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禁忌を犯せし魔女見習いは、愛しの王子と幸せになりたい。  作者: しゃこじろー


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ワーテリオン

「あらあら、これはこれは」


 聞きなれた声に心臓の鼓動が高鳴った。


 思わず拳に力が入る、身体が硬直したような感覚に陥った。

 まさに蛇に睨まれた蛙の様な気分。

 なんてありがちな状況だ。

 もしも他に例えるのなら・・・・・・


 そう、部屋にゴキブリが現れたような気分だ。

 つまりは得体のしれぬ緊張感とそれに伴う落ち着かない精神状態。

 その二つが私を支配している。


 そうしていると、ニヤニヤと笑う赤毛の女がやって来た。

 彼女は取り巻きの数人と共に私の元へとやって来た。


「こんな清らかな場所に汚らわしい化け物が一匹。ここは、あなたの様な者がいる場所ではないのよ?」


 私の目の前に立つと、私を見下すかの様に見下ろしてきた。


「ふふふ、おはよう化け物」


 嫌味としか思えない言葉に一応、挨拶を返した。

 こうしないと余計に面倒な事になる。

 すると、彼女はクスクスと笑った。


 せっかく、居心地が良いと思っていた場所なのに。

 そこに、私を虐めてくる彼女がいるなんて。

 こうなると、いくら居心地が良くてもこの場所には居られない。

 なんて歯がゆい状況なのだろう。

 そう思っていると、ふと背後にぬくもりを感じた。


「あらワーテリオンさん、私の大切な友人に何か用ですか?」


 そんな言葉が聞こえてきた。

 そして、私の肩を背後から優しく抱いてきたのはペラさんだった。

 彼女の登場に大きな安心感を抱いた。

 しかし、同時に自らの弱さを嘆いた。


「あらぁ、化け物のお友達かしら?」

「ペラ・クアトロ、よろしくね【イスズ・ワーテリオン】さん」


 口に出すのも嫌な赤毛の女【イスズ・ワーテリオン】

 彼女は、ペラさんに臆することなく対話していた。

 おそらく、どんな相手であろうとこの態度を貫くのだろう。


 そんな事を思いながらワーテリオンを見つめた。

 すると、彼女は目を細めながら私を見つめてきた。

 その目つきはどこか不機嫌を表現している様子だった。

 その様子に、すぐに厄介事の気配を感じ取った。


「ふーん、友達ができたのね化け物、良かったわね化け物、化け物には化け物がお似合いってわけね」


 ワーテリオンは侮辱的な言葉を吐いた。

 すると、ペラさんはその言葉に反応した。


「さっきから化け物って、私達の事を言っているのかしらワーテリオンさん」

「えぇ、悪名高きクアトロ一族、あなたその末裔なんでしょ?」

「悪名高いかどうかは知らないけれど、その通りよ」


 違和感を感じる不穏な言葉に対して、ペラさんはハキハキと返事を返した。  

 クアトロ一族というのは、何か有名な一族だったりするのだろうか?


「なら化け物で間違いないわねぇ、でも、こうして人の姿に化けてる分だけ見栄えはいいものね、どこかの化ける事もできない獣にも見習ってほしいものよ」


 そう言うと、ワーテリオンは私を見つめてきた。


「さっきから誰の何の話かはわからないけれど、もう行ってもいいかしらワーテリオンさん」

「いいけどぉ、仮にも名家の出身であるあなたが、どうしてその化け物と一緒にいるのかしら。もしかしてそいつに何か利用価値でも見出したの?」

「・・・・・・」


 ペラさんは黙り、ワーテリオンをじっと見つめていた。

 私は、彼女が一体何を考えているのか気になった。

 すると、ワーテリオンがニヤニヤといやらしい顔をしながら口を開いた。

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