げた。

 その様子は、まるで罰を与える事が楽しみであるかの様だった。


「さぁ、私に付いてきなさい大角さん」

「は、はい」


 そうしてヤグルマ先生の研究室を後にした。

 そしてヤグルマ先生の案内で、本棟にある地下倉庫へと向かっていた。

 まだまだ学校についての知識がない私にとって。

 初めてくる学校の地下に、わずかながら恐怖を感じていた。


 薄暗く、冷気を感じる地下への道のりは進むごとに恐怖感を煽ってきた。


 それは、つい最近感じた水属性の拠点へと続く道のりに似ていた。

 だが、それとはくらべものにならないくらいに不気味に思えた。

 そうして、ヤグルマ先生の後を追ってしばらく。

 たどり着いた場所に大きな扉が現れた。

 それは、木と鉄で作られたとても頑強なそうもの。


 その大きな扉の前で足を止めたヤグルマ先生。

 先生は、何を思ったのか私をおいて暗がりへと向かっていった。 

 何も言わずにどこかへと向かったヤグルマ先生。

 すると、ヤグルマ先生は暗がりの方から何かを引きずって戻って来た。

 それは布のかぶさった丸みのある形をしていた。


「さぁ大角さん、あなたへの課題はこれです」


 そういうとヤグルマ先生は布を引っぺがした。

 すると、そこには大きな卵が厳重に固定されていた。

 そして、持ち運びをする目的か、いくつかのベルトが装着されていた。


「どうですか大角さん、こんなに大きな卵は見たことがないでしょう?」

「はい、これは一体何の卵なんですか?」

「そんな事はさておき、本題に入りますよ」

「え?」

「この魔法学校には地下庭園があります。そこでは動植物たちが生息していて、それらは主に絶滅危惧種に指定された貴重な動物ばかりです。そして、私はそこの管理を任されているうちの一人なのです」

「はぁ・・・・・・」


 地下庭園という存在、そしてヤグルマ先生がそこの管理人である事。

 しかし、今はそんな事よりもこの卵の事が気になった。


「それで、私は何をすれば良いのでしょうか?」

「ここにある卵を、地下庭園のある場所に返してきてください」

「これを私が持っていくのですか?」


 見た所、ダチョウの卵よりも大きさだ。

 そう簡単に持ち運べる様には見えなかった。

 それだけに私は少し不安になった。


「はい、地下庭園は道なりに進んでいれば看板が各所に設置されています、そこに【大烏(オオガラス)】の巣への道のりがありますから、そこへ進んで巣にその卵をかえしてきてください」

「大烏というのは、いったい何なんですか?」


「大烏というのは地下庭園で保護されているただの鳥ですよ、とても温厚で古くから人間と共生してきた人懐っこい安全な鳥です、安心してください」

「・・・・・・はい、わかりました」


 私はヤグルマ先生に後押しされながら大きな扉に向かい。

 課題をこなすために気合を入れてみることにした。

 しかし、扉を前にして私は思わず立ちすくんでしまった。


 それはおそらく、足元から湧き上がる信じられないほどの悪寒。

 そして、この先に待つ未知なる恐怖のせいだろう。

 そんな事を思いながらヤグルマ先生見た。

 すると彼女は笑顔で私を見つめており、その顔はとても不気味に見えた。


「先生、これはどうしてもやらなければならないことなのでしょうか?」


 情けないが思わずそう口にしてみた。

 すると、先生はとても悲しそうな顔をしながら私に話しかけてきた。


「そうですねぇ、私としてもこのような事はしたくないのですが、これがこの学校の規則ですからぁ」


 規則という言葉は罪悪感でいっぱいの私に重くのしかかってきた。

 ただでさえろくな存在じゃないのに。

 大切な友人にまで迷惑をかけた私は、課された罰を受け入れた。


 そうして私は不気味な大烏の卵を背負った。


 体にかかる負荷はとてつもなく、歩くことで精一杯な程だった。

 もしもこれに失敗したなら、今度こそ退学になってしまうかもしれない。

 そんな事を思ったら妙に緊張感があふれてきた。

 そして、身体的にも精神的にも体が思うように動かなくなってしまった。


 でも、これは学校側から出された課題だ。

 これを達成すれば、私も学校側から認められるかもしれない。

 そうすれば、再び魔法学校での生活を取り戻すことができる。

 そしてペラさんに謝罪することが出来る。


 そう意気込んでは見たものの、足元から湧き上がる悪寒は収まる無い。

 そんな、未知なる体験の恐怖に勇気ある一歩目の踏みだせずにいた。

 すると、背後が何やら騒々しくなっていることに気付いた。

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