Improper Child
子どもを作らなければ「生物として不自然」「国が成り立たない」
でも作ろうとすれば「倫理的じゃない」「子どもがかわいそう」
どっちにしろ救いがない 行き場も逃げ場もどこにもない
じゃあ俺は一体どうすれば正しい在り方に在っていると言えるんだ
そういう子どもはいじめられるから作ってはいけない
だから存在してはならない
だっていじめられるから
そういう子どもはいじめてもいい世の中だから
「子孫を残さないなんてお前は間違っている」
じゃあ作ってもいいのだろうか
「そんな親の子どもはいじめられるからかわいそうだ、
お前は間違っている」
どんな理由があろうがいじめは許されない
という理屈がここでは成り立たないようだ
だからいじめられることがわかっているのなら
最初から生まれてなどこなければいいのだと
いつまでも続く当事者不在の議論
主役は生まれてくる子どものはずなのに
この世界がどんな子どもでも愛される世界ならよかった
それだけで万事解決だったのに
いじめられるかもしれないなんてそんな世界で子どもは作れない
「親なら子どもを全力で守るべきだ お前は間違ってる」
「そんな考えの時点で子どもなど決して作ってはならない」
要は“悪いのはお前で俺は何も悪くない”
“あなた”がいじめてるのに
地域で社会で世界で孤立するのはお前のせいだ
お前がコミュニケーションを怠ったせいだ
だから子どもが哀しい思いをするのはお前のせいだ
だから俺は悪くないお前がおかしいのがおかしいんだ
面倒を引き起こすなんて許せない
せっかく穏やかな生活だったのに
そもそもお前がいること自体が間違っているんだ
せっかく余計なことは考えないで済んでいた生活だったのに
「子どもがかわいそう」「子どもにも人権があるのに」
そんなに俺は残酷な存在なのだろうか
それは確かに父と母の揃った家庭が大多数なのかもしれない
でもそうじゃない家庭は?
普通と自然と伝統に則らない家庭は不幸なのだろうか
綺麗事か、“幸せはみんなで作り上げるもの”




