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公爵家の裏方の皆さん

よろしくお願い致します。


第六話 公爵家の裏方の皆さん


エルルが部屋に戻って自作の椅子に座ってくつろいでいる、自称王様の椅子だ、ちゃんとオットマンもついていて、足を乗せて気分は王様だよ、部屋はフローリングに変えて勿論、土禁のスリッパ仕様だ、今、少しづつ部屋を改装してる、お菓子でも食べようかと思っているとドアがノックされる、

「エルル、戻っているか?」

「はい、ロバートさん、今開けます、」

と、エルルが扉を開ける、ロバートはエルルの部屋の中を見て、

「この部屋もか、」

とか言っているが、部屋に入りたそうなので、

「入ります?」

と、聞くと、

「良いのか?」

と、返す、

「ロバートさん、別に女性の部屋に入る訳じゃ無いんだから、狭い所ですが、遠慮せず、さぁ、どうぞ、」

「すまん、お前を見ていると少女に見えてしまって、」

エルルは、にっこり笑って、

「ロバートさん、明日の鍛錬は本気の全力でいっちゃいますよ、あ、土足禁止なので、お客様用のこのスリッパに履き替えて下さいね、」

ロバートさんは顔を引きつらせて、

「ああ、でもこの部屋凄いな、使用人寮じゃないみたいだな、」

「まだ改装の途中なんですよ、昨晩入寮したばかりなんで、」

「エルル、改装と言えば、トイレもお前だよな、」

「ええ、ロバートさん、僕ちゃんとロバートさんに改装すると、確認しましたよね、」

「ああ、まさかあそこまでとは思わなかったが、エルル、一番奥の個室がお前の家と同じ形のトイレなのか、

「はい、僕はあの座るタイプの便座で無いと、」

「なあ、エルルもう一つあの座るタイプに出来ないか?執事長が居心地が良いと、個室からなかなか出て来ないんだ、あげくお前は他を使えと言われてな、」

「執事長は中で何か他ごとしちゃうタイプですか、僕の祖父と同じですね、ロバートさんが魔石を提供して下さるなら、大丈夫ですよ、」

「わかった、用意するが、エルルは魔石を持っているのか?あるなら、今現金で買わせて貰う、」

「ありますが、火、水、風、の三つで、同僚割り引きで、金貨3枚ですが、良いですか?」

ロバートはすぐに懐に手を入れて、巾着を取り出し中から、金貨をエルルに渡す、

「エルル、安過ぎないか?」

「大丈夫ですよ、ロバートさん、じゃ、今からパッと終わらせちゃいましょう、」

と、ロバートを連れてトイレに行く、

「ロバートさん、僕これから常識はずれな事しますが、何を見ても驚かないでくださいね、エドモンド様から、多分連絡が来てると、思いますが、」

「エルル、お前は御隠居様の養子だそうだな、」

「はい、ルコル姓を名乗る約束ですが、養子と言うか、後見人になって頂いています、」

と、話ながらも、個室の便器を消して便座をを置き、土魔法で固めて、なんちゃって大理石の床を敷き詰め、個室の壁の使い方を書き換える、使い方の最後に、この便座は、ロバート様からの寄贈です、と、書いてある、便座にも金の文字で寄贈 ロバート様と、芸が細かい、

「そう言えば、今朝の朝礼、全員じゃ無かったですよね、」

ロバートはエルルの何も無い空間から、便座を出したり、土魔法を巧みに使い左官工事を行う作業に見惚れていたが、

「ああ、夜勤のメイド三人と、執事のジャンが居なかったな、」

「ロバートさん、ジャンさんが、僕の指導執事になるのですか?」

「いや、ジャンは事務方の執事なんだ、いつもかなり遅くまで仕事をこなしていてね、執事と言うより、お抱え会計士と、言った所かな、今日明日は久々の連休になっていたな、エルルの指導は私がするが、俺は楽が出来そうだ、」

「ロバートさん、設置が終わりましたよ、」

「エルル、お前は本当に規格外だな、あと、化粧台から、たまに何かが吹き出しているんだが、」

「ああ、それは脱臭と、芳香をする魔道具です、」

「なるほど、だからこのトイレは、良い匂いがするのか、エルル、私はさっそくトイレを使わせて貰うぞ、食堂で待っていてくれ、」

「わかりましたロバートさん、ごゆっくり、」

と、エルルが廊下に出ると、大きな寸胴を抱えたサムが、食堂に入って行く所であった、エルルが食堂にはいると、サムは食堂の厨房で、先程持っていた寸胴を火にかける所であった、

「サム、それはみんなのお昼ご飯?」

サムは不意に声をかけられ、ビックリしたようで、こちらを見て、

「なんだ、エルル様ですかい、これは晩御飯用のスープの具財を料理長より頂いてきたのですよ、これから、味付けをして、煮込む所ですよ、」

サムの言葉にエルルはめを輝かせ、

「じゃ、サム、この調味料を、使ってみてよ、うちの方の調味料なんだけど、とっても美味しいよ、」

と、ポケットから出す振りをしながら、固形状のにした、カレールウを寸胴の大きさに合わせて出し、サムに渡すと、サムは、

「こりゃ、香辛料の塊ですかい?こんな貴重な物使っちまっても、良いんですかい?」

流石、下働きでも料理人、香りだけで香辛料と分かったのだろう、

「そうだよ、その寸胴鍋に入れてみて、他の調味料は入れちゃダメだよ、」

サムは寸胴鍋の蓋を開けて、カレールウを入れて、大きなおたまで、寸胴鍋をかき混ぜ出すと途端にカレーの良い匂いが、溢れ出す、

「エルル様、こりゃ良い匂いですねい、こんな複雑な香り、初めてですよ、味が、楽しみです、」

「いつもより長めにに煮込んでみて、美味しいよ、」

「はい、わかりましたエルル様、」

ロバートが食堂に入って来るなり、

「良い匂いがするな、昼飯か?」

エルルが調理場から顔を出し、

「夕食だそうですよ、僕の家でよく出してたスープですよ、祖父や祖母には大人気のメニューですよ、サム、トロみがでたら、完成だから、」

「はい、わかりましたエルル様、夜を楽しみにしてくだせえ、少し早いですがお昼も取れますが、ロバート様、」

「わかった、エルルの分と、二つ用意してくれ、エルル、少し早いが、先に食事を取ろう、」

と、ロバートが食堂の机に座ろうとすると、エルルが、

「ロバートさん、こちらに座りましょう、」

と、廊下からも、通路からも死角になる一番奥の席にすわる、サムが、今朝と同じスープと、パンを運んできてくれる、サムが厨房に下がったのを確認したエルルは、

「ロバートさん、ちょっと他の人から僕が見えない様にしてて下さいね、」

と、机の上に箱を出し箱の扉を開け二人のパンを入れる、次にエルルは小瓶を出しスプーンで中身をすくいロバートのスープに粉をふりかけ、自分のスープにもふりかける、

チン、と、音がすると、箱の中から、二人のパンを取り出し、箱をしまう、次ににまた小瓶を出しスプーンの形が変わった物で中身をすくいパンに塗っていく、エルルは小瓶などを素早く片付けると、

「ロバートさん、お待たせ、スープよくかき混ぜてから飲んでね、」

「お前、空間魔法が使えるのだな、」

「ええ、魔法でしたら、多分どんな魔法も、行けますよ、祖母が魔法の達人でして、」

ロバートはもう聞くまい、とばかりにスープを飲んで、驚き、もう一度飲んで、

美味い!美味い!パンを食べて、甘い!スープに付けずにパンが、食べられるなんて、

と、食レポだったら失格の感想だが、味は気に入ってくれた様だ、粉のコンソメと、トースターで焼いたパンに、山桃のジャムを塗っただけなのだが、

「ロバートさん、公爵家の執事の食べ方じゃ無いですよ、」

と、悪戯ぽく言うと、

「エルル、お前凄いな、このスープと、パンは朝食と、同じ物だろう、どんな魔法なんだ、」

「ロバートさん、魔法は一切使ってないですよ、スープに香辛料を入れてパンを焼きなおしてジャムを塗っただけですよ、」

「だが、全く別物みたいだな、朝エルルが休みの時に厨房に入りたいと、言っていたが、こんな美味しい料理なら、大歓迎だ、」

「ロバートさん、夜のスープも楽しみにしてて下さいね、で、午後の予定は?」

「屋敷の外で働く庭番と、馬廻の所と、騎士の詰所、後は風呂だな、主人様と、屋敷の方々への挨拶、屋敷の厨房はエルルが騎士団の所から帰ってからになる、では、行くか、」

と食堂を出て行くロバートの後をエルルは付いて行った。


メイド達が交代で食事を取りに食堂に入って来る、入って来る皆、食堂にほのかに香る匂いに気づき、食事を持って来るサムに、聞いている、

侍女長と、ソフィアの所にもサムが食事を持って来ると、

「サム、良い匂いがしてるわね、」

「へい、夕食を楽しみにしていて下さいよ、エルル様に頂いた香辛料を入れたんですが、

これが、もう、って、すいやせん、」

と、帰って行く、侍女長はサムが離れた後、

「ソフィー、で貴女の目から見てエルルはどうでしたか、」

「そうですねぇ、可愛い妹と言った所ですか、」

「ソフィア、」

「はい、侍女長、私の父と同等、もしくはそれ以上のだと思います、私が治癒魔法の行使を進言した所、父と同じく安易に治癒魔法に頼る危険性を理解していました、」

「あの若さで宮廷医師と、同等の知識を持つですか、貴女のお父様や、大神官様が直す事の出来なかった弟の肩を、先代様はエルルが治せると、確信しているのでしょう、ソフィー、エルルの出向にお手伝いとしてメイドを付けるわ、人選はソフィーに任せるわ、」

「私も同行しますよ、侍女長!丁度お昼なので聞いてきます、」


イオとアニーが昼食を取っていると、

「一緒に良いかしら、」

と、スゥーがイオの隣に座り、アニーが、

「スゥー先輩遅かったですね、」

「ええ、ミオン先輩のお見舞いに行ってきたの、」

「そい言えばシフト変更がありましたね、ミオン先輩はどうでしたか、」

「それがね、新人のエルル君が、診察をしてくれて、薬を貰って飲んだから、大丈夫だよって、しかも、すっごく美味しいお菓子を食べさせて貰ったって、自慢されちゃった、なんでもその美味しいお菓子をエルル君の休みの時、皆の食事に付けてくれるそうよ、」

「えっ、新人君お医者様なの?」

「ええ、そうらしいわ、あと、治癒術師でもあるんだって、」

「何それ、新人君は神なの、」

と、その時スゥーの同期のメイドが入ってきて、辺りを見渡し小声で、

「ねえ、トイレが大変よ、」

と、伝えると皆の視線が入って来たメイドに集まる、

「リナ、なにがあったの?」

「スゥー、今私トイレに行って来たんだけど、あの奥の座るトイレが増えてたの、真ん中の個室も座るトイレになってた、なんでもロバートさんが便座を寄贈したと書いてあったわ、」

「何それ、嬉しいけど、」

「貴女達、少し良いかしら、」

と、不意にソフィアが話しかけると、顔を寄せ合い話していたアニー達は、一斉にソフィアに振り返る、

「お話中にゴメンなさいね、じつは明日エルル君のお手伝いで騎士団に行くメイドを決めているんだけど、貴女達の中で行きたい子はいる?」

直ぐにアニーが、

「はい、はい、ソフィア先輩、私行きたいです、」

「アニー、貴女は、イオの指導係だから、ダメよ、」

アニーががっくりうなだれる横でスゥーが、

「ソフィア先輩、私行きたい、」

ソフィアは何時も控えめであまり感情を出さないスゥーに、少し驚き、

「スゥー、貴女が行きたがるなんて珍しいわね、じゃスゥーにお願いしようかな、」

「はい、」

と、スゥーが嬉しそうにガッツポーズをしている、ソフィアはおもむろにリナを見て、

「リナ、貴女香水をつけてるの?」

一瞬ソフィア以外のメイドが固まる、リナが、

「まさか、香水なんて、私達のお給金では、逆立ちしても買えませんよ、」

「でも貴女とても良い香りがするわよ、」

「そうですか、心当たりが無いのでわからないです、」

「そう、ゴメンなさいね、スゥー、明日宜しくね、じゃ、」

と、ソフィアは侍女長の所に帰って行った。


「ロバートさん、立派な馬車ですね、」

「公爵家の馬車だからな、一応三台あるぞ、エルル、紹介するぞ、馬廻けん御者の、ウィン、バルカ、タログだ」

「新人のエルルです、よろしく、ウィン、バルカ、タログ、」

「エルル様、よろしくお願いします、」

「エルル、彼らとは、主人様のお迎えや、奥様、若様、姫様達の送迎で一緒に仕事をする、彼らは普段は厩舎で馬の世話をしている、馬も見てみるか?」

「はい、ぜひお願いします、」

厩舎でエルルは一頭づつ軽くブラッシングをしながら癒しのヒールをかけ、こっそり元気の出る特性角砂糖を口に入れてやると、三頭共におねだりする様に頭を擦り寄せてくる、馬廻頭のウィンが、

「こりゃ驚いた、気位の高え、こいつの甘える所なんて初めて見た、」

「三頭共少し疲れてたから、少し癒しておいたよ、それよりウィン、三人共職業病だと思うけど、腰痛に悩まされてる?」

「えっ、なんで判るんですかい?」

「ああ、エルルは執事見習いだが、医者でもあるんだ、」

「ロバート様、本当ですかい、」

「ああ、本当だ、三人共見てもらうといい、」

「職業病の様な慢性の腰痛は中々治らないから、治癒魔法をかけるよ、三人共詰所で横になって、」

三人はエルルの言葉に固まっている、ロバートが、

「ウィン、まだ回らないといけないから、早く詰所に行きなさい、」

詰所に三人を並べて寝かせて治癒魔法をかけて行く、エルルが、

「治癒魔法は凄く便利なんだけど、術者が人の身体の構造、患者の状態を把握せずに、安易に痛みを治癒したり、見た目の怪我を治しちゃうと、身体の内部で実際には間違って治っちゃう事があるんだ、で、治癒魔法の後遺症が後から出たりするんだよ、勿論、命に関わる様な大怪我の場合は治癒魔法が有効なんだけど、まあ使い方ですね、良し、治癒し終わりましたよ、」

ウィン達等三人は起き上がると腰痛が治っている事に驚き、嬉しさのあまり、エルルに抱きついて、

「先生、エルル先生、ありがとうございます、」

と、感謝されちゃったよ、そんなウィン達を見かねたロバートさんが、

「お前達、エルルを離せ、まだこれから庭番の所に行かないといけない、」

と、ロバートさんは言い、エルルを連れて公爵家の庭園まで来ると、大きな鎌の様な物で芝を刈っている男に、ロバートさんが、

「ダン、作業中わるいが、この者は今日から執事見習いになったエルルだ、よろしく頼む、」

作業着に麦わら帽子の様な物を被った男が、帽子を取り、ぺこっと、頭をさげ、

「よろしくお願いしやす、エルル様、」

「こちらこそよろしく、ダン、この広い庭園をダン一人で管理しているの?」

「いいえ、あっしの息子も、働かせていただいてまさぁ、今日は早上がりで、帰っています、」

「そうかもう夕方だもんね、ダン、お疲れ様、息子さんによろしくね、あと、凄い汗だね、クリーン、」

と、ダンに向かって手をかざして洗浄魔法をかけると、ダンは

「ひゃぁ、何ですかい、身体がすうすうしやす、ひゃぁ、気持ちいい、」

「クリーンって、言う洗浄魔法だよ、さっぱりしたでしょ、」

「はい、水浴びした後みていに、さっぱりしやす、エルル様は凄い魔法が使えるんですね、」

「エルル、後屋敷の門にある騎士の詰所に行こうと思ったんだが、出向から帰ってからだな、遅くなった、寮へ戻るぞ、」

「はい、ロバートさん、またね、ダン、」

と、エルルはロバートについて寮に帰った。


寮に戻り食堂の前を通ると、廊下までカレーの良い匂がしている、

「本当に良い香りだな、後は風呂だけだ、」

廊下の一番奥に風呂があり、男性用と、隣に女性用と、と書かれている、ロバートが男性用の扉を開け中に入っていく、中は脱衣所があり、奥が浴場になっている、脱衣所は棚があるだけで浴場は奥に陶器の湯船が置いてあるだけだった、

「エルル、新人は一番最後に風呂に入って風呂の掃除をするのが、一日の最後の仕事だ、まぁ、ジャンは気にしなくて良い、あいつは遅くまで仕事をする事があるから、待つ必要は無いよ、先に入ったからと怒る様な奴では無い、」

言われたエルルは浴場を見ながら、

「わかりました、ロバートさん、で、浴場と脱衣所も改装しても良いですか、」

ロバートは苦笑いをしながら、

「エルル、お前はそう言うと思ったよ、改装を見ていてもよいか?」

「はい、じゃ、浴場から、」

と、陶器の湯船を消し浴場全体の壁を、明るい色の、これまたなんちゃって大理石を貼り付けると同時に大人が二人で寝そべる位の美しい白磁の陶器の様な湯船を起き、反対の壁に化粧台お風呂バージョンを付け、角にお湯を作り流す魔道具を設置する、魔道具は装飾され、湯船にライオンの口からお湯が出ている、化粧台にはシャワーも設置され、壁に絵と文字で使用法も書かれて、最後に化粧台に石鹸、綺麗な瓶に入ったシャンプー、トリートメントが、置かれて試供品と、書かれている、

「ロバートさん、お風呂は、完了です、これから脱衣所を改装しますが、ロバートさん、一番風呂、入ってみませんか?」

「エルル、御屋敷のお風呂より立派だぞ、よし、エルルが脱衣所を改装する間に入ってくるか!」

と、ロバートさんは、執事服を脱ぎ、すっぽんぽんになってお風呂に入って行ったよ、

脱衣所は、清潔感がある壁に変え棚もお洒落な物かえて、大きな鏡付き化粧台に、ドライヤーを設置して、あと、長椅子を用意して、お約束の扇風機っと、完成、冷蔵庫は要検討と、あれ、ロバートさんまだ出てこないや、

エルルは浴場の扉を開け、湯船でくつろいでいるロバートに、

「ロバートさん、いつまで入ってんですか、」

と、ロバートを急かせ、すっぽんぽんのまま鏡台の前にに座らせ、ドライヤーで髪を乾かす、おお、七三分けにしていないロバートさん、ワイルドでカッコいいよ、

「ロバートさん、バスローブとかありますが試供品で使ったシャンプーとかとセットでいかがですか、今ならバスローブにロバートさんの名前を入れますよ、」

ロバートさんはすっぽんぽんのままバスローブを手に取り、

「おお、これは良いな、石鹸や、髪を洗う石鹸も良かった全部でいくらだ?」

「セットで銀貨7枚ですね、お風呂上がりにそのままバスローブを着て、髪の毛を乾かしたあと、バスローブをあちらのハンガーにかけておけば、僕が清掃の時にバスローブにクリーンの魔法をかけておきますよ、シャンプーや石鹸などはセットに洗面器をつけますので、持ち帰って下さい、」

「よし、いただこう!」

「まいど、じゃあ、ロバートさんバスローブはハンガーにかけておきますよ、胸の所に名前が書いてあるから、僕のと間違えないで下さいね、」

と、ロバートと書かれたバスローブと、エルルと書かれたバスローブをかける、

「遅くなってしまったが、食事に行こう、」

廊下に出ると、丁度、女性用の風呂から、イオと、アニーが出て来て、エルルが、

「イオさん、お疲れ様、僕はこれから食事です、イオさん達もですか?」イオが答えようとすると背後からアニーが、

「エルル君、今イオにお風呂の使い方と、掃除の仕方を教えたんだけど、女性風呂は広くて掃除が大変なの、エルル君が良かったら、掃除を手伝ってあげてくれないかしら、」

「アニー先輩、そんな、エルルさんに悪いです、」

「イオさん、大丈夫だよ、僕、魔法が得意だから、掃除も一瞬だから、気にせず声かけてね、同期なんだから、助け合わなくっちゃ、」

ロバートさんが、

「イオ、ここは、エルルに甘えておけ、こいつは本当に器用だぞ、エルル俺からも頼む、イオを手伝ってやってくれ、さあ、遅くなったが、食事にいくぞ、」

アニーが、

「ロバートさん、髪型変えたのですか?何かカッコ良いですよ、それに髪がサラサラ、だし、良い香りがしますよ、」

「そうかな、それよりも早く食事に行くぞ、」

と、食堂に行くとサムがメイド達に囲まれながら、

「すいやせん、これ以上お代わりは、勘弁してくだせい、他の人の分が無くなっちまいまさあ、」

それを見たアニーは、

「サム、私達まだ食べて無いわよ!早く持って来てね!」

サム、は声をかけられ、こちらを向くと、

「あっ、エルル様、いま用意しますから、待っててくだせい、」

と、周りにいるメイドにもう一度謝り、厨房に入って行く、

エルル達が空いている席に座ると、サムがスープとパンを並べていきながら、

「エルル様、スープ、大人気ですぜい、皆お代わりをって、こいつぁ凄いスープでさあ、

早くエルル様のお休みの日が来ないか、待ち遠しいですぜい、」

アニーとイオもスープを飲むと、

「何これ、凄く美味しい、この味、辛いのに食べるのをやめられない!」

「はい、アニー先輩、私も止まりません、」

そんな二人にエルルが、

「イオさん、このスープはね、パンじゃなくて、もっとあう食材があるんだよ、みんな驚くと思うけど、明日騎士団で振舞って好評だったら、休みの日に作るよ、」

「ええー、スゥー先輩や騎士団の方々が羨ましいです、」

「そうそう、エルル君、ミオン先輩にとても美味しいお菓子をあげたんでしょ、でエルル君がお休みの日に皆んなの食事に付けるって聞いたわよ、」

「アニー先輩、耳が早いですね、プリンってお菓子です、楽しみにしていてください、」

隣で黙々とカレーを食べていたロバートが、

「イオ、スゥー、が羨ましいとは、どういう事だ、」

「えつ、ロバートさんスゥー先輩は、エルルさんの出向のお手伝いに行くとお昼にソフィア先輩からお話が、ありましたが、」

「エルルと、外に出ていて知らなかったな、

後ほど、侍女長に確認をしておくよ、」

エルルはイオと、ロバートの会話を聞いて、

「それは本当に有難いです、じゃイオさんお風呂の時に声をかけて下さい、ではお先に、」

と、エルルは食堂をあとにした。


エルルがお風呂を済ませ部屋でくつろいでいると、部屋がノックされ、エルルがドアを開けると、お風呂上がりらしい、イオが、立っていて部屋の中を見て眩しそうに目を細めながらも、驚きで固まってている、

「イオさん、お風呂ですね、了解、行きましょう、ってイオさん、髪が濡れたままですよ、」

と、エルルに言われ、呆けていたイオが、

「ええ、私風魔法は使えないんで、洗ってタオルで水分を取るぐらいで、」

「わかりました、イオさん、まず女性風呂に行きますよ、」

と、イオの後について女性風呂に入る、流石に十人以上の使うお風呂は大きく、イオ一人の掃除は大変であろう、大きさの割に照明魔道具が、小さく薄暗い、エルルは浴場と、脱衣所にそれぞれ洗浄魔法一発で瞬時におわらせ、イオに、

「はい、イオさん終わりました、ちょと付いて来て下さい、」

と、イオを隣の男性風呂に連れて行く、中に入ったイオは固まっていて、エルルはそんなイオを化粧台の前に座らせ、ドライヤーで髪を乾かしかけて、

「イオさん、髪を何で洗ってるの?」

「えっ、石鹸ですよ、って言うか、エルルさん、その魔道具は何ですか?この部屋もお昼の様に明るい、」

「イオさん、石鹸って、体を洗う石鹸?」

「エルルさん、体を洗う石鹸以外にも石鹸があるんですか?」

「イオさん、体洗う石鹸で髪を洗うと、髪が傷みますよ、と言うか、傷んでいます、イオさん、もう男性風呂は誰も使わないので、もう一度お風呂に入って髪用のシャンプーと、トリートメントを使って髪を洗い直して下さい、使い方もちゃんと書いてあります、はいこれバスローブ、湯上りに使って下さい、さあ、早く、」

言われたイオは、おもむろにに服を脱ぎ出し、エルルは真っ赤になり、慌てて、後ろを向き、

「イオさん、いきなり脱がないで下さい、びっくりしちゃいましたよ、ちやんと、後ろを向いてますから、わからなかったら声をかけて下さい、」

「えっ、何で?エルルさん?」

「イオさん、僕は男ですよ、」

「あっ、そうでした、」

「イオさん、イオさんは、プリン抜きですね、」

と、言うと、イオがいきなりしがみついて来て、

「エルルさん、いやです、いやです、」

エルルは驚きイオを見ると、すっぽんぽんのイオがしがみ付き、いやいやをしている、

イオさんは巨乳だった、ものすごい巨乳だった、

「イオさん、わかりました、わかりましたから、お風呂に入って来て下さい、」

何とかイオをお風呂に入れると、今度はいつまでたっても、イオはお風呂から出て来ない、

「イオさん、いつまでお風呂に入っているんですか?早く出て来て下さいよ、」

と、声をかけると、中から、バスローブ姿のイオが出て来て、

「エルルさん、王城のお姫様になった様な気分です、このバスローブって、良いですね、あそこのバスローブ、エルルさんとロバートさんのですか?」

色々聞いて来るイオに、

「はいはい、イオさん、ここに座って、髪、乾かしますよ、」

「えへへ、エルルさん、ありがとうございます、」

エルルはイオの髪を乾かしながら櫛でとかす、

「イオさん、綺麗な髪ですね、トリートメントをしたから、ちゃんと艶が戻ってますよ、」

「本当だ、ごわごわだった髪がこんなにしなやかになってる、エルルさん、あのシャンプーとかって、試供品って書いてあったけど、売り物なの?」

「イオさん、今なら、バスローブに名前を入れて、石鹸、シャンプー、トリートメント、と洗面器のセットで銀貨七枚です、ロバートさんも購入されましたよ、」

「エルルさん、私、買います!」

「じゃ、これ、」

とエルルは何も無い所から、洗面セットを取り出し、イオのバスローブに名前を入れる、

「後、イオさん、僕とイオさんがお風呂最後だから、イオさん、内緒でこっちのお風呂入っちゃえば良いんじゃない、」

「はい、エルルさんお願いします、二人の秘密です、」

と、イオはほほえんだ。



















ありがとうございました。

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