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どちら様ですか?

よろしくお願いします。




第十七話 どちら様ですか?


早朝イオは空飛ぶバイクにまたがり、エルルが作った自動車学校の教習コース立体版もどきで運転の練習をしている、最初はおっかなびっくりぎこちなく運転をしていたイオだったが、徐々に運転に慣れて行きひらりひらりと優雅に飛んでいる。

彼女は本当に天然の天才だ!未だ確実では無いがゲートを開く事にも成功したらしい、

「貴方達早いわね、ってイオ貴女それ何に乗っているの?」

「おはようございます、大奥様馬上から失礼します、」

「イオ、それ馬なの?空飛ぶ馬?」

お母さん、貴女もか!

「エルル私も乗ってみたいわ!」

「お母さん、誰でも動かせますが、お母さんが運転したら直ぐに倒れちゃいますよ、バイク自体は魔石で浮いていますが制御に魔力を使います、私やイオは特別ですのでお母さんは僕の後ろに乗って下さい、イオさんの練習がてら二台で朝の散歩に出かけましょう、お母さんは僕のローブを羽織って!イオさんもローブを羽織って森にでますよ!」

澄んだ空気が満ちる朝の魔の森の中を二台の空飛ぶバイクが空中を滑る様に走る、

たまに魔物の遠吠えや、怪鳥の鳴き声が聞こえここが魔の森の中だと思いだす、

「エルル!凄く気持ちが良いわ何処かに向かっているの?」

「ええ少し高台まで行って、ついでに食材を取りに行こうと思いまして、」

イオがエルルのバイクに器用に並走しながら、

「エルルさんだいぶコツを掴んできましたよ!」

「はい、イオさん上手に運転出来てますよ、向こうに見える高台の所まで行きますよ、」


小高い丘の上に降り立ち後部シートからナタリア様の手を取り下ろすと、

「エルル!素晴らしい景色だわ!本当にここは魔の森なの?」

「お母さん、僕とイオさんの魔力を感じて魔物が近寄らないだけで周りは魔物だらけですよ、僕からあまり離れないで下さいね!」

「そうなの?でも魔の森ってこんなに美しい所だったのね、ってエルル!離れて行かないでちょうだい!」

「すいませんお母さん、目的のカッカロの木が生えていたので、」

「エルルさん、この木の実の部分が食べられるのですか?」

「この実の殻の中の部分ですが、このままでは苦くてとても食べられないですよ、ちゃんと食べられる様に処理すればイオさんが大好きなアレになりますよ、」

「エルルさん、もしかしてチョコレートですか?」

「凄い!イオさん当たりですよ、」

「エルルチョコレートって何なの?」

「お母さんはチョコレートを未だ食べた事なかったですね朝食前なのでちょっとだけ、」

エルルは一欠片のチョコレートを摘んでナタリアの口の中に入れる、

「わっ!これ美味しいわね、もっとちょうだい!」

「朝食前だからダメですよ、その代わり朝食にはチョコレートを使ったメニューにしますよ!」

「エルルさん!早く帰って食事にしましょう!赤くなった実は全て回収済みですよ!」

「本当にこういう時のイオさんは凄いですね、では帰りましょう!お母さん後ろに乗って下さい!」


その日の朝食はチョコレートを使ったクロワッサンと、ホットドリンクで二人共夢中で食べている、イオさんなんて声をかけたら犬みたいに唸って威嚇されそうだったよ。

その後イオさんと、チョコレートや、フルーツ牛乳、焼き菓子などを大量に作っていると、ナタリア様が、

「エルル手が空いたら約束のメイクの仕方を教えてちょうだい!」

「お母さん、もうちょっとだけ待ってて!その代わりこの本でも見てて!」

エルルがナタリアに渡した本は、以前婆ちゃんの髪型やメイクの参考にと前世の記憶から、呼び出した女性のファッション雑誌で、

メイクの仕方は勿論髪の切り方や髪型の見本も沢山載っている、

「エルル何これ、異国の本?皆可愛らしい子達だけどこの国の女の子ではないわね!でもなんて可愛らしい服や髪型なの!私この髪型にして欲しいわ!」

隣を見ると、イオさんが作った大量のお菓子や食べ物を一生懸命アイテムボックスにしまっているのだが、目はナタリア様が読んでいる本に釘付けだよ。


「じゃあこれお母さんのメイクセットね、こっちはイオさん、でイオさんにはお母さんのメイク係にもなって貰いますよ、」

イオは真剣に頷きナタリアが読んでいたファッション雑誌と、エルルの指導を受けながら、鏡を見て自身の顔にメイクをして行く、

「エルルさん、私髪を切りたいのですがハサミは有りますか?」

「イオさんメイクセットの下の引き出しに髪用のハサミが数種類入っていますよ、でも恐ろしく切れるから気をつけて下さいね、」

「うわっ!凄い!こんなハサミ見た事が無いです!」

イオさんは雑誌をみながら、器用に自身の髪を切っている、なんだか美容師さんみたいだよ、

「イオさん凄く器用ですね、」

「うちは貧乏ですから、髪は自分で切っていたんですよ、母や妹達も私が切ってあげてたんです、だからちょっとだけ髪を切るのは自信があったのですが、この教科書には沢山のカットのテクが書いてあります!」

「イオ!貴女流石エルルの弟子ね、凄く器用だわ!」

「エルルさん!この教科書の髪型、毛先だけ内側に巻いているのですが、これはどうやっているのでしょう?」

「ああ!それは二通りのやり方があるのですが、一つはこの円柱の道具に毛先を巻きつけ留めます、しばらくすると簡易的に毛先に癖を付ける事が出来ます、もう一つはこの魔道具で毛先を挟み捻ると簡単に癖が出来ますよ、じゃあイオさん、僕はそろそろお昼の仕度をするからお母さんの事頼みましたよ、あと、お母さんのメイクセットはイオさんのアイテムボックスに入れておいて下さいね、二人共、化粧品を使って皮膚に異常が出たら直ぐに教えて下さいね、」


エルルが厨房でラーメンを作っていると、ナタリア様が、

「エルル見て見て!どうかしら?」

「わっ!お母さん、雰囲気が変わりましたよ、とても素敵です、エド様がお母さんを見たら驚きますよ!」

「イオはとても器用なのよ、お昼から私も髪を切って貰おうと思ってるわ、」

ナタリアの後からイオも厨房まで来て、

「じゃーん!エルルさんどうですか?大人っぽいメイクにしてみました!」

「わっ!凄い、イオさんお姉さんになってますよ!あと二人共お昼にしますよ!」

イオとナタリアがテーブルに着くとエルルが二人の前にラーメンを出す、

「エルルこの大きな器のスープはどうやって食べるの?」

「お母さんこれはラーメンと言う食べ物でスープの中に入っている麺をこんな感じでずるずる啜って食べます、」

エルルがお箸で麺をずずっと啜って美味しそうに面を食べ器の端にあったレンゲでスープを飲む、

ナタリアはエルルの食べ方を見て顔を引きつらせながら、

「エルル凄い食べ方ね、」

隣でイオがホークで麺をすくい夢中でずずっと啜って、

「エルルさん!凄く美味しいですよ!あとエルルさんがいつも使っているその二本の棒を

私にも下さい、」

「箸ですか、慣れるまで使いづらいですが、慣れてしまえばとても便利ですよ、」

イオはエルルに渡された箸を使ってぎこちなく麺をすくっている、

ナタリア様も初めはエルルやイオを見て引いていたが、ラーメンを一口食べると夢中で麺を啜っていたよ、

「ラーメンは如何でしたか?」

「エルルさん!とても美味しいですよ、また食べたいです、」

「食べ方はともかくとても美味しかったわ、今度エドにも食べさせてあげてちょうだい、」

「はい了解です!ラーメンは沢山の種類があるんですよ、イオさんは作り方も覚えて下さいね、」

「はい!エルルさんこんなに美味しい物なら直ぐに覚えちゃいますよ!他の味のラーメンも楽しみです、」

「はい!あとラーメンの後はデザートは杏仁豆腐です!」

「エルルさん白いミルクのプリンですか?」

「似ていますが違いますよ、まぁ食べて見て下さい、」

ナタリアとイオは杏仁豆腐を食べ、

「美味しいわ!プリンとは違う独特な風味ね、」

「サッパリした味でラーメンの後には最高に合いますねエルルさん!」

「でしょう!イオさん、夕方から夕食の準備をしますので手伝ってくださいよ、」

「はい!エルルさん!」



「ただいまー」

「あら、ソフィーお帰りなさい今日はお休みなの?って!貴女その格好はなに?それにその髪如何したの!」

「お母さん待って!ちゃんと話すから!」

「そうね、ごめんなさい久しぶりだもの座ってゆっくり話しましょう、マリノフも今日は非番で帰って来てるわよ!」

ソフィアがリビングのソファーに腰掛けると母ソニアがお茶と菓子を持って来て、

「ソフィーこのお菓子は今王都で人気のお店のお菓子よ!並んで買ったんだから!」

「へえ、そうなんだ、」

ソフィアはクッキーの様な物を一つ摘んで食べる、以前のソフィアなら大喜びしながら食べただろう、

ただエルルの作るお菓子を食べているソフィアには王都で人気のお菓子が色褪せてしまう、そんな娘を見てソニアが、

「ソフィーどこか悪いの?甘い物を食べて貴女が喜ばないなんて、」

ソフィアは慌てて、

「ごめんお母さん、少し考え事してた、」

「大丈夫?でその素敵な服と艶々の髪は如何したの?」

「この服は辺境領の端の村の民族衣装よ、髪もその村の髪専用の液体石鹸を使っているのよ、あちらから来た子のお土産なの、」

「髪専用の石鹸なんて王都では聞いた事が無いわよ、その洋服といい辺境領まで旅行してこようかしら、」

「乗り合い馬車で一ヶ月半もかかるのよお母さん!お父さんが許してくれないわよ、その内アズビー商会あたりが売り出すと思うわ、でお父さんは?」

「それがねソフィー、お父さん先日お城で何かあったみたいで、それからずっと元気が無いのよ、」

「そう、それは心配ね、」

その時リビングの扉が開き、

「ソニア、お茶を入れてくれないか、」

とマリノフが入って来て、

「お父さん久しぶり、母さんが元気が無いって心配してるわよ、王宮で何かあったの?」

マリノフは不意に話しかけられ驚き、

「わっ!驚いた!ソフィーか久しぶりだね、今日は休みなのかい?変わった服を着ているけど王都で流行っているのかい?」

マリノフは話しながらソフィーの正面の椅子に座る、

「ええ今日はお休みなのよ、この服は辺境領のお土産で頂いた物なの、で お父さん元気が無いって聞いたけど何かあったの?そう言えば先日主人様から王宮でトラブルがあったと聞いたんだけど、」

「ははは、ソフィー王宮の話は出来ないよ、ただ最近自分の力の無さを感じる事があってね、そうだ!ソフィーただの噂話だと思うのだけど公爵家の私兵団長の肩が治ったって噂があってね、実際はどうなんだい?」

「お父さんその噂は本当よ、そのうち皆が知る事だから、」

マリノフは、椅子から立ち上がり声を荒げ、

「どうやって治したんだ!大神官様でも治らなかったあの肩を!」

取り乱すマリノフに対してソフィアは紅茶を飲み、

「お父さんが王宮の事を話せないのと同じで私も公爵家での話をする事は出来ないわ、でも独り言を聴かれちゃうのは仕方ないわよね、」

ソフィアはもう一度紅茶を飲むと、自分に言い聴かせる様に話し出す、

「お父さんがいつも言ってる、安易に治癒魔法に頼って怪我や病気を治してはいけないと言う事が最近良く解ったわ、治癒魔法は確かに凄い魔法よね痛みが無くなったり、傷付いた所も治してしまえるのだから、でも正しく病や怪我が治るかは別よね、例えば肩に大きな傷を負ってしまい治癒魔法で傷を癒す、肩は治癒魔法により傷など無かった様に治るわ、

でもその腕は今までの様には動かない、術者が身体の仕組みや怪我の状態を把握せずに治癒魔法を行使すれば、万能過ぎる魔法が無作為に傷付き切れてしまった、筋肉や骨、神経を正常で無い状態で繋いでしまい傷や痛みは無くなるが腕は動かなくなる、それを逆に考え治す方法は間違って繋がっている所をもう一度切り離し正しく繋ぎ合せれば、動かなかった腕も動かせるようになるわ!あと病には治癒魔法が効きにくいのではなくて、一時的に痛みだけを取っていて病巣を治していないから病は治らない、ちゃんと身体の仕組みや病気を熟知した物が正しく治癒魔法を使えば、治癒魔法の後遺症は無くなるし、助けられる人も増えるでしょうね、」

マリノフは瞬きもせずソフィアの話を聞いていて、

「ソフィーはそれを見たのか?」

ソフィアは何も答えず、

「お母さん!お腹が空いたわ今日はご飯を食べてってもいい?私も料理を手伝うから!」

「ええ!難しい話はこれまでよ!じゃあソフィー台所に行くわよ、」

一人残されたマリノフは先程の娘の話を反芻する、まるで先日の黒髪の少女が目の前で行った事そのままではないかと。


「エルルさん生地はこのくらいの厚さで良いですか?」

「良いですよイオさん、じゃあ生地の上にこのトマトじゃなくてトロマンのソースを塗って下さい、」

イオがソースを塗り終わるのを確認して、

「オッケーですね、あとは森豚で作ったドライソーセージと緑野菜の輪切りを置きヌウヌウ水牛の乳で作ったチーズと、岩山羊の乳のチーズを細かくカットして、パラパラっと多目にかけて、調理場の一番奥の石釜に入れて焼けば完成です、せっかくだから沢山作ってアイテムボックスに入れておきましょう!」

「エルルさん凄く美味しそうですね!何と言う料理なのですか?」

イオが生地を沢山並べトロマンのソースを塗りながらエルルに聞くと、

「ピザと言う料理ですよ、焼き上がれば癖の無い水牛のチーズと少し癖がある岩山羊のチーズがとろりと溶けあって!美味しいんです!」

イオは垂れかかったヨダレをすすり、目で未だかと訴えるが、ちゃんと手は生地にチーズを振りかけている、

「イオさん、もうすぐ焼き上がりますよ、だから女の子がそんな目をしちゃダメですって!」

エルル特製ピールで釜から熱々ピザを取り出すと、ピザカッターで素早くカットし皿に乗せ、

「お待たせ!エルル特製ピザですよ、お母さんと一緒に食べていて下さい!飲み物はラムネが合いますから、冷蔵庫から出して飲んで下さいね、あっ!ラムネは発泡性の飲み物だから封を開ける時は気をつけて下さいね、」

「エルルさん、凄く美味しそうです!でもアイテムボックスに入れて待ってます!全部焼き上げてから皆で美味しく頂きましょう!」

エルルは食べたいのをぐっと我慢するイオに微笑んで、

「分かりましたイオさん、じゃあ全て焼き上げちゃいましょう!」


ナタリアがイオにカットして貰った髪を化粧台の椅子に座り眺めていると、

「大奥様、夕食の準備が整いました、」

「イオ、ありがとう直ぐに行くわ、」

ナタリアがテーブルに着くと、大きな丸皿に大きなピザが乗せられエルルが、

「お母さん、今晩はピザですよ、熱々ですから気を付けて食べて下さいね、飲み物はラムネを用意しました、発泡性のジュースですので苦手だったら言って下さいね、」

「エルル、その熱々のピザはどうやってたべるの?」

「ピザはこの様に素手で取り、こうやって食べます、」

美味しそうに食べるエルルを見て、

「まぁ!エルルお行儀が悪いのね、でも美味しそうだから私も、」

ナタリアはピザを手で摘み少しだけ口の中に入れる、途端目を輝かせ夢中で食べ出し、

「イオ!美味しいわよ!貴女も早く食べなさい!」

「はい、大奥様頂きます、」

夢中で食べる二人に、

「お母さん、イオさんピザはどうですか?」

「エルル、今は話掛けないで!ピザが美味しすぎるのよ!この飲み物もピザにはピッタリね、」

「エルルさん、お代わりオッケーですか?勿論ラムネもですよ!」

「はい、アイテムボックスから出して下さい、お母さんもまだいけますか?」

「勿論よ!」


食後のデザートにサッパリした柑橘系のオルジのシャーベットを三人で食べながら、

「お母さん、イオさん明日は朝食を食べたら直ぐに一度エド様の所に行き、その後公爵家に向かおうと思います、」

「ねぇ、エルル今晩食べたピザを明日の朝エドに食べさせてあげたいのだけどダメ?」

「構いませんよ、では僕はこれから辺境領のお屋敷の部屋を改装してきます、ついでにロータスさんに明日の朝食の話もしてきますね、」

「じゃあ私はイオと一緒にお風呂に入ってマッサージをして貰うわ、」

「はい、大奥様!喜んで!」


エルルは辺境屋敷の部屋にソファーセットとベッドを二つ置き照明魔導具を設置していると扉がノックされ、

「開いていますよ、入って下さい、」

エルルが声をかけると、扉が開きロータスさんが一礼して、

「部屋の中から音が聞こえましたので、エルル様かと思い声をおかけしました、それにしてもよるなのに昼間の様な明るさで御座いますね、」

「こんばんわ、ロータスさん丁度良かったエド様にあすの朝こちらに一度よります、エド様の朝食は私が用意すると伝えておいて下さい、」

「承りました、エルル様、」

一礼して部屋を出ようとするロータスに、

「あっ!ロータスさん待って、これお菓子です皆さんで召し上がって下さい、」

とロータスに大きな紙袋を渡す、

「エルル様、ありがとうございます皆喜ぶ事でしょう、」

ロータスが出て行った後、エルルは部屋の照明を落として森の家に帰った。


朝早めに朝食を済ませ、ナタリア様とイオさんはメイクの真っ最中で二人で、ファッション雑誌を見ながら盛り上がっている、

エルルがコーヒーを飲みながら待っていると、スーツ姿に銀髪を纏め上げきつめのメイクをしたお姉さんバージョンのイオさんと、

イオさんに髪を切って貰いストレートロングの髪を毛先の部分だけ内巻きにして、可愛らしいメイクをしたナタリアが、

「エルル、お待たせ行けるわよ!」

「二人共変わり過ぎですよ、皆さんきっと誰だか分からないレベルですよ、」

「そうね、エドやアルク達が何と言うか楽しみだわ!」

「じゃあお母さんは僕のゲートで、イオさんは、そこの新しい魔方陣で一度辺境屋敷に飛んで下さい、」

エルルが辺境屋敷の部屋にナタリアと共にゲートで現れるとすでにイオが部屋にいて中を見渡して、

「エルルさん素敵な部屋ですね、」

「辺境屋敷の僕とイオさんの部屋ですよ、こちらで泊まる時はこの部屋を使います、」

話していると扉がノックされ外からロータスさんが、

「主人様が談話室でお待ちです、」

ナタリア様が扉を開き、

「おはよう、ロータス」

と言って廊下に出て行く、ロータスさんの顔が驚愕の表情になっちゃってたよ。


エドモンドが談話室のソファーに座っているといきなり扉が開き、

「おはようエド!」

と、美しい女性がエドモンドの隣のソファーに座る、その後エルルともう一人女性が入って来て、女性はエドモンドに一礼する、

エドモンドは女性の顔を見て驚く、若い頃のノア様に余りにも似ている、

「エド様、私の弟子のイオ・タリスマンです、」

「大旦那様、イオ・タリスマンです、よろしくお願い致します、」

「エド様、ジルおじさんは婆ちゃんに似てるって、驚いてたけど、」

「エルル、とても驚いてるよ若い頃のノア様そっくりだ!イオさんだったかな、君のお祖母様はマイラ様かな、」

「大旦那様は祖母を知って見えるのですか?」

「勿論だ、君のお祖母様と、エルルのお祖母様は従姉妹だがまるで双子の様に似ていて宮廷でも高嶺の花と言われていたよ、

「婆ちゃんが高嶺の花だったなんて、ぷっ!」

「エルル、ノア様が生きて見えたら、ソルス様にご挨拶できるぞ!で、こちらの美しい女性はどちら様かな?」

エドモンドの隣に座る美しい女性は肩を震わせながら、不意にエドモンドの両頬を手で引っ張り笑いながら、

「エド!貴方妻の顔も忘れてしまったの?」

エドモンドは目を見開き、

「ナタリーなのかい?」

「そうよナタリアよ!イオは魔法も凄いけれどメイクも凄いのよ!エルルの弟子だけど私付きにするわ!」

「お母さん、エド様に朝食をとって貰いましょう、王都のお屋敷に戻らなくてはならないので、イオさん食事の準備をしてくれるかな、」

「はい、エルルさん」

イオはエドモンドの前にピザをだす、

「エド様ピザは手づかみで食べて下さい、とても美味しいですよ、」

エルルの勧めにエドモンドは手づかみでピザを食べ、今は夢中でピザを食べちゃってるよ!


食事を終えたエドモンド様にナタリア様が、

「エド、行って来るわね週末はこちらに帰るから、」

「ああ!気を付けて行くのだよ、」

「あのエド様ゲート魔法で帰りますので、隣の部屋に行く様な物ですよ、」

「ははは!そうだったな、エルルも週に一度はこちらに来るんだぞ!」

「はいエド様!」


辺境屋敷の自分達の部屋に戻ったエルルは、王都屋敷の使用人控え室にゲートを開き三人で潜ると、控え室にはペレスと侍女長がいて突然出て来たエルルを見てビックリしているよ、

「おはようございます、執事長、侍女長、」

「おはようエルル、で背後の方はどちら様?」

「おはようペレス、マチルダ、元気だった?」

「エルル、まさか奥様なのか?」

「ええ!僕のお母さんのナタリア様です、」

「じゃああちらの方は?」

「弟子のイオじゃないですか!執事長、主人様にお会いしたいのですが?」

「ペレス!早くアルクの所に連れて行って頂戴!」

「はい!大奥様こちらへ、」


公爵家の談話室で食事を終えたアルク達が話をしていると、扉がノックされ入室の許可をだすと、部屋の中にエルルと美しい女性二人が入ってきて、美しい女性の一人がソファーに腰掛け、

「久しぶりね、みんな元気だった?」

声をかけられた公爵家の皆さんがポカンとしていて、アルクが

「あの、どちら様ですか?」





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