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第22話①

敦子には、最近悩みがあった。

それは、



 「垣根さん!王子に彼氏が出来たってほんと!?」



それは、毎日同学年の女子や後輩から、蓮に彼氏が出来たという噂について聞かれる事である。



 「な、何度も言ってるけど、そんな話は出てないって」


 「でも!この前、男の人一緒に居るところの写真があったし!」

 「最近、行ってる美容室の事とか聞かれるし!」



 (そのことは、確かに謎なんだよね〜)



詰め寄ってきた女子2人の言いたい事も、敦子は理解出来た。

最近の蓮は、どこかおかしい。

以前までは、私と同じ美容院に行って、最低限髪を整える程度だったのに、2人が言うように、妙に身なりに気を遣う節がある。

それに加えて、以前まであんなに嫌がっていた女性用の服をネットで検索していたり、デートスポットの話なんかもしたりするようになっている。



 (もしや、千紘君と何か進展があったのか……?)



十中八九、何かあったに違いないが、敦子は直球に本人に聞く事を躊躇う。

いつもは、2人をからかったり、何かと騒いでいる敦子だが、いざ本気の雰囲気を出されると、踏み込んで行っていいものかと思うのだ。



 (でも、私も気になるんだよね……)



恋愛未経験の敦子は、自分の恋愛よりも、親友の恋愛を見守る事に夢中になっていた。



 (それに、はっきりしないと、毎日こんな風に詰められるのも疲れるんだよねー)

 


最近の蓮は、王子らしさが抜けてきており、本来の性格である、乙女のような部分を隠せなくなっている。

その事が、桜河女子校生の間で騒ぎになっているのだ。

今も、敦子の前で、2人の女子が、

「私達の王子が、下劣な男に喰われるー!」

と膝から崩れ落ちている。



 (さて、どうしたものか……)


 「敦子ー!後輩が呼んでるよー」



頭を悩ませていると、クラスの女子が敦子に呼びかける。

またか、と敦子は席を立ち、教室前で待つ後輩の元へと向かった。

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