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第23話①

鏡に映る自分の姿を見て、まるで雪女のようだと思った。

全身が真っ白で、血管が見えてしまっているほど細くて、自分が見ても呪われそうだと思える。

この一月、私は学校を休み続けた。

先生には事情を話し、特別に許してもらった。



 「茉白、本当に大丈夫?」



母が心配そうな声と表情をしながら聞いてくる。

そんな母に、私はニコッと笑いかける。



 「大丈夫!もう、逃げるのも、縋るのもやめたの」



あの日、早霧 蓮に言われた日から、私は変わる事を誓った。

もう一度、やり直すために。

依存ではない

恋をするために

そして、本当の愛にするために



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 「只今より、第72回、春芝高校文化祭を開催致します!!」



ドンッと太鼓の音共に、体育館が歓声で湧き上がる。

今日、6月6日、春芝高校文化祭の初日が始まった。

梅雨入りはしているが、予報では、この3日間の天気は快晴である。

千紘のクラスの劇は3日目なので、基本的に最初の2日間は遊び回れる。



 「さあ、何から回る!」


 「朝からテンション高いな」


 「当たり前だろ!いつもなら授業をしてる時間に、遊べるんだぞ!こんなに楽しい事はねえよ!」



杉人は、日頃のストレスを一気に発散するような勢いではしゃいでいる。

千紘は、そのテンションに遅れを取っているが、杉人の言いたい事もよく分かる。



 「それで?何から見に行くんだ?」


 「んなの決まってる!これだ!」



そう言って、杉人が1枚のチラシを見せてくる。

そこには、『ミスコン~春芝高校一番の美人ば誰だ~』と書かれている。



 「ミスコン?初日からあるのか?」


 「初日からやることで、一気に盛り上げようって魂胆らしいぜ。なんか、去年は盛り上がりが微妙だったからとかで」



杉人の言葉に、千紘も昨年を思い出しながら納得する。

確かに、昨年のミスコンは、3日目の後半に行われ、後夜祭の準備やら、最後の軽音部の演奏を良い席で見たい人達やらで、盛り上がりに欠けていた。

だから今年は、最初からやって、スタートダッシュを切ろうという話だろう。



 「とにかく!ステージは中庭らしいから、さっさと行くぞ!」



そう言いながら走る杉人の後ろを、千紘は少し呆れながらついて行く。

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