最終話
蓮が目を覚ますと、外は既に明るくなっていて、カーテンの隙間から朝陽が差し込んでいる。
千紘の腕の中で、一晩中泣いた蓮の目は、赤く腫れていた。
リビングでは、テーブルに突っ伏して千紘が眠っている。
蓮は、千紘の寝顔を見ながら、昨日の事を思い出す。
千紘の言葉を思い出す。
「ありがとう千紘君、私も好きだよ」
眠る千紘の耳元で、蓮は静かに囁いた。
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あれから1週間経った。
蓮の叔父である仁は、意識を取り戻し、骨折はしていたものの、命に別状はないようだ。
茉白も、骨折が治るまでは安静にだが、毎日心愛がお見舞いに行っている。
きっと大丈夫だろうと、千紘は感じていた。
そして、千紘と蓮は……
「悪い、遅れた」
「全然、今来たとこだし」
いつもの交差点、千紘と蓮は待ち合わせ、いつものように学校に向かう。
仁が元気になってから、蓮も毎日笑顔を見せるようになっている。
ふと、千紘が蓮の髪を見る。
「髪、随分伸びたな」
千紘の言うように、蓮の髪は肩にかかるくらいにまで伸びていた。
もう、王子というよりもただの美少女である。
「少しは女の子に見えるでしょ。変だった?」
「いや、全然」
そう言って、蓮の手を千紘が握る。
蓮は嬉しそうに笑って、千紘の手を握り返す。
「ずっと、一緒だからね」
「もちろんですとも、王子様」
二人の日々は続いていく。
今日も、これからも。
おおあしです。
まずは、最後まで読んで頂きありがとうございました!
この話をもって、一区切りとさせていただきます。
久しぶりの長期で、リハビリがてらに書いたお話でしたが、中々楽しく書かせていただきました。
読んでくださった方々には感謝しかございません!
今回書いて思ったのは、やはり物語を考えて文字にするというのは、難しくも楽しいものだと実感しました!
また次回作もすぐに書く予定ですので、この作品や過去の作品を見ていただければ幸いです。
最後になりましたが、読んでくださった方々、本当にありがとうございました!
次回作もぜひ読んでく頂けると嬉しいです!




