素敵な庭です!
よろしくお願い致します。
第二十四 話 素敵な庭です!
「エルルさん何ですか?この黄色い硬い帽子は、それに何だかこの衣装も変な感じです!」
今イオは地球人から見たら鳶職のネーちゃんの格好で意外にニッカーボッカーズが似合っている、髪もまとめ上げて安全第一とこの世界の言葉で描かれた昆虫系の魔物の外殻で作った黄色いヘルメットの中にいれていて、
「ぷっ!ほんとよ何?貴女達のその格好?」
「お母さん、これはこれから公爵家の庭作りをする為の作業着です、今日はこれから魔の森で庭作りをする為の資材を集めに行くんですよ、でお母さん今日はどうします、僕達はしばらく森の中に入って来ますが、」
「そうね、私はこの家でゆっくりさせて貰うわ、ねぇエルル先日の異国の本みたいな読み物は無いかしら、」
「そう言えば物置の奥に書庫があって昔婆ちゃんが読んでいた本がありますよ、」
とエルルはナタリアに話をしながら思い出す、
そう言えば知識と創造の泉を使い雑誌などを出すと、文字は地球の言語のままだったが、漫画や小説はちゃんとこちらの文字で表記してあり、婆ちゃんが恋愛モノにハマっちゃってかなりの数の本があったよな、でも恋愛モノを読んだ後の夢見る乙女の様な瞳の婆ちゃんにはドン引きだったな、
「エルル!エルル!貴方大丈夫?目の光が無くなっていたわよ、」
「だっ、大丈夫です、お母さん好きな本を読んで下さい、」
「エルルさん、私も時間の空いた時に書庫の本を読んでも良いですか?」
「はい、イオさんただし少し過激な本も有りますので注意して下さいね、」
エルルとイオは空飛ぶバイクにまたがり、魔の森の奥に入って行く、
「イオさんまず川の下流で上流から流れて来た石を大量に集めて来て下さい、その石を湖のほとりで僕が玉砂利に加工していきます、
」
「エルルさん無作為に川の底を結界で漁りますので砂や泥が混じっていても良いですか?」
「はい大丈夫ですよ、じゃんじゃん持って来て下さいね、」
「はい、少し待っていて下さい、」
イオは川の上まで飛んで行き川の中に結界を作り引き上げる、ホバリングしてるヘリが荷物を引き上げている形でそのままエルルの所へ結界を持って行き湖の畔で結界を解く、
「イオさん、器用ですね良い感じで石が入っていますよ!後美味しい魚も獲っておきましょう、」
「じゃあまた持って来ますね、」
と言いイオは川の方へ飛んで行く、エルルはまず湖に結界を張りイオが持って来た石や砂利の中に混じる魚を結界の中に入れ残った石や砂利を土魔法で玉砂利に加工して行く、
その作業を数回繰り返すと、玉砂利が山の様にでき、大きな石も一箇所に集めて全てアイテムボックスに収納する、
「イオさん次は庭に使う木を取りに行きますよ、欲しい木は森のかなり奥なので、少し飛ばして行きますよ!」
「はい!付いて行きます!」
王城の大食堂で衛士や文官、メイドがちらほら休憩を取っている、
その食堂の隅でお茶を飲んでいた、くすんだ金髪のショートカットに碧眼の瞳の女性衛士に、
「リン衛士、ここ良いかい?」
「中隊長殿、構いませんよ!」
「今は仕事中ではないのだから、トーマスで良いよ、」
「義兄様、何か御用でしたか?仕事も終わりましたので、今日は久しぶりに実家に帰ろうかと思っていた所です、」
「それは丁度良い!義母上に伝言を頼みたいのだが、」
「母にですか、構いませんが、」
「では、大変貴重な物を頂き有難うございました、家の者達も皆喜んでいましたと、伝えてくれるかい、」
リンは義兄の伝言を聞き、裕福ではないタリスマンの家の大変貴重な物とは何だったのか興味が湧き、
「分かりました帰ったら母に伝えます、で義兄様貴重な物とは何だったのですか?」
リンの言葉にトーマスは辺りを見渡し声を潜め、
「レンが実家に帰った時にお裾分けと言われて、ワイバーンのお肉、それもかなり上質な所を頂いて来たんだよ、あとワイバーンの卵を使ったお菓子も頂いたんだが、これまたとんでもない美味しさで驚いてしまったよ、」
トーマスの言葉にリンは、
「義兄様私をからかっておいでか?我が家にワイバーンの肉や高級菓子などあるはずが無い!」
「私もレンが頂いて来た物を見た時は目を疑ったよ、レンが実家も頂いた物だと言っていたが出所は秘密だと言って教えてくれなかったよ、勿論リンをからかってなどいないから、必ず義母様にお礼を伝えておくれ、」
「分かりました義兄様これから帰って伝えます、」
「よろしく、リンもあのワイバーンの肉とお菓子を食べたら絶対驚くよ!じゃあ、」
とトーマスは席を立ち笑顔で手を振って去って行った。
「うわぁー凄い節の木の林ですね、エルルさん、」
イオは目の前の見事な竹林を見て驚いている、
「イオさん見事な竹林じゃぁ無くって節の木林でしょ!この節の木林の一角をそのまま公爵家の庭に移そうと思ってるんですよ、」
「そんな事が出来るのですか?」
「ええ、これから一度公爵家の庭に移動して節の木林を作りたい所に空間転移の魔法陣を描きます、その魔法陣を複写した後、こちらに帰って来て複写した魔法陣をこの場所に写し、あちらの空間とこちらの空間を入れ替えちゃいます、イオさん先ずは公爵家の庭に移動しましょう、」
エルル達が公爵家の庭に転移して来て、屋敷のホールの前に立ち、
「イオさんこれ公爵家の庭の設計図と、イメージの絵だよ、」
イオはイメージの絵を見て、
「エルルさん、森の家の中庭を大きくした感じですね、素敵です!」
「でしょ!でこれから庭で作業を始めようと思うのだけど誰かが間違って入って来ちゃうと危険だから工事用の壁を作りますよ!、」
と言いエルルは両手を地面に付け作業予定の庭を囲むように高い壁を一瞬で作り、壁に工事中につき危険!立ち入り禁止!と描く、
「よし、オッケーかなイオさん中に入って作業を始めましょう、」
エルルは設計図を見ながら庭の竹林になる部分の空間に魔法陣を描いていると上からイオの声がして、
「エルルさん!そんなに大きな魔法陣をイメージ出来るなんて凄いです、」
エルルは空中に立つイオを見て、ぶぅっーと吹き出し、
「イオさん、それは結界を薄く張ってその上に立っているんですか?」
イオは大きな胸を張って、
「エルルさん当たりです!先日森の家の高い所を掃除する時に思い付いたんです、」
「イオさん凄いテクですね、でも落ちないで下さいよ、」
「それがですねエルルさん!掃除に夢中になっていて結界から足を踏み外しちゃったんですよ、そしたらこんな様に、」
と言いイオはその場から飛び降りる、
エルルは慌てて飛び出そうとしたが、イオの身体はまるで空気のエアバックに包まれた様に地面に触れる事無く浮いていた、
「エルルさん、きっとエルルさんに貰った魔道具が働いているんだと思います、」
「イオさん、無茶しないで下さいよ、肝が冷えましたよ、あと!魔道具は決して過信しないで下さいね、」
「はい、気を付けます、」
エルルは魔法陣の続きを描き終えると、
「イオさん!切りが良いのでお昼にしましょう、昼から節の木林を転移させますよ!さあお母さんが待ってると思うので森の家にかえりますよ、」
「お母さん!今戻りましたよ、」
エルルが居間のソファーに寝転んで本を読んでいるナタリアに声をかけるが、ナタリアは読書に集中していて気が付かないようだ、
エルルとイオが目の前に立って始めて、
「わっ!エルル気付かなかったわ!」
「お昼に帰って来たんですよ、」
「もうそんな時間、物語に夢中になってしまったわ、」
「ナタリア様、書庫の本はいかがですか?」
「イオ、物置の奥だから小さな書庫だと思っていたら入って驚いたわ、異国の本がぎっしり棚に詰まってるの!見てこの本この国の本と比べるとかなり小さいのだけど、とても読みやすいわ!」
「物語なのですか?」
「ええ!王都の休日って題名よ、今凄く良い所なの!」
ああ確かその本、都市の名前が王都に変わってたのだ、ナタリア様なら確かにヒロインに感情輸入しやすいだろうな、でもあのラスト婆ちゃんは嫌だって言ってたっけ、
「さぁ、お母さん一度休憩して下さい食事にしますよ、イオさん手伝って下さいね!」
エルルは厨房に入ると、丸く焼いたパンにハンバーグのタネ、山芋と岩芋を練り合わせた食材を取り出し、
「イオさんはハンバーグを焼いて下さい、僕は芋を揚げます、」
「はい!了解です!エルルさん、」
イオはフライパンの上にハンバーグを並べて焼いていき、エルルは芋を練った物を魔道具に入れ絞り出した物をそのまま油の入った鍋に入れ揚げて軽く塩を振る、
「エルルさん、今日のハンバーグはいつもより薄めですね、」
「はい、パンに挟んで食べる為のハンバーグですから、イオさんついでに多目に作っちゃいましょう、」
エルルはパンを上下にカットして行き、フライパンの上で焼くと、軽くバターを塗り葉野菜をのせその上にイオが焼いたハンバーグをおき、上からトロマンで作ったソースをかけ、最後にスライスしたチーズを置きパンで挟んで完成だよ!
「イオさん、こんな感じで作って行って下さいね、あとこれ食べてみて!」
エルルはイオの口の中に芋揚げをひょいと入れると、
「はふ、はふヘルルはふ、おふしふでふ!」
「イオさん、ちゃんと食べてから話して下さいね、お母さんが待ってるので出来た物を持って行って下さい!」
「エルルさん芋揚げ美味しいですよ!」
「沢山揚げたから、いっぱい食べて下さいね、」
エルルはハンバーガーと、芋揚げに山房の実の炭酸ジュースを出し、
「お母さん今日のお昼はハンバーガーと芋揚げですよ、また行儀が悪いと言われちゃうかもしれませんが、手掴みで食べる物ですので、」
「もう慣れたわよ!お肉を挟んだパンね、美味しそうじゃない、」
「わっ!エルルさんこのパン美味しいですよ!」
「イオ、この芋揚げも美味しいわよ、食べるのが止まらないわ!」
ナタリア様とイオさんはハンバーガーをお代わりして、エルルが気付けば山の様に皿に盛ってあった芋揚げがいつのまにか無くなっていて、
「お母さん、イオさん芋揚げ美味しいですけど食べ過ぎると太りますよ、」
エルルの言葉を聞いた瞬間二人の動きが止まり、
「ねぇ!エルル私太ったかしら?」
聞かれたエルルはナタリアと目を合わせず、
「そんな事は無いと思いますが、心配でしたらお風呂の後に体重を測る魔道具に乗ってみてはどうです、」
「エルル!そんな恐ろしい魔道具があるの?」
「ええ、ただ体重を測るだけでなく、肥満度を測ってくれる優れ物です、魔道具に乗って青い光が付けば痩せ気味、緑なら普通、黄色ならちょっとおデブちゃん、赤なら・・・」
「エルルさん!恐ろし過ぎ!」
エルルは黒い笑顔を浮かべ、
「ええ!婆ちゃんがお風呂上がりに絶叫してましたよ、脱衣場に出しておきますね、」
「母さん!ただいまぁ!」
玄関から聞こえたリンの声に母ミリアが、
「あら!久しぶりねリン、今日は休みなの?」
「うん!今日は泊まって行っても良い?」
「ええ良いわよ、ウォーレンも喜ぶわよ、」
「母さん、お父さんとはたまにお城で会うわよ、」
「そう言えばそうね、リツ達ももうすぐ学園から帰って来ると思うわ、」
「そう言えばリツが宮廷魔法士に内定したそうね、」
「ええ、リツは魔法科の首席なんだって!誰に似たのかしら、」
「ナツは?二人共今年卒業でしょう?」
「ナツは未だみたいよ、一応リンと同じ衛士希望みたいだけど、今ちょっと考えてるみたい、」
「そう、で!母さん義兄様がワイバーンのお肉のお礼を伝えて欲しいと言われたのだけど、ワイバーンのお肉なんてどうしたの?それも上等な所だったそうね、」
ミリアは少し悪戯っぽい笑みを浮かべ、
「リンになら話しても良いけど、貴女絶対信じないわよ、」
「何よそれ!どういう事?」
そこに玄関から、
「ただいまぁ!」
と双子の妹達の声がして、居間に顔を出し、
「あっ!リン姉帰って来てたんだ、」
「ええ、おかえりナツ、リツ、」
「ただいま、ちょっと待ってて!着替えて来るから、」
双子が出て行くと、
「で!お母さんお肉と、それから高級菓子はどうしたの?」
「イオが持って来てくれたのよ、」
「なんだぁ!公爵家からのお裾分けか、でもワイバーンのお肉なんて入ったばかりのメイドに渡すかな?しかもお姉ちゃんの所にもお裾分けしたって、一体どれだけの肉が頂けたの?」
「リン、公爵家からでは無くて、イオがワイバーンを狩ったからって持って来たんだよ、」
「はぁ?お母さん何言ってんのよ!あの防御おバカのイオがワイバーンを狩ったですって!」
「ええ、だから言ったでしょ、リンは信じないって、因みにイオは一人で二匹のワイバーンを狩ったそうよ、」
「ぷっ、ぷっ、はははは!何それ凄く面白いけど、」
「リン姉、そんなに面白い話があったの?」
と、居間に着替えて来たナツが入って来て、」
「聞いてよ!お母さんたら、イオがワイバーンを狩って来たなんて言うんだよ、笑えてきちゃって!」
双子がリンを哀れそうな顔で見て、
「リン姉、昔みたいにイオ姉と模擬戦なんかしちゃ駄目だよ、リン姉きっと瞬殺されちゃうよ、」
「リン姉、イオ姉の魔法、防御魔法じゃ無くって空間魔法の結界だったんだって、で今神クラスの魔法使いの人に今弟子入りしてて、
イオ姉も化け物クラスらしいよ、」
「ねぇ、あんた達本気で言ってるのあのイオだよ!」
「リン姉、今のイオ姉見たらイオ姉だと分からないと思うよ、私達皆最初にあった時わからなかったもん、貴族様でも着てない様な上質な服とローブを着てて、めちゃくちゃ綺麗だったよ!」
「母さん、本当なの?」
「ええ、本当よリンに嘘付いてもしょうがないでしょ、で今度イオのお師匠様の食事会に招待して頂いてるんだけど、リンはどうする?イオが言うにはこの世の物とは思えないほど美味しい料理だそうよ、レンもその日は実家に泊まるからと行って参加するそうよ、ちなみにイオとイオのお師匠様の事は公爵家の秘密だそうだから他言しちゃダメよ、」
「ねぇお母さん、イオって公爵家の見習いメイドなんだよね?」
「イオね、今は辺境伯付きだそうよ、イオのお師匠様が辺境伯様の養子様で修行と特別なお仕事以外の普段はナタリア殿下の付き人をしてると言っていたわね、」
「特別な仕事ってなによ!」
「さぁ?ワイバーンを狩ったりかな?」
「はぁーっなんだか疲れちゃったわ、で母さん今晩はワイバーンのお肉と、凄く美味しいお菓子を食べさせてね、」
リンの言葉を聞いた他の三人がきょとんとした顔で、
「リン、ワイバーンのお肉もお菓子も生物だものもう無いわよ、」
沈黙の時間がしばらく流れその後リンが大暴れし、三人で暴れるリンを必死でなだめた。
エルルとイオが公爵家の庭に帰って来ると、高い壁を見て驚いているダンとケンに、
「ダン、ケンお疲れ様これから大きな作業をしようと思ってね、危険だから誰も入らない様に壁を作ったんだよ、」
「エルル様昨日はありがとうございました、家内や娘も大喜びで娘がこれをと、」
そう言ったケンの手には、お菓子を入れていた紙のケースを切って作ったカードに、たどたどしい文字で書いたお礼をエルルにわたす、
「わっ!ありがとう素敵なお礼だよ娘さんに僕が喜んでたって伝えてね、」
「はい!エルル様、」
「じゃあイオさん、中入って魔法陣の外側から、状況を教えて下さいね、僕はあちらから節の木林を転移させます、ダンとケンはこの壁が無くなってからお手伝いをお願いするよ、」
とエルルは消えて行き、イオもまるで壁に穴を開けるようにゲートを開いて中に入って行く、
エルルは節の木林に戻るとイオに、
「もしもしイオさん!そちらの準備はオッケーですか?」
「もしもしエルルさん、こちらはオッケーです!」
「分かりましたではこれから転移させます!」
エルルは転移の魔法を発動させようとして、
あっ!やべ!魔物確認するの忘れてた、こんな魔の森深くの魔物を王都へ転移させたら間違いなく重犯罪者になっちゃうよ!
エルルは節の木林に向かい威圧をかけ索敵を行う、魔物が居ないのを確認した後転移魔法を発動させる、
目の前には公爵家の庭が節の木林の中に出来ていて、
「もしもしエルルさん、公爵家の庭に節の木林が出来ましたよ!」
「了解です直ぐそちらに行きます、」
エルルが公爵家の庭に転移して来ると、イオが節の木林の入り口にいて、
「エルルさん成功ですね、」
「ええ上手くいって良かったです、これで庭の奥はオッケーですね、じゃあ次は手前の石庭を作っていきますよ!」
エルルは設計図をみながら、土魔法を器用に使い屋敷から節の木林まで延びる小道を作り小道の左右に玉砂利を敷き詰め所々に大きな岩を置いて行く、
小道の途中を一ヶ所だけ玉砂利で埋めその上に土魔法で作った石の橋を架ける、
「ふぅ〜、こんなものかなイオさんどうですか?」
「エルルさん!素敵な庭ですねもう完成ですか?」
「大まかな所は完成です、細かな所はダンやケンにお願いしましょう、後は屋敷のホールの窓をうちの様に大きなガラスの壁に変えます、イオさんはホールの中に結界を張って下さい、料理長達が夕食の準備をしていると思いますので、」
「了解です!」
エルルとイオがホールに入ると奥の厨房で料理長とロックさんが料理中で、
「料理長、ホールの窓を改装しますので厨房に結界を張らせて貰います、僕はホールで作業をしますが、気にせず料理を続けて下さいね、」
「分かりました、エルル様先ほど庭を見て高い壁が出来ていてビックリしましたよ!」
「ホールの改装が終わったら壁も取り除きますよ、」
エルルは窓際まで来るとイオが厨房に結界を張ったのを確認してホールの庭に面した壁を全て取り払い、壁の代わりにエルル特製強化ガラスを取り付け、出入り口部分にガラスの扉をつける、料理長とロックが結界の中で目を丸くしちゃってるよ、
「イオさん結界を解除して良いですよ、庭の壁を消したら今日の作業は終了です」
「お疲れ様ですエルルさん、」
エルルが壁を消し庭と新しく作った石庭の間に低い石崖を作る、壁が無くなったのを見て
ダンがやって来たので、
「ダンお疲れ様今日はここまでにしよう、これこの庭の説明が書いた紙と、管理する為の道具だよ明日からよろしくね、」
ダンとケンは庭を見て固まっていたが、エルルの言葉に、
「はい!お任せ下さいエルル様、こんな見事な庭見た事がありません!」
「ありがとう、よろしくね、」
屋敷のホールでロバートさんが鼻を押さえて座り込んでいたのでホールに入り、
「ロバートさん壁を全面ガラスにしたので気を付けて下さいね、最後にカーテンを付けていきます、」
と、エルルはイオの真似をして空中に立ちロールカーテンを付けて、
「ロバートさん今日の作業は終了しました、僕達こんな格好をしてますのでこのまま失礼させて頂きますね、」
「エルルもイオもよく見たら二人とも珍妙な格好をしているな、だが庭は見事だな!」
「でしょ!ロバートさん!主人様にお伝え下さい、」
「了解した!お疲れ様エルル、イオ!」
エルル達が森の家に帰ると、ナタリアはまた本を読んでいて、
「お母さん今帰りました、ずっと本を読んでいたのですか?」
「おかえりエルル、イオそうよもうすぐラストなの、エルル二人はどうなるの?」
「えっ!お母さん話しても良いのですか?」
「ダメに決まってるじゃない!」
「じゃあ聞かないで下さい、あとイオさんと食事前にお風呂に入ってきて下さい、僕は夕食の準備をしてますので、」
「わかったわ!イオ行きましょう!」
「はい、ナタリア様!」
二人が居間から出て行くとエルルは自身にクリーンの魔法をかけ着替える、
厨房に入り夕食の準備をしていると、脱衣場からナタリアとイオの悲鳴の様な絶叫が聞こえてきたよ。
ありがとうございました。
次回は特別編になります。