俺たちの場合
“オネエ”の功績
事実としてゲイが存在するという認識
その理解を広めてくれたこと
でも日常に“こういう人”はいないから
“この世にいることはいるけど自分の身近にはいない”
そしてどんどん“見えなくなる”
……だからこそひっそりと生きていける
“普通の男のゲイの有名人”なんて
そんなのに出てこられたら困るんだ
だってオネエタレントのお陰で
“こういう人じゃない”俺は怪しまれずにいられる
“BL”の有難味
入口として世の中に浸透させてくれた
無知よりはマシだしずっと良い
でも、別に人権について考えているわけではない
興味があるのはいいんだけど
ただ現実と地続きに考えているかどうか
……だからこそひっそりと生きていける
あくまでもファンタジー、だから、
リアルとは無関係の存在に成り果てて、
現実で現実の生活をしている俺は、
怪しまれずに済んでいる
俺、横谷昌資
“オネエ”でもなければ“BL”でもない
ただの男のただのゲイ
……だからこそ、脅威だろうか
あなたの生活を掻き乱す怖れが生まれた
あなたが被害に遭う危険性が高まった
悪いな、とは思っている
でも悪いけど申し訳ないとは思わない
あなたが俺のために生きているのではないように
俺もあなたのために生きているわけではない
俺は俺のやりたいことをやりたいようにやるだけだ
できるだけ後悔のないように
同じ“LGBT”という名前を共有している
だからこそ俺はあなたを巻き込む怖れがある
でも、俺はあなたの敵じゃない
いつか社会の側が変わったとき
あなたがどういう選択をしても
例えばそのままクローゼットでいるとしても
その邪魔はしない
そこだけ押さえていてくれればいいと思う
例えば俺に影響力が生まれたとして
それがあることの責任感が生まれたとして
できるだけ妥当な詩であることを約束する
だからどうか穏やかに見届けていてください
あなたの敵は俺じゃない
だけどあなたが俺のために生きているのではないように
俺もあなたのために生きているわけではない
俺は俺のやりたいことをやりたいようにやるだけだ
できるだけ後悔のないように




