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第18話①

2年生になって一月が経ち、今日からゴールデンウィークの始まりである。

4連休という長い休み、ゲーム三昧だと心が躍る千紘だったが、



 (……何で俺がこんなことを……)



千紘は今、連休真っ只中の満員電車に乗っていた。

その理由は、最近始めた花のデリバリーである。

千紘の父親が造花を作る事を始め、その造花限定でネット販売を始めたのだ。

それが思いのほかヒットして、千紘はそのデリバリー担当になったのだ。



 (こういうのは、父さんがやれよ……)



そんな愚痴を心の中にしまい、千紘はお客さんの元へと向かった。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



造花を届けた帰り、満員電車は懲り懲りだと思った千紘は、途中まで歩いて帰る事を決める。

少しでも満員電車に乗る時間を短くしようという考えだ。

その道中、ある標識を見て立ち止まる。

その標識は道案内の標識で、この先桜河女子大学と書かれている。



 (そういえば、この辺りか……)



桜河女子高校とその最寄り駅は、確かに男子禁制だが、学校近辺はその限りでは無い。

普通に家族連れが住んでいる住宅街が広がっているし、大きなショッピングモールだってある。

そのため、男子禁制の花園と言えど、その制服は意外と見かけることが多い。

それでも、やはり接点を持つ機会は中々ないためか、学校周辺は気持ち人が多い気がする。

皆、少しでもお近づきになるチャンスを狙っているのだろう。



 (なんか、ちょっと気持ち悪いな……)



俺は同年代の男子達が、学校周辺を散歩している光景を見なかった事にした。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



桜河女子高校から少し離れ、小腹が空いてきた頃、何だか良い雰囲気のイタリアンの店を発見する。

普段来ない地域のため、せっかくだからと千紘はこの店で昼食を摂ることに決めた。

店内に入り、席を探していると、



 「あれ?千紘君?」



聞き覚えのある声に呼ばれる。

声の方を見ると、敦子が恥ずかしいくらいに大きく手を振っていた。



 「垣根さん?」


 「久しぶり!」



敦子は太陽のような笑顔をしていた。

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