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白の領域

限りなく黒に近いグレー

それはあくまでもグレー

どんなに黒に見えたとしても

グレーならあくまでもグレーなんだ


どうしよう 思い切って言ってしまおうか

どうせ向こうだってもうわかってるはず

しかしグレーはあくまでもグレー

黒になった瞬間、君はいなくなるかも

それが怖い


相手ならちゃんと選べるつもり

しかしグレーはあくまでもグレー

それは君にとっても同じこと


キツいんだ 秘密を持って接するのは

会話の辻褄を合わせるのは大変なんだ

辛いんだ 嘘を吐くこと自体が辛い

君が話すように好きなもののことが話せたら


俺にとっては俺が俺であるのは自然なこと

でも君は俺を不自然だと見なすかも

そのとき君はもうそばにいなくなるかもしれないのだ

そのとき俺は俺が不自然なのだと決められる


君を試すのが辛い

仲良しなのに

それでも試さないわけにはいかない

そういう秘密だから


君はとてもいい人 優しい

仲良しの大事な友達だ

しかしグレーはあくまでもグレー

“黒”の俺はキツいんだ


キツいなあ

辛いなあ


君と会って別れたあとは

会う前よりもずっと寂しい

今日も隠し通せた、よかった、

今日も言えなかった、とても辛い


もしや君も俺と同じかも

なんてつい夢見てしまう

グレーなのは君も同じ

だって俺はいま隠せている


なんでわざわざ隠さなきゃいけないんだろう

そりゃだって友達じゃなくなるかもしれないから

でも友達ならなんでも話せるだろう

じゃあお前は友達に一切の秘密なくすべてを話せるのか


でも嘘吐きは辛いんだ

どうしても辛いんだ


打ち明けることは

君と付き合いたいとかそういうことではない

ただ打ち明けたいんだ

そしたら、嘘を吐かずに済む

それだけだ


俺に予知能力があったら

そしたら君に言えるのに

そうやって俺は君を試す

友達なのにね


君に嫌われるのが怖い

さよならが怖い

でもお前にも嫌いな奴はいるだろう

お前は他人の感情をどうにかできるとでも思ってるのか


でも辛いんだ 辛いんだ

さっきまで仲良しだったのに

“お前のことが嫌いだ”と思われるのは

さっきまでは笑顔だったのに


俺が何かしたわけじゃない

俺自身に何か問題があるわけじゃない

“それ”そのものが拒絶の理由

俺はプロフィールの一部に支配されている

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