家族の食卓
特別編で長くなってしまいました。
よろしくお願い致します。
特別編 家族の食卓
「マイラ姉さん、姉さんが私を呼ぶなんて珍しいね、」
「ええノルド、今日は付き合って欲しい所があるのよ、」
「構いませんがどこなのです?」
マイラは悪戯っぽくニヤリと笑い、
「エルルの家よ、今日エルルの家て行われる食事会に付き合って欲しいのよ、どうかしら?」
「姉さん本当かい?エルルの家は辺境領の魔の森の中だよ転移で行くのかい?私は勿論参加させて貰うよ!」
「貴方は絶対そう言うと思ったわ、本当はエルルが貴方を誘いたかったのよ、でもあの子が貴方だけを誘ってしまうと、フランチェスカさんや息子さん達に悪いでしょ、流石に伯爵家皆は無理よ、だから私が貴方を誘ったのよ、」
「ありがとうマイラ姉さん、ノア姉さんの家だったんだ一度行ってみたかったんだよ、」
「ねえノルド、魔の森って一流の冒険者でないと入れないんでしょ?」
「浅い所は初心者の冒険者でも大丈夫だろうね、でもノア姉さん達の家がある所は化け物クラスでないと辿り着けないだろうね、」
「イオも住んでいるみたいだけど、あの子大丈夫なのかしら、」
「エルルが弟子にしたんだ、マイラ姉さんの孫も十分化け物クラスって事だよ!しかも超貴重な空間魔法の使い手だからね、」
「ええ二人が空中から物を取り出した時は驚いたわ、」
二人が話していると執事が居間に入って来て頭を下げ、
「奥様、エルル様をお連れ致しました、」
執事の背後からエルルが顔を出し、
「お婆様、大伯父様迎えに来ましたよ、」
「エルル、いらっしゃい待っていたわよ、」
「エルル、私も御呼ばれして良かったのかい?」
「本当でしたら僕が大伯父様を招待しなければいけなかったのですが、」
「マイラ姉さんから聞いている、気を使わせてしまったね、」
「いえ大伯父様に来て頂ければ祖母もきっと喜びます、ではこのゲートに入って下さい、」
とエルルが居間にゲートを開くと、
「エルル転移魔法ではないね、」
「はい!空間魔法のゲートです中に入ってみて下さい、」
二人がゲートをくぐると大きな木の下に出て、
「お婆様、大伯父様ここは祖父と祖母のお墓です、良かったら参って頂けませんか、」
二人共何も言わずお墓の前まで行くと、以前イオがしたようにこの国の礼式でお参りをして、
「ノア、貴方が先に行ってしまうなんて、
先日エルルが初めて私を見た時にわんわん泣いたのよ、貴女愛されていたのね、ノアがエルルを見守った様にこれから私もエルル達を見守るわ、沢山土産話を持って行くから、もう少しだけ待っていてね、」
マイラの隣でノルドは涙を流し、
「ノア姉さんが王都を出た時が別れの時になってしまったよ、やっと姉さんに会いに来れたよ、きっとソルス様の元で剣聖と楽しくやっているんだろうね、姉さんの大切な孫を私も見守ろう、」
背後に立っていたエルルは涙を拭い、
「では自宅に案内しますのでこちらへ、」
とエルルに案内され家の中に入り玄関でスリッパに履き替え、居間に入ったとたん部屋の中から美しい中庭を見て口をあんぐり開けてるよ、
居間のソファーに座っていたエドモンドが
「マイラ様、アルマン卿お久しぶりですな、」
「閣下どうしてこちらに?あと隣の美しい女性はどちら様ですかな?」
「卿!閣下は辞めて頂きたい私は今は辺境伯ですよ、それに彼女は妻ですよ!」
ノルドは驚愕しながらも、
「第二夫人ですか?その様に若く美しい女性を、羨ましいですな、」
隣の女性もエルルもぶぅーっ!と吹き出し、エルルが
「大伯父様、こちらは僕のお母さんのナタリア様ですよ、」
ナタリアも笑うのを堪えながら、
「アルマン卿お久しぶりね、若く美しいなんて嬉しいわ!」
ナタリアの言葉にマイラも驚き、
「ナタリア殿下なのですか?」
「ええステラー夫人、貴女の孫のイオが何時も綺麗にしてくれるのよ、魔法も凄いけれど、メイクの腕も超一流よ、」
そこにイオがトレーに焼き菓子とお茶を持って来て、
「お婆ちゃんいらっしゃい、伯爵様お茶とお菓子です、」
イオは何時もの細身の黒いパンツに白いワイシャツその上に薄いピンク色のパーカーを羽織っていて、
「あらイオ素敵な洋服ね、ナタリア殿下も素敵な衣装で御座いますね、」
とマイラは言いながら、ふと棚の上の写真を見て、
「まぁ、ノアったら姿絵の自分を若く描かせるなんてあの子らしいわ、」
「お婆様、あの姿絵は鏡に映る姿をそのまま残している様な物で絵ではないですよ、」
マイラは驚き!
「エルル!待ってこの絵はいつ描いた物なの?」
「描いては無いのですが、二年程前に撮った物ですね、」
「二年前ですって!ノアは二年前こんなに若く見えていたの?」
エドモンドが、
「マイラ様、私が二十年ぶりに此処に来てノア様に会った時、正直に申しまして二十年前より美しくなって見えて驚きましたよ、」
マイラはわなわなと震え出し、
「不味いわ!私がソルス様の所に召された時こんなお婆ちゃんじゃあノアに笑われてしまうわ!エルルお願い!わたしをノアの様にして頂戴!」
「お婆様は十分お綺麗ですよ、ただ長年首と腰を庇ってみえたのでしょう、
かなり腰と首が曲がっています、まず庭の温泉に入って身体をほぐして下さい、温泉から出たら治療も兼ねてお肌も手入れ致しますね、あとお婆様が良ければ婆ちゃんの服を着て貰えませんか、婆ちゃん気に入った服ばかり着て袖を通して無い服が沢山あるんです、」
「庭の池は温泉だったのね、イオや殿下の様な素敵な衣装が着られるなんて、」
「エルル、アルマン卿にも作務衣を用意してくれないか、卿!私が着ている服を着てみませんかな、とても楽で心地よいですよ、」
「ほう、興味深い是非、」
「じゃあイオさん、お婆様にお風呂の仕度をお願いします、僕の治療が終わったらお婆様にイオさんのテクを見せてあげて下さい、」
マイラとノルドがそれぞれ温泉に入り、
マイラはエルルに曲った身体の治療と、アロママッサージを受け、ノアと同じくマッサージにハマって、
「ノアはズルいわずっとエルルにマッサージをして貰ってたんでしょ、しかも毎日温泉なんて、若返るはずよ!」
「はい、お婆様マッサージは終了です、後はイオさんに更に美しくして貰って下さいね、イオさんお願いします、」
「じゃあお婆ちゃん私の部屋に行くよ、」
エルルが居間に戻るとノルドがエドモンドとソファーでくつろぎながら居間から中庭をみて、
「なんと心地よいソファーだ!眠ってしまいそうだ!我が家に持って帰りたいですな、それにこの服はとても楽でエドモンド殿が気に入られるのもわかりますな、」
「卿、この椅子は私のお気に入りでして、妻も気に入って公爵家の部屋にもこのソファーが有りますよ、」
「辺境領の屋敷でなく公爵屋敷ですかな?」
「ええ、我が家にはエルルとイオが居りますからな辺境領も王都も魔の森も隣の部屋みたいな物ですよ、」
「うちの甥にも一人転移が出来る者が居りますが、転移の魔法を使えば丸一日魔法が使えません、増して人一人連れて転移したら、数日起き上がれませんな、」
「エド!息子もイオも便利屋ではないわよ!」
ナタリア母さん貴女がそれを言うのか!とエルルは内心思いつつ、
「では大伯父様同じソファーをお一つプレゼントいたしましょう、」
「本当かい!私の執務室に置いてくつろげるな!出来ればこの衣装も頂きたいのだが、」
「はい、サービスで付けちゃいますよ、今日のお客様は何か一つプレゼントをしちゃいますよ!」
「おお!ありがとうエルル!今日此処に来て本当に良かったマイラ姉さんに感謝だな、でマイラ姉さんは?」
ノルドが辺りを見回すとイオが居間に入って来て、
「お婆ちゃん着替えてメイクしてたら眠っちゃったので私のベッドに寝かせて来ました、」
「了解!イオさんそろそろ家族の方達のお迎えをお願いしますね、」
「はい!では行ってきます、」
とイオはゲートの中に入って行った。
イオの迎えを待つタリスマン家では、
「ねえ、父さんは仕事が入ったって本当?あんなに楽しみにしてたのに、」
リンの言葉に母ミリアが、
「昨晩は宰相様と公爵閣下の陰謀だ!何て喚いていたわ、朝公爵家の馬車が迎えに来てね、馬車に乗る時ウォーレンたら汚職貴族が捕まった時の様な顔をしていたわ、」
レンが、
「母さんイオに頼んでお土産を貰って来ようよ、父さんが可愛そうだわ、」
「姉さん、私はまだ信じられないんだけど、」
「リン姉!直ぐに本当だと分かるよ、ほら!」
皆の前の空間に扉位の穴が開き中からイオが、
「お待たせー皆んな迎えに来たよー!」
「待っていたわよイオ!相変わらず素敵な服を着ているのね、でお父さんが急な仕事で行け無くなっちゃったの、」
「わっ!お父さん可愛そうあの料理が食べられないなんて!」
「イオ姉!早く行こうよ!」
「イオ、本当に見違えるほど綺麗になったわね、貴女凄い魔法使いになったんだってね!」
「お姉ちゃん久しぶり!綺麗だなんてありがとう、凄いかどうかは分からないけど結構高位の魔法使いにはなったのかな?」
「イオ姉!早く!早く!」
イオは双子の妹達に急かされゲートを開き、
「さあ皆んなこのゲートの中に入って!」
イオの言葉と同時に双子の妹達が飛び込んでいきその後姉達とミリアが入って行く、
森の家の玄関に出て、
「この家土足厳禁だから、皆このスリッパに履き替えてね、履き替えたらこっちね、」
とイオの後ろに付いて居間に入ると、妹達は居間から見える中庭を見て庭に向かって走り出す、イオが!
「ナツ!リツ!待ってそこわっ!」
ガラスの壁に双子揃って同じ姿勢でぶつかり固まっていて、ソファーでくつろいでいた皆が大爆笑する、母ミリアが、
「閣下、それに伯父上どうしてこちらに?」
エドモンドの横に座っていた美しい女性が、
「息子の食事会に親がいるのは当たり前でしょ!」
「親とは、まさか殿下なのですか?」
「エルルの母のナタリアよ、あとエドはもう閣下では無いわ、」
ミリア達は皆エドモンドとナタリアの前で片膝をつき、
「イオの母のミリアで御座います、こちらから、長女のレン次女のリン妹のナツとリツで御座います、」
と、紹介され皆頭を下げる、
「皆辞めてちょうだい!家族の食事会にそんな硬い挨拶は要らないわ!さあ皆も座って食事までゆっくり楽しんでちょうだい!」
リンがエドモンドの前に進み出て、
「王立騎士団所属、衛士のリンで御座います、是非剣聖様の一番弟子の辺境伯様にご指導願えませんでしょうか!」
「リン!辺境伯様に失礼よ!」
「エド!食事前の腹ごなしに指導してあげなさいな、」
「ほう!それは面白そうですな、私も是非見学させて頂こう、」
「ナツ!貴女も衛士志望なんでしょ、一緒に指導して貰いなよ、」
と双子のリツが言う、すると居間に黒髪の美少女が入って来て、
「今日はよく来て下さいました、エルル・ルコルと申しますイオさんには、いつもお世話になっています、」
イオの家族の目が皆、点になっている、
どう見てもイオやナツ達と変わらない少女にしか見えない、皆の隣でイオが
「エルルさんはこう見えても凄い魔法使いなんだから!」
イオさんこう見えてもは師匠に失礼だよ!何て思っていると、
「エルル様、イオの母のミリアです、娘がお世話になっています、」
「いえ、僕の方が色々助けて貰ってますよ、
エド様剣の指導をなさるなら、例の物をご用意しましょうか?」
いきなり悪い顔するエルルに、エドモンドも悪い顔をして目で頷き
「ではお姉様これを、」
と光剣を渡す、
「これは?」
「光剣と言う魔道具です、魔力を流すとこの様に、」
と美しい光の刀身を出し皆を驚かせる、ノルド様が目を見開いて、
「おお!素晴らしい!なんと美しい魔法剣だ!」
「大伯父様、模擬戦用の魔道具ですので、身体に当たってもすり抜けるだけで怪我などは一切ありませんよ、お姉様何時もお使いの剣をイメージしながら魔力を流して見て下さい、」
リンが魔力を流すと赤く光る刀身が出て、皆またおお!っと歓声を上げるエド様が
「じゃあ君に指導をする前にに余興として私とエルルで剣舞を披露しよう、エルル良いかい?」
「はい、では中庭で!イオさん中庭に例の結界を張って下さいその上で行います、」
「はい!エルルさんこんな感じで良いですか?」
イオの張ったステージに上がると、皆空中に立っているように見え驚いている、エド様もおっかなびっくりステージに上がりお互い頭を下げ、軽く打ち合い流れるような光剣の剣筋の残像が残る、皆はエルルとエドモンドの舞う様な剣撃に見惚れている、やがて二人は打ち合うのを辞め、頭を下げると、エルルはステージから降りて、凄い笑顔でリンに、
「さあ!お姉様舞台に上がって思いっきりエド様に指導して貰って下さい!隙があったら怪我しないので思いっきりエド様を切っちゃって下さいね、」
リンは舞台に上がるとエドモンドに騎士の礼を取る、エドモンドが目だけで返礼すると
リンはエドモンドの懐に入る様に飛び込んで行くが、あっさりと剣だけでいなされてしまう、
「君の剣は正直過ぎるな、剣筋を読まれてしまうよ!」
エドモンドはリンにアドバイスをしながら、リンの剣を受けている、
ナタリアが、
「エドってこうして指導してる時はカッコ良いんだけど、エルルと模擬戦する時は何時も悲鳴をあげているのよね!」
「はい、私もこんなカッコ良いエドモンド様は初めて見ました!」
「二人共!エド様はもの凄く強いですよ!間違いなく化け物クラスですよ!」
「じゃあ私の息子は化け物の親玉クラスかしら?」
「お母さん息子を化け物扱いするなんて!」
「貴方父親を化け物扱いしてるじゃない!」
周りで聞いていた者がぷっ!っとふきだす、
ステージの上ではリンが肩で息をしていて、涼しい顔でリンの剣をいなしていたエドモンドが、
「じゃあこちらから踏み込むから防いでみなさい!」
と言った瞬間エドモンドの身体がブレたた様に見えた瞬間リンが、
「キャァー」
とその場に倒れ込み舞台の上を転がり回っている、
「リン姉!どうしたのいきなり転がり回って!」
「今お姉様はエド様に肩から腕を斬り落とされたんですよ、あっ!斬り落とされたと感じているだけで全くの無傷ですよ、」
エドモンドは舞台に倒れたリンの所へ行き、手をさしのべ、
「どうだい光剣で斬られた感想は、君は今私に腕を落とされたと感じたんじゃないかな、
多分何時も木剣で訓練をしているのだろう、対人戦に寸止めの癖が付いてしまっている、この光剣での鍛錬はより実戦に近い鍛錬が出来るのだよ、もうその剣は君の物だ励みなさい、」
「辺境伯様ありがとうございました、勉強になりました!」
二人がステージから降りるとエルルが、
「イオさん、妹さん達はどうしますか?僕が相手してもよいですが、ゴーレムに相手させても良いですよ!」
「エルルさん、顔!顔!悪人の顔になってますよ!ナツ、リツ貴女達も余興に参加してみる?」
「イオ姉!魔法も使っちゃっても良いの?」
「思いっきり使っても大丈夫だよ!えっとイオさん、皆さんの名前を教えて貰えるかな、」
「まだエルルさんに紹介してませんでした!
妹のリツとナツです、」
リツとナツはエルルに頭を下げ、
「「エルル様リツです、ナツです、」」
「リツちゃんとナツちゃんだね、僕今まで公爵家の方以外で年下の子に会った事が無かったから、妹が出来たみたいで嬉しいよ、イオさんの妹なら僕の妹も同じだから、お兄ちゃんと呼んでね、じゃあ二人共ステージに上がって!ナツちゃんは魔法よりも剣かな、はい!お姉様が使っていたのと同じ光剣だよ魔力を流して見て!」
ナツは光剣の柄をとり、魔力を流すとオレンジ色の短めの剣が出来てオモチャを買って貰った子供の様にはしゃいでいる、そんなナツを羨ましそうに見ているリツに、
「じゃあリツちゃんにはこれを、」
とエルルは白銀の太めのブレスレットをリツに渡し、
「このブレスレットは魔法の杖と同じ効果があるよ練習次第では超高速で魔法を使えるようになるよ、」
リツはブレスレットをはめ火球の魔法詠唱を始め様とするが、詠唱より速く火球が出来て、
「えっ!どうして?無詠唱?」
エルルはお兄ちゃんは凄いでしょう!とでも言いたげな顔で、
「ある程度慣れた魔法は腕輪が魔法を先読みするから詠唱は必要無いよ!あと魔法のワンポイントレッスン!」
と言ってエルルは掌に青い火球を作り出す、
「わっ!青い火球!学園の初等部で青い火を使う子が居るって噂になってたけど初めて見た!それにこの腕輪凄いです!」
とリツがキラキラした目でエルルを見ている横で、同じく目をキラキラさせたじいさんが、
「エルル儂にも魔法を教えてくれ!どうして炎が青いのだい?」
「はいはい大伯父様落ち着いて!魔法はイメージが大切ですよね、でももう一つ科学と言うことわりを学ぶ事により魔法の効果を飛躍的に高める事が出来ます、
では皆さんも一緒にトーチの魔法で火を出して下さい、」
その場にいた者が皆指先に小さな炎をつける、エルルも指先に青い火を出し、
「物が燃えるには空気が必要です、空気が無くなれば火は消えてしまいます、火に空気を送り込む様なイメージで火をつけると炎は青くなります、ちなみに青い炎は普通の炎より温度が高く魔法の威力もましますよ、先ずはトーチで付けた炎を青くする練習をして下さい、一度炎が青くなれば炎系の魔法は全て青い炎になりますよ!」
「わぁ!エルルさん見て下さいよ!私の炎青いですよ!」
「本当だイオさん凄いですね って!えええっ!!イオさんどうして?って!そうか!結界の中で火を付けたのですね、さすがは僕の弟子ですね!」
「イオ姉がトーチの魔法を使ってる!」
「イオ貴女普通の魔法も使える様になったの?」
「そんな訳無いよ今はこの小さな炎が精一杯だよ、しかも結界の中だけだよ!」
イオさん以外の皆は中々苦労している様で、
「はい、練習はとりあえずここまでにしましょう!リンちゃんナツちゃんじゃあ舞台に上がって!二人には僕が出すゴーレムと模擬戦をして下さいね、勿論ゴーレムに攻撃されても怪我はしませんが、ゴーレムの攻撃が当たれば先程のお姉様の様になっちゃいますよ!じゃあ行きますよ!」
エルルがイオの作った結界に手を付けると魔方陣が浮かび上がりイケメンの双子が出て来る、一人は魔法剣を持ちもう一人は杖を持っている、
イケメン達が優雅に礼をすると、魔法使いが炎系の魔法を放って来る、リツとナツは左右に分かれ、
「リツ!私は剣士を抑えるからその間に魔法使いを!」
「了解!ナツ!」
リツは無詠唱で風魔法を発動させ魔法使いを牽制し、その間にナツが剣士の間合いに踏み込み剣士に斬りかかるがイケメン剣士にいなされ、また間合いを開けられ巧みに魔法使いの前に誘導され魔法使いがナツに向かい今度は水系の魔法を放ってくる、
リツが同じく水系の壁を作り攻撃をかわす、
イケメン魔法使いにナツが横から斬りかかると剣士が間に割り込み二人は激しく打ち合う、
リツが援護の魔法を放とうとするがイケメン魔法使いに邪魔をされリツと引き離されてしまう、
「ほう!あの動きとてもゴーレムには見えんな素晴らしい!エルル今、ゴーレムを操っているのかい?」
「いいえ、自動で動いていますよ大伯父様、」
「エルル私の事もノルドと名前で呼んでおくれ、」
「はい!ノルド様、さあリツちゃん!ナツちゃん!ゴーレムをワンランク強くするよ!」
エルルが姉妹に声を掛けるとイケメン双子の目が赤く輝き剣士のスピードが上がりナツは防戦一方になりリツが援護の魔法を放つより早く魔法使いがリツに雷魔法を放つ!
「キャァーー!リツはその場に倒れ、ナツが一瞬リツに注意を向けた瞬間、ナツの胸に剣士が光剣を突き立てる、
「ギャァ〜!!」
と二人が倒れるとイケメンの双子は優雅に礼をして光の粒になり消えていく、エルルが、
「ナツちゃん、リツちゃんお疲れ様実戦形式の鍛錬はどうだった?」
「エルル様、本当に刺されたと思っちゃいました!夢に見そうです、でもこの訓練凄いです!」
二人が目をキラキラさせてエルルを見ている、
「エルル様では無くお兄ちゃんと呼んでね!」
「「はい!!お兄ちゃん!!」
エルルがお兄ちゃんと呼ばれ感動していると、イオがジト目で、
「エルルさん、私の時は気持ち悪いお化けでナツ達はどうしてカッコ良い男の子達なんですか!」
イオがほっぺをぷぅーと膨らませていると、ナタリアがクスクス笑いながら、
「はいはいイオ、ヤキモチを妬かないの皆鍛錬で汗をかいているから、食事前に温泉に入って来なさいな、」
「はい!ナタリア様、お母さん皆でお風呂に行こうよ、きっとまた凄く驚くよ!」
ミリアとレンが、
「温泉に入れるなんて、貴族様になった様よ!」
エルルがぷっと吹き出し、
「イオさん昨晩渡した着替えをお母様達に、」
「はい!じゃあみんな行くよ!」
とイオに言われたタリスマン家の女性陣がゾロゾロと居間から出て行くとナタリアが、
「面白い家族ね、でも変にプライドが高い貴族より好感が持てるわ、子爵夫人に長女は男爵夫人なんでしょ、」
「ああ、マイラ姉さんが言っていましたな、」
「イオさんの家族って感じでしたね、僕は大好きですよ!じゃあ僕はここにカウンターを作っちゃいますね、お母さん一度下がって下さいエド様、ノルド様もです、」
と言ってエルルは居間のソファーセットを片付け中庭が見えるガラスの壁を背にしてカウンターを出し椅子を並べ、
「お母さん、カウンターの椅子に座ってみて下さい、一応メニュー表も作ってみました、」
ナタリアは椅子に座りメニュー表を見て、
「どれも美味しそうね、行った事は無いけど町の酒場ってこんな感じなのかしら、」
「どうでしょう?僕も行った事が無いので、でももちろんこのお店もお酒も出せますよ、」
イオ達が身体を洗い終わり温泉につかりながら、
「イオ毎日この温泉に入っているの?それに髪を洗う石鹸なんて聞いた事が無いわ、」
「トリートメントもしたから、髪を乾かすと私の髪みたいになってると思うよ、それにエルルさんが皆の着替えを用意してくれてるよ、」
「イオ姉!本当に?イオ姉みたいな服が着れるの?」
「うん!でも服より下着の方が感動しちゃうよ、」
「さっき貴女の下着姿を見てビックリしちゃったわよ!あの下着も用意して貰っているの?」
「うん、公爵家の使用人の先輩達は皆エルルさんから購入してるよ、さあエルルさん達が待ってるから上がるよ」
イオ達がバスローブを羽織りイオの部屋に行くと、
「母さん?どうしてここに?」
ベッドに寝ていたマイラが目を覚まし、
「あら心地よさに眠ってしまったわ!ミリア貴女達も来ていたのね、」
「ていうか!お婆ちゃん若くなったんじゃない?凄く綺麗だよ!」
「まあ、ありがとうリツ皆そのローブ姿という事は温泉に入って来たのね、」
「皆んなエルルさん達が待ってるから早く着替えて、昨日の晩エルルさんが皆に服を用意してくれたんだよ、」
「凄い!イオ姉!イオ姉!渡しイオ姉みたいにズボンが履きたい!」
「ナツ、その前にに下着を着けて!ほら手伝ってあげるから、」
「イオ、私達の下着は?」
「レンお姉ちゃんとお母さんの下着はこれ!ナタリア様がこれを付けるとお父さんと義兄さんが喜ぶって!」
「わっ!着けている感じがしないわ、それにこの胸当ても良いわね、」
「お姉ちゃんブラって言うらしいんだけどこれ着けてると身体のラインが崩れないし、綺麗に見えるんだって、」
「こんなの着けたら、今までの下着はつけられないわね!」
「ねえイオ私の下着だけ皆と違うのだけど、」
「リンお姉ちゃんの下着は運動に特化した下着なんだよ、公爵家の女性騎士さん達はみなその下着なんだよ、」
「ねえイオ姉!この部屋凄いね!なんだか異国みたい!」
「リツ、早く着替えて!」
タリスマン家の女性達が居間に戻るとそこに先程までの居間は無く、中庭を背にカウンターが出来ていてすでにナタリア達が座っていて、エルルがカウンターの中から、
「お婆様座って下さい、さあ皆さんも!イオさんはカウンターの中で僕を手伝って下さいね、」
イオは上着を脱ぎアイテムボックスから濃茶色の前掛けを出し腰に巻いてカウンターにはいる、
「では皆さん飲み物は何にしますか?メニュー表がありますので選んで下さいね、」
「わっ!ナツ!見てよこの薄い本料理の精密な絵と味の紹介が詳しく書いてあるよ!お酒以外の飲み物も沢山のあるよ!」
先にいたエド様達は既に決めていた様で、エド様とノルド様が発泡酒でナタリア様が最近ハマっている乳の発酵ジュースだ、発酵ジュースを見たお婆様が、
「殿下の飲み物は何と言う飲み物ですか?」
「お婆様、お母さんが頼んだのは乳を発酵させたジュースでお腹にとても良い飲み物ですよ、お通じでお困りの方にもお勧めですよ、」
「私はそれをいただきたいです!」
と凄い食い付きでミリアとレンが発酵ジュースを頼み、飲み物はイオさんが次々アイテムボックスから取り出し並べていく、
「イオ姉!私、ラムネって飲み物飲んでみたい!」
「私は甘笹の蒸留酒をお願いしたい!」
エルルは美しいガラスのグラスに蒸留酒を注ぎリンの前に出し大きめの氷を入れ、
「お姉様とても強いお酒ですので気を付けて下さいね、
では!飲み物も行き渡った様なので一言だけ、今日は食事会に参加して頂きありがとうございます、私はこの森で祖父母に拾われました、爺ちゃんも婆ちゃんも逝ってしまいましたが、お母さん、エド様、弟子のイオさん、ここに集まってくださった皆さんが僕の家族だと思っています、今日は来て頂きありがとうございます!乾杯!」
「乾杯!!」
皆が乾杯を済ませるとイオがサラダとスープを出し、
「わっ!生野菜なのに美味しい!」
「スープも美味しいわよ!」
エルルはカウンターのなかでワイバーンの肉の串焼きを焼き秘伝のタレの瓶に付けもう一度焼くと皆から、
「エルルとても良い匂いだ何を焼いているんだい?」
「ワイバーンのお肉ですよ!今お出ししますね、」
と焼き上がった串焼きを皆の前の皿においていく、リンが串焼きを食べ美味しさに固まっていると、
「リン姉!良かったね、ワイバーンが食べられて、」
妹の言葉にリンは夢中でお肉を食べながらコクコクと頷く、カウンターの中からイオが、
「リンお姉ちゃん、ワイバーンの卵を使ったお菓子もとってあるから後でだすね、」
「良かったね、リン姉!食べられなかったって家で大暴れしたものね、」
「こらっ!余計な事を言うんじゃあないわっ!」
姉妹のやり取りに皆が笑い、エルルが、
「お姉様特別にワイバーンの特上肉のステーキです、召し上がれ」
とリンの前に厚くカットされた極上のステーキが置かれ皆もステーキに釘付けだよ!
「後メニューで食べたい物は直ぐに出しますのでじゃんじゃん注文して下さいね!」
「ねえリン!私にそのお肉一口食べさせて、」
「姉さん一口だけだよ、このお肉こんなに厚いのにとろけるよ!」
「リン姉!私にも!」
エルルが同じお肉を皿に取り分けて皆のテーブルに置き、
「皆さんもどうぞ、」
「エルルこの肉も良いが私は焼きそばをくれないか、」
「はい!喜んで!」
エルルは直ぐに焼きそばをエドモンドの前に出す、
「おお!これこれエルル!箸も頼む、」
「エド貴方この間からその焼きそばにずっとハマってるわね、エルル私はピザをお願い!」
イオが直ぐにナタリアの前にピザを出し
ナタリアが美味しそうにピザを食べるのを見て、マイラが、
「イオ私にも殿下と同じ物を頂戴、」
「はい、お婆ちゃんこれ私も大好きだよ!」
「お兄ちゃん!私は一番鶏の唐揚げが食べたいです、」
「エルル!儂もビールと言う酒と唐揚げを頼む!」
「はい!レンちゃん唐揚げ!ノルド様唐揚げはビールとあいますよ!」
皆が美味しい!美味しいとわいわい盛り上がっているとナタリアが、
「エルルそろそろ私はデザートに行くわ!今日のお勧めは?」
「お母さん、今日のお勧めはヌウヌウ水牛の乳で作ったソフトクリームです!」
「じゃあそれにしようかしら、」
エルルはコーンを取り出し、ソフトクリームを作る魔道具の下に置き器用に魔道具から出てくるソフトクリームをコーンにのせ、」
「はい!お母さん手に持っているコーンの部分も食べられるからね、」
ナタリアは女性陣が見守る中ソフトクリームを少し舐め、
「エルル冷たくて美味しいわ!」
「イオ姉!ソフトクリームも凄く美味しそうなんだけど、このメニューに載ってるデザートの欄がすご過ぎて、今イオ姉がカットしてるのってケーキだよね、」
「うん!ナツ当たりだよ食べてみる?」
「どうしよう!食事が美味しすぎて沢山は食べられないから、慎重に選ばないと!」
「ナツちゃん食べられない物はお土産にしてあげるから、食べたい物をたべなよ!」
「ありがとうお兄ちゃん!お兄ちゃんじつは今日お父さんが急な仕事が入って来られなくなっちゃったんだ、食事会を凄く楽しみにしてたから可愛そうで、」
「大丈夫だよ、ちゃんとお土産を用意するから安心してたべてね、」
ナツだけでなく、ミリアと他の姉妹達も皆嬉しそうにお礼を言ってくれて、皆イオさんにデザートを頼んでいるよ、
リンお姉様は、ワイバーンのプリンに夢中で
レンお姉様はイオがカットしたショートケーキをお婆様と一緒に食べて、ほっぺを押さえていたよ、
楽しい時間はあっという間に過ぎて、
エルルは居間のカウンターを片付け、またソファーセットを並べて、イオさんにお茶を配って貰う、エルルは真ん中に立って、
「今日は食事会に参加して頂きありがとうございました、家族と過ごす楽しい時間が持てて幸せです、僕から皆さんにプレゼントがあるので受け取って下さい、」
エルルはまずエドモンドと同じポーチの付いた革のベルトを出しノルドに、」
「ノルド様にはエド様とお揃いの革のベルトです、ポーチに手を入れてみて下さい、」
「おお!素敵なベルトだね、革のポーチもお洒落だねポーチに手を入れれば良いのかい、」
ノルドの横でニヤニヤしているエドモンドを見ながらノルドがポーチに手を入れるとポーチが光り慌てるノルドに、
「ノルド様、ポーチの登録が終わりました、そのポーチはノルド様と僕とイオしか使う事が出来ないポーチです、プレゼントのソファーとノルド様が着てみえた服が入れて有ります、使い方をエド様に習って下さいね、」
ノルドは目を見開いて、エルル魔法の袋なのかい?」
「卿!魔法の袋の上位魔道具ですよ、私が使い方をお教えましょうこちらへ、」
「エド様ありがとうございます、ではお婆様!お婆様と、お母様にはこちらのバッグを
、」
と、ワイバーンの革で作ったハンドバッグを渡し、
「お二人共バッグに手を入れてみて下さい、」
二人がバッグに手を入れるとバッグが光り、
「はい、お二人共バッグの登録が終わりました、お婆様はイオさんにバッグの使い方を習って下さい、バッグの中には婆ちゃんの着なかった服と洗面セットに化粧品と、使用人の方達へのお土産が入っています、」
イオさんがお婆様を連れて行き、話を聞いて驚いているミリアに、
「ではお母様は僕が、バッグの使い方を説明しますね、」
ミリアはエルルの言葉にただ頭をかくかくと頷かせる、
「ではお母様、バッグの中には着ていらっしゃった衣類と、先程お風呂で使われた洗面セットに僕からのプレゼントで下着の予備と服に、お父上様へのお土産のお酒と料理が入っています、バッグの中は時間経過がないので、お父上様にも作りたての料理が食べて頂けます、まず手を入れて中身を確認してみて下さい、」
ミリアが恐る恐るバッグに手を入れ目を閉じると、
「わっ!凄いなにが入っているのか分かるわ!」
「ではお母様、中に入っている物何でも良いので出してみて下さい、」
「はい、やってみますね、」
ミリアはバッグの中から黒い布きれを出し、
「あっ!ちゃんとレンの下着をだせたわ!」
「ちょっ!母さん男性も二人みえるのよ!下着なんてださないで!」
レンお姉様!男は三人居るんですが!他の家族の人もお母様を突っ込んでよ!何て思っいたがあきらめ、
「大丈夫そうですね、そのバッグはお母様と私達にしか扱えません、他の人が使おうとしても只の空のバッグです、注意事項としては、バッグより大きい物をしまったり出したりするのを家族以外の他人に見られない様注意して下さい、」
「あの!エルル様どの位の物まで入れられるのでしょうか?」
「鞄の中はこの居間ぐらいの広さだと思って下さい、この部屋に入るものだったら多分いけますが、バッグの中がいっぱいになってしまうのであまり大きな物を入れるのはお勧めしません、練習にそこのソファーを入れてみて下さい、入れってイメージすれば入っちゃいますので、」
ミリアが二人がけソファーに手を当て目を閉じるとソファーが消えて、
「お母さん凄いよ!イオ姉みたいだよ!」
「レン、貴女達より私な方が驚いてるわよ!」
と言いながらバッグに手を入れてそこからにゅぅーっとソファーを取り出す、
「はい、お母さんオッケーみたいですね、皆さんも大丈夫そうですね!
では、今日はありがとうございました、また家族の食事会を必ず開きますので、次回も参加して下さいね!」
「エルル、最後に良いかい?」
「ええ、エド様どうぞ、」
エドモンドは皆を見渡し、
「皆今日の事はこの家族の秘密だよ、家族以外には話してはいけない、私はラルル様より息子を託された、この子はこの世界の宝になる、私と弟弟子と皆でこの子を守って欲しい、リン君とナツ君だったかな、君達が貰った剣での鍛錬は公爵家の騎士団の所に行き鍛錬をしてくれるかい、話は付けておく、間違っても知らない人の前で光剣を出さないようにたのむよ、」
皆がエドモンドの言葉に頷くのを見て、
「じゃあイオ、マイラ様とご家族を送ってくれるかい、」
「はい、じゃあお婆ちゃん!皆んな帰るからゲートに入って!」
「待って!イオ!エルル今日は本当に楽しかったわ、私をまたここに連れて来て頂戴、約束よ、」
「エルル様今日は本当にありがとうございました、お土産まで頂いて何てお礼を言ったら良いのか、」
「「お兄ちゃん!絶対またここに連れて来てね!」」
といたずらっぽくウインクをする双子に、
レンとリンは深く頭を下げイオが開いたゲートに家族で入って行った。
「ではノルド様は僕が送りましょう、」
エルルがノルドを連れてアルマン家の居間に転移すると皆凄く驚いていたが、ノルドに、
「エルル、直ぐに帰りなさい、」
と言われ、ぺこりと一礼して直ぐに森の家に戻って来ると、ナタリア様が笑顔で手を出して来て、
「エルル、私のは?」
「えっ!お母さんなんです?」
「いゃあねぇ!私のバッグよバッグ!」
「有りますけどお母さんにはイオが居るじゃないですか、」
「私本とか、お菓子とか食べ物を入れておきたいのよ!」
「はぁー、分かりましたよお母さん、でも脱衣場の体重を測る魔道具と相談して来て下さいね!」
おまけ壱
ノルドは家族から根掘り葉掘り聞かれたが、姉の墓参りに行っていたと説明し、今は自身の執務室でエルルから貰ったソファーに座りくつろいでいて、腰のポーチを大事そうに撫でている、
使い方を教わっていた時から気になっていたのだが、ポーチの中にソファーと着替えた服以外にもう一つ本が入っていたのだが、言い出せずに、そのまま持って来てしまい、ポーチから本を出してみて驚く!目が醒めるような妖艶な美女が悩ましげなポーズでノルドを見つめる姿絵で、勿論何も着けておらず目を皿のようにしてそれを見たノルドは一瞬ソルス様に呼ばれた様な気がしたが、
oh!SUKEBEEを両手に掲げ!
「おおー!エルル心の友よ!」
と、叫んだ。
おまけ弐
公爵家の馬車でアルクに送って貰ったオーレンが自宅に帰ると妻と娘達が出迎えてくれて、
居間のテーブルを囲んで座り、娘達から食事会の話を聞いて益々落ち込む、だが娘達が最初からにやにやしていたので、少しだけ期待していると、ミリアが手に持ったハンドバッグから次々出来たての見た事が無い料理を出していく、
どう見てもハンドバッグに入らない物が次々出て来て口をあんぐり開けていると、末の娘達が料理の説明をしてくれて、食べて美味しさに感動してしまい、ポロポロ涙を流しながら最高の料理を味わった。
が!その日オーレンが一番喜んだのは寝室で愛妻の下着姿を見た時であった。
ありがとうございました。




