表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/70

第22話②

 「えっと、蓮の事かな?彼氏の噂は─」


 「嘘、ですか?」



敦子が言おうとすると、後輩の女の子が、先回りして言う。



 「……そこまで言い切りはしないけど、私は聞いてないよ。だから、私に何か聞かれても困るの」


 

敦子がそう言い切ると、後輩はニヤリと笑い、続ける。



 「隠してるだけかもしれませんよ?」


 「え?」


 「本当は彼氏が出来たけど、恥ずかしくて隠してるだけ。可能性が0とは言えないですよね?」


 「ま、まあ、そうだけど……」



後輩の妙な雰囲気に、敦子は少し腰が引ける。



 「垣根先輩、この件、私に任せてくれませんか?」


 「任せるって、何を?」


 「桜河女子の王子に、彼氏が出来たのか、ですよ」



後輩は、敦子の返答を待たず、その場を去った。



 「なんか、変な子だな……ねえ、あの子の名前分かる?」



気になった敦子は、さっき自分を呼んだクラスメイトに聞く。

クラスメイトの子は、すぐに答える。



 「知ってるよ。入学して早々に、王子についてのスキャンダルを撮った子なんじゃないかって、話題になったから。」



それは、敦子の記憶にも新しい出来事。

蓮が、千紘と仲良く歩いている姿が、SNSで拡散された事だ。

あの後、あまりに騒ぎ立てる校内の生徒が多かったため、鳩美先生が注意喚起をした。

そのすぐ後に、あの写真は消され、騒ぎも落ち着いたが……



 (あの写真を、撮った子かもってこと?)



考えを巡らせていると、クラスメイトの子が名前を口にする。



 「確か、松富 心芽(ここめ)さん」


 「松富 心芽、か」



敦子が見ると、愛羅の背中はもうなかった。

一体、どんな方法で探るのか。

蓮に危害は加えないだろうか。

そんな心配が、敦子を襲っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ