第2話②
歩き始めて10分、蓮は会話を止めることなく、千紘に世間話を続けていた。
一方、千紘はと言うと、
(気まずい!!)
心の中でそう叫んでいた。
(まさか女子だったとは、制服姿見ても信じられないぜ……)
確かに、昨日も少し背は低いと思ったが、男子でも普通に居るくらいの身長だったため、違和感を感じなかった。
今はスカートを履いているから女子にちゃんと見えるが、昨日のように男子の服装で来られれば、今でも男子だと感じてしまうかもしれない。
(いやでも、よく見ると……)
じっと見てみると、イケメン男子と勘違いしただけあって、容姿は非常に整っている。
(やばい、普通に美少女で緊張するな)
最初は、イケメンがスカートを履いている姿に違和感があったが、女子だと知り、スカート姿に見慣れてくると、蓮は美少女である。
女子高では王子でも、男の千紘の横に立っていれば、普通に可愛い女の子なのだ。
そんな事を考えている間に、あっという間に駅に到着する。
「それじゃあね千紘君、また店に顔出すよ」
「あ?ああ」
蓮は千紘に手を振りながら改札を通って行った。
ちなみに、蓮の話は千紘の耳にはほとんど届いていなかった。
お久しぶりです。
リハビリがてらゆっくりまったり書いていきます。
それでもいいよという方はぜひ読んでください。