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クラインの手の上で  作者: めんとりあ
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かつての日常

月一ペースで頑張って更新していきます。


「創司〜!もう朝よ〜!!」


そんな母の声に反応しムクリと起き上がる。水滴のついた窓からは太陽の使いが入ってくる。光が床に書いたきれいな絵を見ながらドアまでの道を歩く。たとえそれがたかが数メートルでも、寝起きの俺からすれば立派な旅のように感じられる。階段を降りリビングのソファに座りながらテレビを見る母を観測する。


「今日はいい卵があるわよ。ちょっとお安くなってたから」


「へえ、じゃあ今日はオムレツでも作ろうかな」


母の肯定の意見を聞き流しながらリビングと繋がっているキッチンに入る。

今日の片手割チャレンジ。

おっ成功だ。

こういうちょっとした喜びが積もりに積もって大きな喜びになる。少なくとも俺はそれを信じている。オムレツを作りながら俺は母が見ているテレビを見る。



『なんと!今話題のあの会社が日本会社総合ランキング日本一位になりました!世界ランキングでも日本企業初の6位!創立されてからまだ5年程度なのにこれはすごいですね!』


『いえいえそんな、これからも頑張っていこうと思っていますよ』



「へえ、すごいね。この会社って本社と子会社合わせても5個ぐらいなんでしょ?それで大企業に勝つなんてすごいとかいうレベルじゃないよね」


「でも私この社長嫌いなのよね」


「うちにもこの会社の製品何個もあるじゃん、、、」


そんな事を話していたらオムレツが焼けている。

うむ、我ながらいい出来だ。オムレツだけなら誰にも負けないんじゃないか?


「ごちそうさまでした。じゃ、いってくるわ」


「気をつけてね〜」
















「そこそこ長いんだよなこの通学路、、、」


あと数ヶ月もすれば3年生となる高校生活で通い慣れた通学路に悪態をつく。駅で行くほど遠くないし自転車通学範囲にもぎりぎり入っていない。天下の公立トップ校様にもこんな弱点はあるものだ。


「となりの高専にでもはいればよかったかな、、おっ莉杏じゃん」


「おはよー」


幼馴染の織張莉杏である。彼女も同じ高校に通っている。学力的にはふたりとも余裕だったので受験期によく遊んでいた。なぜか彼女は首席合格したが。


「相変わらずなんか疲れてそうだな」


「猫背なだけ。逆に創司は元気すぎない?」


「今日は朝飯食ったからな!」


「今日はって、朝食ぐらい毎日食べなさいよ」


「母親とおんなじこと言うな」


通学路で莉杏を見つけるたびこんな他愛もない会話が展開される。学校内だといろいろ噂されそうだしそれぞれの友人関係があるのであまり話しかけない。


「もうすぐ冬休みじゃん。課題終わらした?」


「一つも手を付けてない。そっちは?」


「一個だけは終わってる。ほかは何も」


「対して変わんないじゃん」


「0と1はどでかい壁があるんだぞ首席合格くん」


「うっさい」


「今では見る影もなく、、、」


「学年十位には入ってるんですけど。校内偏差50は黙ってて」


「なんて火力の高い一撃、、意外と心に刺さるわ」


こんなことを話していたら片道20分弱はあろう通学路も一瞬。他の学生もぞろぞろと現れ、皆が向かう先には去年新しくなった校舎がある。


「じゃ、また帰りかそれ以降か」


「うん、じゃーねー」


プライベートと学校では莉杏との関わり方は違う。中学の頃に付き合っているだのという意味のわからない噂をされるようになったのがトラウマなのだ。高校内ではあくまで幼馴染ということは隠しつつ知り合いぐらいの関係性にとどめている。莉杏はいつも疲れたような体勢をしているが顔もいいし頭もいいのでいわゆる高嶺の花状態で、そこと関わりを持てていることを疑問に思われることはちょいちょいある。とはいえ中学に比べれば普通だ。普通の知り合いみたいn、、、



「お前なんで織張さんと登校してんの???」



背後を振り向けばよく知る親友の顔が、、

え?お前いつも来るの遅いじゃん。俺いつも最速で来てるんだが?


「どうやって口封じしようかな」


「心の声出てね?てかなんで一緒に?」


「他の誰にも言うなよ」


「よしきたまかせろ」


この親友がこういうってことは絶対守ってくれる。

親友、風峰翔はそういうやつなのだ。

親友がこいつで良かっt


「なんで織張さんといっしょにいたの〜〜??」


「翔、口封じだ」


「よしきたまかせろ」


「え、なんで?」


それがお前の運命だ。

織張莉杏は「おりばりりあん」と読みます。

前回とはかなり違いますが同じ世界です。安心してください。

次話ぐらいで元の世界感に戻るはずです。

ああ、次話はいつになるでしょうねえ。

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