たまには外で!
よろしくお願い致します。
第二十一話 たまには外で!
エルルとイオがワイバーンの焼肉をたべながら、
「でもイオさんラッキーでしたね、巣にワイバーンの卵が五つもありましたよ!ワイバーンの卵で作ったカスタードクリームやプリンは絶品ですよ!」
イオは目をキラキラ輝かせ、
「エルルさん直ぐに森の家に帰りましょう!」
とそわそわしているイオに、
「イオさん、伯爵に討伐完了の報告と、薬の代金やワイバーンの一匹をミスリル鉱に変えて貰わないと、その後一度森の家に帰ってワイバーンの解体とイオさんの護身用の武器を作ります、
「エルルさん私びっくりするほど剣術が苦手なんです!」
イオは剣術に何かトラウマがあるのか青い顔をしている、エルルは笑いながら、
「安心して下さい剣でも槍でも無いですよ、さあ伯爵の所に戻りますよ、おかめさん!」
ピレッツェの町近くに転移して町の門まで行くと伯爵家の騎士さんが待ってくれてたよ、
町のギルド出張所に案内され、応接室に入ると伯爵とオージュが待っていて、ひょっとこが、
「ワイバーンの討伐は終わりました、約束のワイバーンは何処で渡せば良いですか?」
「外に解体の出来る冒険者達を待たせているそちらに頼む、先にミスリル鉱と薬代を渡しておこう、」
ひょっとこがお金とミスリル鉱を確認して、
「領主殿、お金もミスリル鉱も多過ぎると思いますが?」
「なにひょっとこ殿、これは私達の気持ちだ受け取ってくれ、」
ひょっとこはぺこりと頭を下げ金貨が詰まった皮袋と、机の上に積まれたミスリル鉱を次々と肩掛けカバンに入れて行く、実際はアイテムボックスにしまっているのだが、どう見ても鞄の大きさと入れた物の量があっていない、あんぐり口を開けている二人に、
「ではワイバーンをお渡ししますので、」
と立ち上がる、
「じゃあこちらに、」
とオージュの案内でギルド出張所の裏庭に出るとワイバーンと戦っていた冒険者達が待っていた、ひょっとこが冒険者達の前にワイバーンを出すと皆驚きで固まっていたが、ワイバーンの状態を見て、
「凄い!傷一つ無い見事なワイバーンだ!どれだけの高値が付くか、」
「解体するのが惜しいぜ、」
などとと聞こえてくる、ひょっとこがもう一匹小ぶりのワイバーンを出し伯爵に、
「領主殿先程の礼は多過ぎます、こちらのワイバーンも差し上げます、」
「ひょっとこ殿、 これではこちらが貰い過ぎだ!」
「ではこちらのワイバーンは騎士団の皆様に差し上げます、知っていますかワイバーンのお肉はとても美味しいんですよ!皆さんで召し上がって下さい、」
ひょっとこの話を聞いた騎士団員達から歓声が上がる、ひょっとこは騎士団員達に手を振って応え、
「領主殿私達はこれにて、」
と、頭を一度下げおかめと共に門の方に歩いて行く二人に、
「ひょっとこ殿!おかめ殿!本当に助かったありがとう、」
と伯爵は深々と頭を下げ、オージュと騎士団員達は、騎士の礼をして二人を見送った。
森の家に転移して来た二人はそれぞれ温泉に入り居間のソファーに座りお茶を飲みながらしばしくつろぐ、時間を見ればまだお昼前で
「イオさんお疲れ様でした、僕はこれからワイバーンの解体とイオさんの護身用魔道具を作ります、イオさんにはワイバーンの卵を使って作って欲しいお菓子があります、これレシピ帳です、」
イオはレシピ帳を見ながら、
「シュークリームにカスタードプリン、とても美味しそうです!じゅるり、」
「ワイバーンの卵を使ったカスタードはとても美味しいんですよ、明日ワイバーンのお肉とイオさんに作って貰ったお菓子をお裾分けに色々回ろうと思っています、
あっそうだ!イオさんお菓子が出来たらお肉を実家に持って行ってあげてはどうですか?」
「良いんですか?エルルさん!皆凄く喜ぶと思います!」
「はい、弟子のイオさんの家族は僕の家族でもあります、僕の弟子になった事もちゃんと報告して来て下さいね!後今度食事会にイオさんの家族を招待したいのでこの招待状も持って行って下さい、」
「分かりましたエルルさん!早速お菓子作っちゃいますね!」
エルルは研究施設の魔物解体室でワイバーンを次々解体して行き部位や用途別に分け収納して行く、竜種は捨てる部分がほとんど無く解体室の机の上には山の様に包装されたお肉のブロックが置かれていた。
エルルは解体用の作業着を脱ぎハンガーに掛け、部屋全体にクリーンの魔法をかけ室内を片付けていると施設入り口の魔道具が反応する、
エルルは入り口に行き扉を開けるとイオが立っていたので、
「イオさん、丁度良かったそこの入り口の壁に手を置いて下さい、」
イオが壁のくぼみに手を置くとくぼみが青く光る、
「イオさんこの建物の中に入る登録をしました、次からはそのくぼみに手を置けば入り口が開きますよ、さあ中に入って下さいお肉の用意が出来ています、」
イオが建物の中に入ると中は真っ白な廊下にこれまた白い扉が在り部屋の名前のプレートが付いている、
エルルが解体室と描いてある部屋の中にイオを案内すると、
「エルルさん!凄いお肉の量ですね!」
「イオさん、これは狩ったワイバーンのお肉の一部ですよ、公爵家を始め皆さんにお裾分けするお肉です、でイオさんの家はこちらですね、」
「エルルさんこんな沢山貰って良いのですか?」
「イオさんもワイバーン二匹狩ったじゃないですか!二匹分は僕が買い取らせて貰いますから、後で代金を支払いますよ、」
「エルルさん、私はエルルさんから沢山の物を貰ってます、お金なんて貰えませんよ!」
「弟子の衣食住を守るのは師匠の役目ですよ、ちゃんと報酬を出しますよ!」
「ありがとうございますエルルさんじゃあ、報酬の一部を渡して下さい、残りはエルルさんが預かっていて下さい、」
「了解です、後帰りにナタリア様とエド様を夕食に誘ってください、イオさんまたワイバーンの焼肉でも良いですか?あっ!家族の方達と食べて来ますか?」
「帰って来てあの特製タレで焼肉を食べます!あと主人様に何か連絡はありますか?」
「では、明日の朝詳細を報告しますと伝えておいて下さい、」
「分かりましたでは行ってきます!」
と笑顔で手を振りゲートの中に入って行った。
「キャァー!あなた誰?何処から入ってきたの?」
ここは王都の貴族街の外れの小さなタリスマン家の屋敷、いきなり現れた珍入者に部屋の主のナツ・タリスマンが叫ぶ!
「ナツごめん!ここ今ナツの部屋なんだ、」
「今私の部屋ってどう言う事?てかあなた誰?」
その時部屋の扉が開き、
「ちょっとナツ、いきなり叫んでどうしたの?てかこの綺麗なお姉さんは誰?」
「リツ、こっちが知りたいわよ!いきなり現れたの、」
「二人共、もうお姉ちゃんの顔わすれちゃったの?でもリツ、綺麗なお姉さんなんて言ってくれてありがとう、お母さんいる?」
「「えっ!」」
固まっている双子の妹に、
「お土産を持って来たよ、きっと凄く驚くと思うよ!」
「イオ姉?イオ姉なの?」
「ナツ、お姉ちゃん以外に何に見えるの?お母さんの所にいくよ!」
イオは驚いている双子をおいて廊下に出ると、
「お母さーん、ただいまーお土産持って来たよー!」
居間から女性が顔を出し、
「お帰り!イオ久しぶりね、って貴女誰?」
「わっ!お姉ちゃん久しぶり、帰って来てたの?」
居間の奥から、
「レン、イオが帰って来たの?まさか公爵家をクビになったんじゃ無いでしょうね、」
イオは居間に入り、
「ただいま、お母さん今日はお裾分けを持って来たの、」
「えっ!イオなの?」
ナツとリツも慌てて居間に入ってきて、リツが、
「イオ姉、なんで魔法使いの様な格好してるの?それにそのローブ凄く高そうなんだけど、」
イオは胸を張って、
「だってリツ、私結構高位魔法使いだものローブを羽織っててもおかしくないでしょ!」
途端に皆がプッと吹き出し、
「防御魔法しか使えないイオ姉が高位の魔法使いなら宮廷魔法士に内定した私は超高位の魔法使いよ!」
「リツ凄い!おめでとう!さすが私の妹ね、で私公爵家で同僚のエルル・ルコルさんに弟子入りしたの、今師匠のエルルさんから魔法を習っている所なの、」
イオの母ミリアが、
「イオ、弟子入りってエルルさんってどんな人なの?」
「エルルさんは剣聖ラルル・ルコル様と大魔導士ノア様のお孫様で今は辺境伯のエドモンド様とナタリア様の御養子様なの、エルルさんは剣聖様と同じくらい剣の達人で、魔法に至っては神クラスだと思うよ、あと超高位のお医者様で治癒術師でもあるの、あっ!でもこれ公爵家の秘密だから内緒ね、」
「イオ姉、その話が本当ならなんで防御魔法しか使えないイオ姉がそんな人の弟子になれたの?」
「リツ、お姉ちゃん防御魔法だと思ってたあの魔法実は空間魔法の結界だったの、でどんな魔法でも使いこなせるエルルさんに指導して貰って空間魔法が使える様になったんだよ、凄くレアな魔法の資質だから使える人に教えて貰わなかったら解らないよね、」
と言いイオはローブを脱ぎアイテムボックスにしまう、他の人からはローブが消えた様に見え驚いている、イオは大きなワイバーンのお肉が入った包みを何も無い所からにゅっ〜と机の上に出し、
「これ今朝狩って来たワイバーンのお肉、皆で食べて!」
ミリアとレンは目を見開き、
「イオ、ワイバーンのお肉なんて王族の方達ですら中々食べられない超高級食材よ、これ全部ワイバーンのお肉なの?てか貴女何処からこんな大きなお肉を出したの?」
「お母さん私さっきから高位の魔法使いだって言ってるじゃない、魔法で収納してるんだよ、」
「イオ姉!今朝ワイバーンを狩って来たって何処で狩って来たのよ!」
「ナツごめん、特殊な仕事だったから場所とかは言えないの、でも私も二匹ワイバーンを狩ったんだよ凄いでしょ!」
「特殊な仕事ってイオ姉公爵家のメイド見習いじゃ無いの?」
「私今メイドじゃなくて辺境伯付きでエルルさんと特殊な仕事以外普段はナタリア様の付き人をしてるの、」
「じゃあイオ姉、今着てる高そうな服は?どうしてズボンを履いてるの、」
「これズボンじゃ無いの、女性用のパンツと言うそうよ、今私移動が多いからパンツの方が良いの、」
「イオ姉そう言えばどうやってここまで来たの?」
「空間魔法のゲートだよ、一度行った事がある所なら何処でも直ぐに行ける便利な魔法だよ、今もバレス辺境領の魔の森のエルルさんの実家から来たんだよ、前の私の部屋に来ちゃたから、ナツを驚かせちゃってごめんね、」
「いやイオ姉、イオ姉が突然現れた時より話を聞いた今の方が驚いてるよ、イオ姉の話が本当なら、本当に超高位の魔法使いだよ!でもイオ姉から前ほど魔力を感じないんだけど、」
「ああそれ、エルルさんと修行してるうちに魔力が化け物クラスになっちゃって、エルルさんに作って貰った魔道具で普段は魔力を抑えてるの!」
と魔道具の腕輪を見せる、レンがパンパンと手を打ち、
「はいはい、皆落ち着いて!お茶でも飲みながらゆっくり話しましょう、」
五人がテーブルに付き母ミリアとレンがお茶の用意をするとイオが、
「あっ!そういえばワイバーンの卵で作ったお菓子を持って来たんだ!」
イオの言葉にイオ以外の家族が一斉にイオを見て、
「お茶を飲みながらお菓子を食べるなんて、貴族様みたいじゃない!」
「お姉ちゃん一応お父さん子爵でお姉ちゃんの旦那さんは男爵じゃない!」
「イオ姉!イオ姉!早くお菓子出して!」
妹達に急かされたイオは先日公爵家のお茶会のお土産用の紙の箱に入れたシュークリームと、もう一つカスタードプリンの箱を出し、
「こっちのお菓子がカスタードプリンってお菓子で、こっちがシュークリームだよ、どちらかは夕食後に取っておいたら、て言うかプリンは冷えてるから今食べた方が良いかな、うち冷蔵庫無いものね、」
「イオ姉!こんなお菓子見た事無いよ!食べていい?」
「リツ、お姉ちゃんのお菓子食べたら他のお菓子が食べられなくなっちゃうぐらい美味しいから、覚悟して食べてね!」
リツはプリンを一口食べ固まっている、ナツが、
「イオ姉、大袈裟だよ!ねえリツ、」
「ナツ、ヤバイよ!このお菓子めちゃくちゃ美味しい!」
リツに言われ、ナツもプリンを食るとうっとりした顔で、
「しあわせー」
なんて言っちゃってる、ミリアとレンも夢中でプリンを食べプリンは直ぐに無くなってしまう、三人は箱の中に残ってる二つのプリンを見つめミリアが、
「リンは今騎士団の寮にいるから一つ余るわね」
「待ってお父さんにはワイバーンのお肉があるから、プリンは私達が食べても良いじゃあない?」
「お母さん、レンお姉ちゃん、ダメだよ!リンお姉ちゃんの分は仕方ないけどお父さんが知ったらきっと拗ねるよ、」
「ねえ、イオ姉もう一つお菓子もこのプリンみたいに美味しいの?」
イオは手にシュークリームを一つ出して一口食べ中身を見せる、
「シュークリームはこんな感じだよ、ちょっとだけ食べてみる?はいあーんして、」
ナツはシュークリームを一口食べ、
「こっちも凄くヤバイ!」
「ナツだけズルイ!イオ姉、あーん、」
「リツ!そんなに大きく食べたらお母さんの分がなくなっちゃうじゃ無いの!イオ!あーん、」
「イオ、私はワイバーンのお肉を分けて貰ったら帰るから、今そのシュークリームってお菓子を頂くわ、」
「レンお姉ちゃん、リンお姉ちゃんのシュークリームを義兄さんに持って行って上げて二人で食べなよ、はい小さめの箱もあげるから、」
「イオ、ありがとうそうさせて貰うわね、」
「レン!貴女こっそり自分で二つ食べちゃダメよ!」
「母さん何言ってるのよ!」
と言うレンの目はめちゃくちゃ泳いでた。
「じゃあお母さん、私はそろそろ帰るね、あっ!忘れる所だった!」
イオはエルルからの招待状を取り出し、
「これエルルさんの家で開く食事会の招待状だよ、当日私が迎えに来るから指定の時間前に集まっててね、身内だけの食事会だから普段着で良いからね、その日時間が余ればお母さん達の髪も切ってあげるね、この世の物とは思え無い位美味しい食事だから楽しみにしててね!じゃあ私帰るから、」
イオは立ち上がりローブを羽織ってゲートを出し手を振りながらゲートの中に入って消えて行った。
ナタリアの部屋でマリーとマーガレットがナタリアとお茶をしながら、
「姫殿下、素晴らしいお部屋でございますね、あの奥の部屋はどんなお部屋なのです?侍女長とソフィアも興味があるようで、ナタリアの方を見ている、
「あそこの部屋は美容室と言ったら良かったのかしら、髪を整えて貰ったりお化粧をして貰う部屋よ、今は中が暗いから見えないけれど灯りを付ければ壁がガラスだから中がよく見えるわよ、魔道具の使い方はイオに聞いてちょうだい、」
「あの二人はワイバーンの群れを狩る事が出来るのでしょうか?私も子供達が待っていますので今日は戻らないと、」
「マーガレット、安心なさい何かあれば伯爵家に使いを出すから、ほら噂をすればよ、」
と、ナタリアが部屋の入り口を指すと開いたゲートからイオが入って来て、
「大奥様、奥様ただいま戻りました、」
「イオ、ご苦労様でワイバーンは?」
「はい、早朝に全て狩終わり、エルルさんは実家で狩ったワイバーンを解体しています、
伯爵家の方で怪我をされた方もいましたが、エルルさんが治療され全員ご無事で元気でした。」
「あっ!ワイバーンを狩ったのはひょっとこさんとおかめさんでした、ひょっとこさんが五匹、おかめさんが二匹、冒険者の方々が一匹でした、」
「マーガレット、これで安心して伯爵家に戻れるわね、でもひょっとことおかめの事や伯爵の事を話してはダメよ、伯爵達が帰って来るのを待ちなさい、」
「侍女長、主人様はおみえですか?明日朝エルルさんが詳細を報告するとの事です、」
「イオ、分かったわ私から主人様に伝えましょう、」
「ありがとうございます、よろしくお願いします、あと大奥様、エルルさんが大主人様と大奥様を呼んで来て欲しいとの事ですが、」
「もちろん行くわ、イオ今晩はいつものあれをしてね、じゃあ皆私は帰るから、アルクによろしく、また来るわ!」
ナタリアはイオが開いたゲートに入って行き、イオはぺこりと頭を下げゲートの中に入っていった。
部屋に残されたマーガレットが、
「姉さん、このお部屋の事やお化粧の事もっと聞きたかったんだけど、姫殿下はどちらに行かれたの?」
「分からないわ、多分辺境領だと思うけど、私も一度エルルの実家に行ってみたいわ、あとお化粧の事や髪の事は義母様よりイオに聞いた方が良さそうね、」
話をずっと聞いていた侍女長とソフィアもうんうんと頷いていた。
辺境領の屋敷に来たナタリアが、
「イオ、ちょっと待ってて直ぐにエドを呼んで来るから、」
とナタリアが部屋から出て行き、しばらくすると作務衣姿のエドモンドが入って来て、
「イオ、待たせたかな?エルルが呼んでいるって何かあったのかい?」
「先ほどは言えませんでしたが、今晩は外でワイバーンの良い所の焼肉ですよ!エルルさん秘伝のたれを使った焼き肉は叫びたくなる程の味ですよ!」
「なに!ワイバーンの肉だと!よし早く行こう!イオ頼む!」
イオが森の家に着くと、エルルはTシャツに短パン姿で中庭に焼き台を置き炭をおこしていて、
「エド様、お母さんいらつしゃい!今日はワイバーンのお肉の美味しい所がはいったので
たまには外で美味しい焼肉をしましょう!イオさん飲み物を冷蔵庫から出して来て下さい、僕は焼き係になるので、エド様とお母さんは皿と箸を持って下さいね、箸が使いにくかったら、フォークもありますよ、」
エルルはお肉の良い所を次々と焼いて行き、エドモンドとナタリアのお皿に乗せて行く、最初は岩塩を軽くふって出す、
二人は夢中でお肉を食べる、エルル特製のタレを付けた時は二人とも目を潤ませちゃてたよ、イオさんなんて焼き台の隅を自分の陣地だと言って、沢山のお肉をいっぺんに並べて焼いちゃってるよ、最後に鉄板を用意して焼きそばを作ったら、エド様がどハマりして何度もお代わりをしてたよ!
ナタリア様がワイバーンを狩った経緯をエド様に話ていると、イオさんが、
「大奥様、ワイバーンの卵で作ったカスタードプリンです、」
「わっ!凄く美味しそう!あとイオ私の事はナタリアと呼びなさい、」
「わかりましたナタリア様、大主人様はプリンはいかがですか?」
「残念だが流石にたべられないな、明日の朝に取って置いてくれないか、あとイオ、私もエドモンドと名前で呼びなさい、」
「はい、エドモンド様、」
「エド様、明日の朝お屋敷の方々にもワイバーンのお肉を持って行って下さいね、」
「良いのか、皆とても喜ぶと思うが、」
「はい、僕も公爵家の皆さんや同僚の使用人騎士団の方々にも配ろうと思っています、
あとアルマン家の所にもイオさんの御礼がてらお肉を持って行こうと思っています、」
「分かった、エルルアルクに宜しく伝えてくれ、」
「はい、了解です!」
その頃王都のタリスマン家では、イオの父オーレンが帰宅して、夕食がワイバーンの肉と聞いて興奮のあまり過呼吸で、ひっくり返ってしまい目が覚めた後、一人寂しく食事をする事になった。
そして後日、次女リンがお肉とお菓子の事を知りタリスマン家で大暴れする事になる。
ありがとうございました。




