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傭兵部隊からの通信が突然切れた。
元々回線は分けていた。そこから逆探知されることを恐れていたためだ。若干のタイムラグを覚悟で複数のダミーを介していたのだが、そのすべてのダミーが落ちた。
「こ、れ、だ、か、ら! 世界には! ゴミしかいないのか!?」
立ち上がった菅野は今まで座っていた椅子を蹴り飛ばし、ホテルを飛び出した。
怒りで我を忘れた彼は、手にけん銃を持ったまま、ライブ会場へ向かった。
「まず、あのションベン餓鬼をぶっ殺す! それで餓鬼二匹おびき出して、ぶっ殺す!」
そうだ、最初からそうするべきだった。
なぜ狩りをするのに、己とは比べることすらできない劣等種を使って追い立てなければいけないのか。自分のような優れた人間が、わざわざ手を出さないでも、家畜は家畜同士で狩りをするだろうと思っていた。それが間違いだった。
そこまで知能がある生物だと勘違いしていた。
やはり狩りは自分で行うのが一番なのだ。それが一番効率的だ。
頭の奥底で音楽が流れている事に、怒りで埋め尽くされた彼は最後まで気づかない。




