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第1話②

 「………」


 「あの、すみません」


 「ハッ!い、いらっしゃいませ!何かお探しですか?」


 

あまりの美しさに千紘は呆けてしまっていた。

長いまつ毛に、サラサラの金髪、背丈は千紘より少し低いが、足は長くスラッとした体型をしている。



 「えっと、女の子に花を送りたいんですけど、おすすめってあります?」



青年の言葉に、千紘はついピクリと反応してしまった。

フラれたばかりの千紘にとって、そのセリフはあまり聞きたいものでは無かった。



「そんなの、俺もよく知りませんよ」


「え?」


「……あ!いや、今のは違くて!」



今の態度は良くなかったと、千紘は言ってから気づく。

いくらフラれて傷心中だからといって、他人に、ましてや客にあたるなどあってはならない。

それも常連でもなんでもない相手にだ。



 「ほんと、すみません……」



千紘は深々と頭を下げた。



 「顔を上げてください。少し驚いただけで、気にしてませんから」


 

青年がそう言うので、千紘も顔を上げる。

その時、ちょうど青年の顔がさっきよりも近い。

間近で見ると、その整った容姿がより美しく見える。



 「あの、良ければお話聞きましょうか?」


 「……はい?」



青年の突然の提案に千紘は首を傾げる。

それを気にせず、青年は続ける。



 「なんて言うか、困ってる人は放っておけなくて、悩みなら聞きますよ?」


 「……なら、少し聞いてくれますか?」



普通なら、話さないのだろうが、千紘の考えは違った。

溜め込むくらいなら、関わりのない他人に吐き出してしまえば楽なんじゃないかと考えたからだ。



 「構いませんよ。あ、私は早霧(さぎり) (れん)と言います」



美しい青年の蓮は笑顔でそう名乗った。


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