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宰相からの要請

よろしくお願い致します。



第二十三話 宰相からの要請



「あいたっ!」

「失礼致しました、」

とペレスは軽くお辞儀をして、エルルはペレスから拳骨を貰い頭を抑えている、

ローレンスと少女は一生懸命笑うのを堪えていてアルクが、

「ローレンス済まない、あんな格好をしているが、私の弟だ」

「アルクの弟?どういう事だ?」

「正確には父上の養子なんだ、エルル挨拶を、」

「始めまして宰相様エルル・ルコルと申します、」

とぺこりと頭を下げる、ローレンスは

「ローレンス・リン・フォン・スパロンだ、あとこの者は娘のディアナだ、」

「よろしくお願い致します、ディアナ様、失礼ながら一刻も早くお化粧を落とした方が良いと思います、」

「エルルっ!ディアナ嬢に失礼だぞ!」

「アルク!良いのだ、もう一つ相談があり、それは娘の事なのだ、貴女が公爵家の医者殿なのか?」

「ローレンス、公爵家の医者殿とは何だ?」

「アルク、すでにかなりの噂になっているぞ公爵家には超高位の医者殿がいると、ウッディ騎士団長の肩が治ったと言う噂は本当なんだろ、じつはここに来る前にマリノフ殿に娘を診せたのだが、娘を見てアルク様に相談した方が良いと言われてな、」

「エルル、ディアナ嬢はお前の治療が必要かい?」

「今のままお化粧をしていますと、より症状が悪化します、主人様の許可があれば直ぐに治療に入りますが、」

「アルク、頼む娘を治療してくれ!」

エルルはアルクが頷くのを見て、

「執事長、ソフィア先輩を呼んで下さい、」

エルルの言葉にペレスは目だけで答えて部屋から出て行く、

エルルは耳のイヤリングに手を添え、

「もしもし、イオさんきこえますか?」

「はい、エルルさん聞こえていますよ、」

「イオさん、お母さんの部屋を使う許可を貰って下さい、あとイオさん手が空いていたら手伝って欲しい事があるのでお母さんの部屋に来て下さい、」


「エルルさんナタリア様オッケーだそうですよ、少ししたらそちらに行きます、」

「お願いしますイオさん、」

エルルが連絡を終えるとソフィアが執事長と共に部屋に一礼して入って来る、

「ソフィア先輩すいませんディアナ様の治療を行いますので、ナタリア様の部屋にディアナ様を案内して下さい、僕も着替えたら直ぐに行きます、」

「分かったわエルル、ではディアナ様こちらに着いて来て下さい、」

ディアナが部屋から出た後、エルルはローレンスに、

「宰相様、ディアナ様は最近化粧を始められましたか?」

「ああ、ディアナは皇太子の婚約者として今年から夜会に参加する為、化粧を始めたのだが、肌が腫れてしまいそれを隠す為あのような化粧をしているのだ、医者にも見せだが夜会までには治らないと言われマリノフ殿にも見て貰ったのだが、アルクに相談してみてわと言われてね、」

「エルルどうだ、ディアナ嬢を治す事が出来るかい?」

「はい、治療は問題ありません、」

とエルルは頭を下げ部屋を後にした。


エルルがナタリアの部屋に入ると、ディアナはソファーに座っていて、白衣に眼鏡姿のエルルが入って来ると驚いた顔をしている、

「ディアナ様、お顔が痒みで辛いでしょう、

あちらの部屋に入って洗顔をしますよ、さあこちらです、ソフィア先輩ディアナ様の介助をお願いします、」

エルルはディアナを美容室の椅子に座らせソフィアに手伝って貰いながらディアナの顔を洗顔して行く、化粧が落ちたディアナの顔は赤く腫れ上がっていて、鏡に映った自身の顔を見てディアナはポロポロと涙をこぼす、

そんなディアナにソフィアが、

「ディアナ様、うちのエルルがちゃんと治してくれます、貴女は国母になられるお方いつも笑顔でいらして下さい、」

と、優しくウインクをする、

エルルはディアナが座る椅子を寝かせ薬草から抽出したオイルを優しく顔に塗って同時に治癒魔法で肌を治して行く、

エルルは仕上げにアロマオイルのマッサージをして、椅子を起こしディアナを鏡に向かせ、

「はい、ディアナ様肌の治療は終わりましたよ、」

ディアナは鏡を見てまたポロポロ涙を流しながら、

「先生!ありがとうございます、私もうどうしたら良いのか分からなくなっていて、」

「ディアナ様は肌が他の人より敏感なのです、ですから化粧品には人より気を付けないと、今回の様に肌が腫れてしまいます、」

「エルルさん来ましたよ!」

とイオが入って来てディアナを見て、

「失礼致しました、お客様とは知らず、」

ソフィアとディアナはくすくす笑い、

「ディアナ・フォン・スパロンでございます、」

「エルルさんの弟子のイオ・タリスマンでございます、」

「イオさん、凄く綺麗です、ソフィアさんもギルガス公爵家の方の髪は皆そんなに美しいのですか?」

「公爵家の秘密のテクでございます、」

ぶぅーっ!とエルルとソフィアが吹き出し、エルルが、

「イオさんその秘密のテクでディアナ様をより美しくして下さい、因みにディアナ様は皇太子様の婚約者でいずれ国母になられる方だそうです、」

「では今のうちにサインして貰った方が良いですね、」

イオの言葉に今度はディアナが吹き出し、

「イオさんはご冗談が上手いのですね、」

エルルは思った、ディアナ様!うちのイオさんは本当にサインを貰うつもりだぞ!と、

きょとんとしているイオに、

「じゃあイオさん、ディアナ様の髪と薄いメイクをお願いします、」

「了解です、」

「ディアナ様髪やメイクにご希望はありますか?」

「イオさんの様に美しくして頂きたいです、」

イオがディアナの髪を切り、薄く化粧をしているのをソフィアが見ていて、

「エルル君、私もイオに髪を切って貰いたいわ、」

エルルは悪戯っぽい笑みを浮かべて、

「イオさんのお休みの時にでもお願いしてみて下さい、」

と言いソフィアの真似をしてウインクをした。



「イオさん、先生!凄いですこれが私だなんて!」

「ディアナ様気に入って貰えて良かったです、今イオさん達が使っている化粧品で薄く化粧をしました、もしまた痒みや、肌の異常が出ましたら公爵家まで連絡して下さい、後初めて使う化粧品は手の甲に塗ってしばらく待って、赤くなったり腫れたりしない物を使って下さいね、さあ宰相様の所に帰りますよ、」



「アルク、先日私が過労で倒れた時、治療したのは彼女じゃないのか?」

「マリノフ殿がそう言ったのか?」

「いや、見知らぬ黒髪の少女が貴方を助けたと言われただけだ、」

「そうか、たまたまエルルが私のお供で王宮にいてな、エルルが居なかったらローレンスお前は死んでいたよ、」

「では彼女は私の命の恩人なのだな、」

「ローレンス、出来れば知らなかった事にしてくれ、弟の事をあまり公にはしたく無い、」

「分かった、もし私に出来る事があれば何でも言ってくれ、」

アルクは悪い顔をして、ニヤリと笑い、

「では使節団の接待はそちらの公爵家にお任せするとしよう!」

「アルク、一国だけでも大変なジジイやババア達だぞ!勘弁してくれ、」

ローレンスの言葉にアルクが笑っていると、

「父上!、」

ローレンスとアルクが部屋の入り口を見ると、美しい少女が立っていて、

「ディアナなのかい?」

「はい、父上!先生に治して頂きました、」

「良かったディアナ嬢、とても美しいよ、」

「ありがとうございます、公爵様、何とお礼を言ったらよいか、」

後から部屋に入って来たエルルに、

「エルルご苦労様、いつもながら見事な腕だな、」

エルルはただぺこりと頭を下げ、またペレスの横に戻って立つ、

「ディアナ見違えてしまったよ、今皇太子がお前を見たらきっと驚くぞ、」

ディアナは少し頬を染め、

「エルル先生とお弟子様に綺麗にして頂きました、」

コンコンと、部屋の扉がノックされ、エルルが扉を開けると、ナターシャが立っていて、

「父上、ディアナ様がお見えになっていると聞きまして、」

「ナターシャ、丁度良かったディアナ嬢をホールにお連れして、カーンにケーキを出して貰いなさい、」

「はい、父上ってディアナ様?とても美しいです、学園とは別人でございます、」

「ふふっ、エルル先生とお弟子様に綺麗にして頂きました、それに先日のあの至高のお菓子が頂けるなんて幸せです、」

「伯父上ディアナ様だけずるいです、私も美しくして下さいませ、」

「ナターシャ!ディアナ嬢を待たせてはいけないよ、誰か!二人をホールに!」

廊下からメイドの先輩が入って来て二人を連れて出て行くと、アルクはやれやれと言う顔をして、

「エルル相談事だ、こちらに来て座ってくれ、」

エルルは執事長を見て執事長が目で頷くのを確認し、目で挨拶をしてアルクの隣にすわる、

「エルル先程の話の続きなのだが、ローレンスからファーセルの皇太子夫妻と使節団の接待を頼まれた、森人は皆見目麗しいが私達からしたら、ジジイとババアだ、長生きしてる者達だから、いつも退屈していて食にうるさい、しかも生き物、その卵や乳は絶対口にしない!少し風味がしただけでも食べない、だから毎年接待役の貴族家の料理人が泣かされて、どの家も接待したがらないんだ、

エルルなら接待出来そうかい?」

エルルは不敵に笑い、

「ではその妖精のおじいちゃんとおばあちゃんが驚愕する様な接待を致しましょう!」

「おお!流石我が弟!ローレンス我が家は大丈夫そうだ!」

難題を押し付けられ、難しい顔をしていたアルクが手の平を返した様に笑顔でローレンスの肩をぽんぽんと叩く、

「狡いぞ!アルク我が家もゴースロの接待があるんだぞ!」

アルクは可哀想な者を見るような哀れみの表情を浮かべ、

「頑張りたまえ!ローレンス君!君に女神フィーネス様の加護がありますように!」

エルルはぶぅーっ!と吹き出しお腹を抱えて笑い出す、

「エルル、笑い事ではないぞ、ゴースロの地の民、あいつらの胃は魔法の袋だぞ!酒を水の様に呑むんだ!そうだエルル!うちに来てゴースロの使節団の接待を手伝ってくれないか?」

「ローレンス!エルルの存在は公爵家の秘密だと言っただろ、エルルを貸す事は出来ないが、知恵を貸す事は出来る、エルル何か良い案はあるかい?」

エルルはニヤリと不敵な笑みを浮かべ、にゅぅーっと美しいガラスのビンに入ったお酒を取り出し、

「ジャァーン!このお酒の名前はオーガキラー!名前の如く飲めばオーガが倒れちゃう位に強いお酒です、普通は氷や水で割って飲むお酒です、またの名をドワーフホイホイ!一度呑んだら病みつきになるお酒ですよ、」

「おお!何と素晴らしいこれで奴らにこの国の酒はどれだけ呑んでも酔えん!などとは言わせんぞ!」

エルルは悪い顔をして揉み手をしながら、

「流石は宰相様、このお酒の力を理解していらっしゃる、これでゴースロとの厄介な交渉事もお望みのままかと、」

「おい!お前達まるで汚職貴族と悪徳商会の様だぞ!」

「主人様、私はファーセルの方々の接待を致しますが、こちらの方もご用意して頂かないと、」

と言い、親指と人差し指をくっ付けて見せる、

「分かった、分かったからその顔はよせ!でどの程度の予算が必要なのだ?」

「そうですねこれから夜会にも備えホールから見える庭の改装と、ホールの窓も改装したいです、金貨二百枚といった所ですかね、」

「うむ、そんな所か、」

「おい!アルク庭の改装と屋敷の改装が金貨二百枚で出来るものか!」

「いや、ローレンスほとんど弟が一人で作業するから、いつもエルルの言い値なんだよ、」

「お前エルルの存在を隠したいのは実はエルルを独り占めしたいんじゃないのか?」

「弟は公爵家の至宝だからな、などと冗談はさて置きエルル、スパロン家の接待用のお酒も頼めるかい、」

「はい、前もって発注して頂ければ、ですがかなりのお値段のお酒ですよ、」

「エルル構わない、後日うちの者を使いに出す、」

「はい、分かりましたお待ちしています、」


部屋の扉がノックされ執事長が扉を開けると、ナターシャとディアナが立っていて、

ディアナが入って来るなり、

「父上、うちのおトイレも公爵家の様に改装して下さいませ、こちらのお屋敷のトイレを使った後でうちのおトイレを使うのは辛いです、」

「こら、ディアナ他所様の前でその様な話をするのは失礼だぞ、帰ってからにしなさい、アルク、エルル、今日は本当にありがとう、エルルいつでも良いからうちにも遊びに来てくれ、」

「エルル先生本当にありがとう御座いました、」

と告げ二人は部屋を出て行き、エルルは二人が馬車に乗るまで見送った。

エルルはアルクに、

「主人様、それでは私は失礼させて頂きます、」

と頭を下げると、

「エルルお疲れ様、これから皆で食事かい?」

「はい、皆もそろそろ仕事が終わる時間ですので先に夜勤の先輩達の分を用意します、」

と言いエルルは転移して行った。



エルルは食堂に転移してくると、

「サム!裏庭に焼き台を用意するから、そこに出してあるお皿やコップが入った籠を運んでおいて!」

「分かりやした!エルル様!」

さて食堂の入り口に、本日の夕食は裏庭でバーベキューです、と看板を立て裏庭に出ると、ウィンやダン達が既に集まっていて、

エルルが、

「皆集まってくれて、ありがとう今日は沢山食べて行ってね、」

焼き台を次々出して行き一瞬で炭に火を付けて周り、下働の者達の前で次々ワイバーンの肉を焼いて行く、

「エルル先生!皆さまよりあっしらが先に頂いても良いんですかい?」

「大丈夫だよ、執事長の許可も取ってるし、そんな事で怒る様な人は公爵家には居ないよ!」

「エルル様、先日挨拶が出来ませんでした息子のケンでございます、」

「初めましてケン、執事見習いのエルルです、」

「ケンでございます、エルル様宜しくお願いします、」

「そうだ!ダン、ケン!明日からお屋敷のホール前の庭を大改装するから手伝ってね、」

「はい、お手伝いさせて頂きます!」

「うん、宜しくね、あっ!お肉焼けたよ!じゃんじゃん食べてね、」

ウィンやタログ達は夢中でお肉をほうばっちゃってるよ、夜勤の先輩達もサムに肉を焼いて貰い美味しそうに食べている、先輩達は仕事に向かうた

め早目に食事を済ませると、エルルが出したカスタードプリンを大喜びで食べ、仕事に入って行った。

「エルル先生、今日はご馳走になりました、こんな美味しいメシを食べたのは初めてです!」

「喜んで貰えて良かった!これお土産、家族の人達に食べさせてあげて!」

とエルルが出したワイバーンのお肉と、シュークリームが入った紙箱を渡す、

「ありがとうございます!エルル先生嬉しすぎて涙が出やす!」

よく見ると他の人達も泣いちゃってるよ、

「お疲れ様、皆早く帰って家族の皆さんに食べさせてあげてね、」

下働きの者達がぺこぺこ頭を下げて戻って行くと、仕事上がりの先輩達がやって来て、エルルが、

「先輩お疲れ様です、適当に座って下さい、僕とサムでお肉焼いて行くので沢山食べて下さいね、」

エルルは執事長達の所へ行き、

「皆さんお疲れ様です、美味しい所を焼いていきますよ、ロバートさんジャン先輩沢山食べて下さいね、」

「エルル僕はワイバーンは初めて食べるよ、」

「ほう、ジャンほどの家なら下手な貴族より高級な物を食べているかと思っていたが、」

「ロバートさん、うちは意外に質素な食事をしていましたよ、エルルの食事が食べられる今の方が幸せですよ!」

「違いないな!」

「はいはい!お肉焼けてますよ、少し炙る程度が一番美味しいですよ、」

ロバートさんとジャン先輩はお肉を食べると無言で黙々とお肉を食べて行く、執事長が、

「なあエルルお前のお酒を私に譲ってくれないか?先日の酒の味が忘れられん、」

「執事長、ひっくり返っちゃってたじゃないですか、」

「あの時はあの酒があんなに強いとは思わなかったんだ!金はちゃんと払う、」

「分かりました、執事長には銀貨五枚でお譲りしましょう、」

とエルルは先日執事長達が呑んだ甘笹から作った蒸留酒を出す、」

「執事長ちゃんと氷や水で割って呑んで下さいね、」

と器にカランコロンと氷魔法で氷を出す、

執事長は自分のコップに蒸留酒と氷を入れて呑み、

「うっ〜美味い、エルル最高の酒だよ、そう言えば今日宰相様達と話していた酒とは違うのだろ?」

「はい、あのお酒は果実水などに少量入れて飲むお酒で人ではそのままでは飲めませんよ、」

「エルルはどの位の種類のお酒を持っているのだ?」

「数えた事が無いですね、」

「持っている酒の中で一番高級な酒はどんな酒なのだ?」

「手持ちの中ではこの花使い蜂の蜜から作った発泡酒ですかね、自宅にある香水花の蒸留酒の六年物が最高級ですかね、」

と話ながらエルルは美しい細身の瓶に入った酒を執事長の前に出す、

「入れ物だけでも相当な値段が付きそうだな、一体いくらぐらいなんだ?」

「この発泡酒は金貨五十枚で家にある物は金貨二百枚ですかね、あくまでも市場に下ろすと仮定したお値段ですが、」

「うむ、一度は味わってみたい物だな、」

「執事長お酒ですか?私にも一杯奢って下さいよ、」

「ロバート、お前も自分で買ったら良いじゃないか!」

「まあまあ執事長そんな事言わず一杯だけ、」

「一杯だけだからな!」

ロバートが自身のコップに酒を少し注いで貰うとそのまま飲もうとしだ所をエルルが、

「ロバートさん!また死んだタルトルンの様に伸びちゃいますよ!ちゃんと氷と水で割って呑んで下さいよ!」

と止めロバートのコップに氷を入れる、

「あっ!執事長ロバートさんだけずるいですよ!僕にも一杯奢って下さい、」

とジャン先輩も空のコップをさしだす、

「お前達!せっかく買った私の酒をたかるんじゃない!」

「僕も執事長とは違う酒を買いますので、後で一杯ずつ交換しましょう!エルルあまり高い物は買えないから、お手頃で美味しいお酒があったら出してくれるかい?」

「そうですねぇ〜ワインの元になってるグラーパの実の蒸留酒何てのは如何ですか?」

「エルルのおすすめならそれにするよ、」

「まいど!銀貨五枚です、ジャン先輩ちゃんと水か氷で割って呑んで下さいね、」

「エルルありがとう!」

「ジャン俺にも一杯奢ってくれ!」

「ロバート先輩!次は僕にも奢って貰いますからね!一杯だけですよ、」

グラーパのお酒も好評で男使用人達は美味い肉とお酒で大盛り上がりだったよ!


エルルは侍女長達の所へも行き

「侍女長ワイバーンのお肉は如何ですか?」

「エルルこんなに美味しいお肉は食べた事が無いわ、それにこのタレに付けて食べるのが、最高なのよ!」

「じゃあそろそろしめに焼きそばと言う料理を作って良いですか?」

「ええ、もうそんなに食べられないと思うけど、エルルが作る物ならたべたいわ!」

「エルル君私はまだイケるわよ!」

「はい、ミオン先輩!」

エルルは焼き台の網を外し鉄板を置くと、ワイバーンの脂身を乗せ満遍なく脂を引き、

野菜と小さくカットしたワイバーンの肉と共に焼き、後に麺と絡めて最後に特製ソースに絡めると、あたり一帯にソースの香ばしい香りが漂って先輩たちを釘付けにしちゃってるよ、先輩達のお皿に焼きそばを盛って行くと、先輩達は夢中で食べちゃって、皆さんお代わりのリクエストが来たので、

「先輩達、お代わり作るのは良いですが、

この後、イオさんが作ったワイバーンの卵を使ったカスタードプリンを出そうと思っていますが、焼きそばのお代わりを作って良いですか?」

「エルル君!甘い物は別腹よ!」

「そう言われると思っていました、では焼きそばお代わりの先輩は手を上げて下さい!」

結局メイドの先輩達全員が焼きそばをお代わりだったよ!



お風呂掃除を終えてゆっくりお風呂に一人で浸かりベッドに入るとかなり遅い時間でエルルは耳のイヤリングに手を当て、小さな声で、

「イオさん、まだ起きてますか?」

「はい、エルルさんナタリア様と温泉に入って来て辺境領のお部屋のベッドの中です、」

「イオさん、明日から公爵家のホール前の庭を大改装するので手伝って下さい、」

「分かりました、ナタリア様の支度を整えた後でも良いですか?」

「はい、構いません実家で待っていて下さい、」

「了解です、エルルさん!」

「お願いしますイオさん、おやすみなさい、」

「おやすみなさいエルルさん、」













ありがとうございました。

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