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初めて王宮に行きました!

よろしくお願いします。



第十二話 初めて王宮に行きました!



馬車の中でアルクとロバートが驚いている馬車の見た目は変わらないが、昨日まで酷かった馬車揺れが殆ど無く貴族町から王宮に向かう広い道を快適に走って行く、今朝も主人様と姫様達と奥様でエルルの取り合いが起こったが、主人様権限で今日王宮で行われる御前会議のお供をロバートと共にしている。


「なあエルルが馬車を改造したのだろ、」

「はい、以前馬車に乗った時にお尻が痛くて、今朝主人様を待っている間にちょちょいと、」

ロバートは盛大にため息を吐き、アルクも苦笑いをしながら、

「良いじゃないか!快適に王宮まで行けるのだから、それに馬廻の者達の身体を治してくれたのだろう、ありがとうエルル、」

「いえ大した事ではありません、ですが私の様な見習いが王宮に付いて来て良かったのですか?」

「エルル、私達使用人には使用人の待合室がちゃんと王宮にはあって私も始めての時は父に連れて来て貰ったよ、」

「えっ、ロバートさんのお父さんも執事だったのですか?」

「エルル、お前オヤジに会った事あるだろう、今は辺境領の執事長をしているが、」

「じゃぁロバートさんはロータスさんの息子さん?」

「ああ、手紙で父もお前の事をべた褒めしていたぞ、あとナタリア様のエルル禁断症状が酷くて大変だと書いてあったな、」

「主人様さえ宜しければ私は今晩にでもあちらに顔を出しますが、」

アルクは慌てて、

「エルル!母上に捕まったら二度とこちらには帰って来れないぞ、」

「私的には、騎士さん達と同じでどこの勤務になっても問題ありませんが、」

「私が困る!今エルルが居なくなったら、妻や子供達に何を言われるか考えただけでも恐ろしい、」

「ですがその内エドモンド様から呼ばれると思いますが、」

アルク様は悪い笑みを浮かべエルルに顔をよせ、

「大丈夫だ!昨晩子供達と私で父上と母上宛に手紙をギルドの緊急連絡網を使って送っておいたから、」

いくら公爵様でもギルドの緊急連絡網はまずいだろう、エルルの思って居た事が顔に出ていたのか、

「大丈夫だエルル、ギルドの緊急連絡網は定期的に訓練の連絡を行なっているんだ、でお金を払えば訓練の連絡に便乗出来るのさ、」

世の中色々な裏技があるんだなんて思っていると馬車の窓から美しい湖が見えて来て、湖の湖畔の丘の上に大きくそびえ立つ城が見えて来る、あまりの美しい景色にエルルは前世で見たファンタジー映画のワンシーンを思い出して、本当に異世界なんだなと胸が熱くなる、エルルは小窓から顔を出して久しぶりに、

「oh! ファンタスティック!!」

と叫ぶと、ロバートさんから公爵家の使用人として恥ずかしいと、げんこつを貰ってしまった。



「奥様、本日のお茶会に着て行かれるお洋服はこちらで宜しいでしょうか?」

「ええ、任せるわソフィア、今日はエルルにお茶会に付いて来て貰おうと思って居たのに、主人にエルルを取られてしまったわ、」

ソフィアは笑いながら、

「ロバートさんも一緒に出ていますので今日はメイドの他にフローラを同行させます、」

同時に部屋をノックする音が聞こえ、ソフィアが扉を開けて向こうに立っていたフローラを室内に入れると、フローラは騎士の礼を取り、

「奥様、騎士班長フローラ本日のお供をさせていただきます、」

「フローラ、貴女その衣装はなに?」

フローラは、何を聞かれたのか分からず戸惑っていると、ソフィアが、

「奥様、公爵家の女騎士の新しい制服でごさいますよ、」

「この素敵な衣装が騎士の制服なの?よく見せて!って何この服の上質な手触り、フローラ!上着を脱いで見せて、」

騒いでいる所に侍女長が入って来て、

「奥様何事でございますか、廊下まで声が漏れておりましたが、」

「侍女長ごめんなさい、フローラが着ている服がとても上質だったので気になってしまって、」

「そうでしたか、御用商人が町でちょっとした噂になっていると言っていましたよ、」

フローラは帯剣用のベルトを外し上着を脱ぎながら、

「見た目も洗練された制服ですが、戦闘用のベストがありましてそのベストを装着しますと以前使っていた防具より防御力があるそうです、ですが私達女性騎士の間では制服より、下着の方がありがたいと皆言っていますよ、」

「そう言えばエルルが、主人様の許可があれば公爵家の使用人なら下着を使用人割引で譲ってくれると言っていましたよ、フローラ達のは運動性の良い下着だそうよ、他には身体のラインを美しく見せる下着とか、気になる男性をめろめろにしてしまう下着があるそうですよ、」

「ソフィア、それ本当なの?」

「はい、ですが、主人様の許可が無いと見せる事も出来ないと言われました、」

「ふっ、ふふふっ、」

いきなり不気味に笑い出すマリーに、

「奥様、如何されたのですか?」

「ああ、早く主人とエルルが帰って来ないかしら、帰ってきたら下着を出して貰うわ、いえ下着だけじゃないわね、フローラ達の制服を見ればわかるわ、きっと素敵な洋服もあるはずよ!」

ソフィアとフローラは思った、奥様は鋭い!先日の訓練でエルルに一太刀入れてご褒美に貰ったワンピースは、ソフィアとフローラ達の宝物だ、きっとエルルはもっと可愛い服も沢山持っているのだろう。

「ねえ侍女長、貴女に先日メイド見習いの子の髪の事話したのを覚えてる?貴女の髪も見違えるほど美しくなっているわ、見習いの子に何か聞いたの?」

「そういえば侍女長、私最近侍女長がお風呂に入っている所を見た事がないのですが?」

マリーとソフィアの突っ込みに、

「そうかしら、ただイオが身体を洗う石鹸で髪を洗うと良くないと話していたから、身体を洗う石鹸を使わない様にしているだけよ、」

あからさまに動揺を隠そうとする侍女長を見て、二人は確信する侍女長は何か隠していると。



王宮の正門脇にある貴族専用の通路を通り王宮の中に入る、エルルは小窓から、顔を出して建物を見てはしゃいでいたら、

「エルル!田舎から出て来たお上りさんみたいだぞ、公爵家の使用人として恥ずかしいぞ!」

「良いじゃないかロバート!エルルのこういう所を見ると少し安心するぞ、」

「ロバートさん、僕は田舎者どころか魔の森の奥深くの出身ですよ、お上りさんじゃなく超お上りさんなんですよ!」

「わかった、わかった、もうすぐ着くから準備をしろ、」

「はい、わかりましたロバートさん、」

とエルルは答え鞄を何も無い所から取り出す、

「いつもながら見事な空間魔法だな、どの位の物が入れておけるのだ?」

「ロバート、いくら身内の者でもマナー違反だぞ、」

とアルクがロバートをたしなめると、

「ロバートさん、僕は構いませんが聞かない方が良いですよ、」

と答えるエルルの悪そうな顔を見て、

「わかった、わかったからエルルその顔をやめろ!」

馬車が停まり、馭者のタログが馬車の扉を開けて頭を下げている、

ロバートとエルルは先に馬車から降りて最後にアルクが降りて頭を下げる三人に、

「御苦労、会議が終わるまで待て、」

と言い残し宮殿の中に入って行く、タログが、

「エルル先生この馬車凄いですよ!ほとんど揺れやせん、」

「あんなに揺れちゃ折角治した腰がまた悪くなっちゃうからね、後の二台も改造しておくよ、」

「へい、ありがとうございます先生、ではあっしは馬車留めで待っておりやす、」

と頭を下げて馬車に戻って行った。

「エルルこっちだ、」

とロバートがアルクの入って行った場所とは違う入り口から宮殿に入り、すぐの扉を開けて中に入る、中は寮の食堂程の大きさで長テーブルを囲む様に椅子が並べてあり執事やメイドが座っている、

「ロバートさんお疲れ様です、そちらの子は?」

と手前にいた執事がロバートに聞くと、

「うちの新人執事です、エルル挨拶を、」

「ギルガス公爵家の執事見習いのエルルです、宜しくお願いします、」

と頭を下げるエルルに、座っていた執事やメイドが順番に挨拶を返されたが、いっぺんに挨拶をされても覚えられないよ!

テーブルの上には各自が持ち込んだお菓子が置かれていて、朝ロバートから話を聞いていたエルルは鞄の中から自家製お菓子を取り出しテーブルの上に置くと、ロバートさんがエルルとの打ち合わせ通りに、

「こちらの菓子はエルルの出身地のバレス辺境領の端の村の名物菓子です、良かったら摘んで下さい、」

テーブルの上の他のお菓子と違う珍しい菓子に、やはり最初に、近くに座っていた、確かどっかの男爵家のメイドさんが、

「では、おひとつ頂きますね、」

と一口食べて暫く固まってしまい、エルルが、

「お口に合いませんでしたか?」

と聞くと、メイドさんはぶんぶんと首を振り夢中で食べ、

「ごめんなさい、あまりに美味しくて他のお菓子も頂いて良いかしら、」

「はい、気にいって頂けて良かったです、」

あまりに美味しそうに食べるメイドさんを見て、他のメイドさんや執事さん達もお菓子に手を伸ばし食べて驚いている、

「この様な美味しいお菓子を作る店は王都には無いぞ、美食家の主人に命じられ王都中を巡った私が言うのだから間違いない!辺境領には凄い名物があるのだな!」

ロバートさんと親しげに話していた執事さんが、

「ロバート、なぜ彼女は執事服を着ているのだい?」

ロバートさんは苦笑しながら、

「エルルは男の子だからだよ、」

ロバートさんの言葉に、周りでお菓子を食べていた執事さんやメイドさん達も、少女と思っていたらしく驚いていたけど、何時もの事だから慣れちゃったさ!



王宮の会議室でオーライド聖王国、国王

オラリウス十七世が、

「うむ、ギルドから嘆願の数字の導入については今回も見送りか、学者達は画期的と賞賛しておるのだろ、」

「はい、しかしながら急激な改革は混乱を招くと、王宮にも根強い意見がありまして、」

「わかった!だが引き続き学者達と、数字の導入の反対者達との話し合いを続けさせよ、今日の会議は以上だ!」

ぐぅー、ぐぅー、

「宰相様、宰相様、御前ですぞ!」

御前会議中に宰相が居眠りをしてしまう珍事件に、王は笑いながら、

「我が宰相はいささか疲れているのであろう、アルクよ宰相が起きたら私が笑っていたと伝えるが良い、」

「はい陛下、宰相殿に伝えます、」

王が近衛と共に専用扉から退出をすると、アルクは、

「衛士!衛士を呼べ!」

すぐに部屋の中に宮廷衛士が入って来ると、

「宮廷医師長を大至急呼んでまいれ!あと衛士を私の所に来るように伝えてくれ、」

衛士は一礼すると慌てて部屋を出て行く、

「アルク殿いかがなされた?宰相殿は眠っているだけではないのか?」

「魔法士長殿、私は悪い予感がいたします、」

「アルク殿の予感ですか、貴方の予感が当たる事は王宮中誰もが知っている事、いざという時は私も力を貸そう、」

「ノウラス殿、ありがとうございます、私は少し外します医師長がみえたら宰相を診てもらっって下さい、すぐに戻ります!」

と言ってアルクは会議室を出ると、丁度衛士が走って来て、

「公爵閣下、お呼びでしょうか?」

「ああ、私の所の執事を大至急呼んで来てくれ!二人いるが、黒髪の少女の方だ!私は隣の控え室で待っている、あとこの事は他言無用だ良いな!」

衛士は一礼すると踵を返して廊下を走って行った。


使用人待合室でエルル達がまったり雑談をしている所に宮廷衛士が入って来て、

「ギルガス公爵家の方はおいでか?」

すぐにロバートさんが、

「私ですがなにか?」

「貴方だけか?」

「いえ、こちらの者も当家の者ですが、」

とエルルを指すと衛士は、

「おお、そちらの方公爵閣下がお呼びです、私に付いて参られよ!」

エルルがロバートを見るとロバートは頷き、

「行って来い、」

「はい、ロバートさん行って来ますね、」

と衛士の後に付いて王宮の中に入って行く、衛士に案内された部屋でアルクは衛士に、

「御苦労、この者をここに連れて来た事、他言無用だ下がってくれ!」

アルクの言葉に衛士は一礼して部屋から出て行く、二人になった所で、

「エルル、すまんが厄介事だ、じつわ....」

アルクより話を聞いたエルルは、

「主人様、多分宰相様は私がやらかさないと、お亡くなりになります、ご許可さえ頂ければ直ぐにでも、」

「やはりか、だがエルルの存在は出来るだけ伏せたい、何か良い案はないか?」

エルルは少し考えて、

「では少し強引に、宮廷医師長の弟子として部屋に 飛び込み臨機応変に対応致します、その後この部屋に戻りここから公爵家に転移します、主人様はこちらで待っていて頂けますか?」

「わかった、宰相殿は我が国に必要な人物だ宰相殿を助けてくれ、」

エルルは牛乳瓶の底の様なメガネをかけ、何時もの白衣を羽織り大きめの鞄を抱え、

「では主人様、行って来ます!」

と部屋を出て行った。


宮廷医師長マリノフが会議室に入ると宰相を貴族達が心配そうに囲んでいた、マリノフが、

「状況を教えて下さい、」

と告げると、宮廷魔法士長ノウラスがこれまでの経緯を説明する、話を聞いたマリノフは宰相の所に行き、宰相の脈をとり、耳元で宰相を呼ぶが全く反応が無くマリノフは今までの経験から宰相はこのまま亡くなる事を覚悟する、ノウラスに治癒魔法をかけて貰っても、延命するだけで意識は戻る事は無いだろう、自分の力の無さをマリノフは痛感する、

また自分は何も出来ず助けられないのか!この国に必要なこの宰相を!

その時扉が開き白い服を着てメガネをかけた少女が大きな鞄を抱え、

「師匠!遅れてすいません!鞄を持って来ましたよ!ってあれ、この人大変じゃないですか!師匠に教えて貰った脳の病じゃないですか!早く処置しないと手遅れになっちゃいますよ!先ずこの中で治癒魔法が使える方はいませんか?」

ノウラスが、

「私が治癒魔法を使おう、頭にかければ良いのか?」

「魔法士様、治癒魔法の間違った使い方をしてはいけません、あっ、申し訳ありませんいつも師匠に言われているのでつい、では師匠!今回は私が執刀医として処置させて、頂きますよ師匠!他の皆さんは退室して下さい!師匠も皆さんに退室をお願いして下さい!魔法士様は私の介助をお願いします!」

エルルは一気にまくし立てて、他の貴族に退室して貰い困惑するマリノフをよそに、

机に伏せる宰相に椅子の上のクッションを頭の下にひき、魔法で宰相の髪を一瞬で剃り上げ、何時もの穴あきシーツをかける、マリノフとノウラスはエルルの手際の良さに言葉がかけられ無い、エルルは鞄から手術セットを取り出しいつもの甲高い音がする小さな薄い刃のナイフを宰相の頭の周りに作った無菌結界の中に入れ宰相の頭の皮を切り、そのままとう骸骨も切って行くと、ぶっーっと鮮血が吹き出しエルルの顔と、白衣を赤く染める、

エルルはとう骸骨を丸く切り取り出血が起きた患部をむき出しにして、

「魔法士様、患部がみえますか?この血管が破れている所です、この破れている血管を治癒するイメージで治癒魔法をかけて下さい、」

エルルの言葉に、ノウラスは脂汗をかきながら治癒魔法を行使する、

「魔法士様、集中!もっと集中して血管を修復するイメージで、もっとです!イメージをしっかり持って、こう!そうです!良い感じです!このままとう骸骨の修復も致しましょう、魔力は大丈夫ですか?」

ノウラスは滝の様に出る汗を拭いながら、

「ああ、大丈夫だ骨を継ぐイメージだな?」

「はい、その通りです良い感じです、そのまま周りの骨と同化させるイメージで、オッケーですね、最後に頭皮の治癒を行えば、術式は終了です、患者さんが目を覚ますと、手足の痺れ、麻痺、言葉が上手く話せないと訴えるかも知れませんが、一過性のものですので安心させてあげて下さい、師匠!私血だらけですので洗い流して来ますね、」

エルルはそう告げ部屋を出てアルクの待つ部屋に入る、

アルクはエルルの血に染まった姿を見て驚くが、クリーンの魔法で一瞬で綺麗になったエルルから報告を受け、

「御苦労様だったな、その様子だと盛大にやらかして来たのだろ、」

「はい、一刻の猶予も無かったもので、騒ぎになる前に私は帰宅しても良いですか?あとそのまま今日は早上がりの許可も下さい、」

「わかった、わかった何があったかだけ説明してくれ、終われば転移で早上がりを許可するぞ、おつかれ様エルル!」

エルルは宰相の脳内で起こっていた事を簡潔に説明すると、アルクにぺこりと頭を下げて音も無く転移した。


会議室に残されたマリノフにノウラスはお互いの顔を見て、

「あの弟子は何者だ?まだ少女の様にみえたが正直なところマリノフお前が少女の弟子だと言われた方が納得できる、それにあの少女の魔法を見たか魔法の多重行使だぞ!使っていたほとんどの魔法が私には解らない!この宮廷魔法士長の私がだぞ!しかも私の治癒魔法に干渉してあれでは私が魔法を覚えたての生徒で彼女が魔法の使い方を教える教師の様だった、」

「落ち着いてくれノウラス、私も混乱しているんだ、私は彼女を知らない!」

ノウラスは言葉を発することが出来ない、二人が立ち尽くしている所にアルクが入って来て、

「遅れてすみません、他の貴族の方達に話が大事にならない様口止めするのに時間がかかりました、」

アルクに言葉をかけられ我にかえったマリノフが、

「アルク様、ありがとうございます、宰相閣下の治療は終わりました、これより医務官達に宰相閣下を医務室まで運ばせます、」

「さすがは宮廷医師長殿だ!大事にならず安心いたしました、ノウラス殿ありがとうございます」

「いや、私は何も出来なかった、」

ノウラスはアルクにそう告げると、そのまま一人で部屋を出て行った、ノウラスを見送ったアルクが、

「マリノフ殿何かありましたか?」

「アルク様、済まない私も混乱していて、今私が貴方に話しても多分理解して貰えないだろう、後日報告書を上げます今日の所はこれで、」

マリノフは部屋に入って来た医務官達に指示を出して宰相と共に部屋から出て行った。


エルルは部屋に転移して来て、執事服から私服に着替え食堂へ行くと、

「ありゃあ?エルル様どうされたのです、確か今日は王宮に行かれたと、」

「うん、だけど王宮でやらかしちゃったから、主人様から早上がりさせて貰ったんだよ、で今晩の夕食を手伝っても良い?」

サムは顔を引きつらせながら、

「へい、かまいやせん!メニューを変更しますか?」

エルルはサムが準備していた食材を見て、

「サム、じゃあ今日はチャーハンと唐揚げとスープにしようか、一度作って見せるから後はサムが頑張って!ちゃんと味見はしてあげるからね!後僕はデザートにカキ氷屋さんでもやろうかな、」

エルルが一度作ったチャーハンや唐揚げを食べたサムは、うめえ!うめえ!としか言わずでかい山羊見たいだよ、でもサムって料理の感は抜群なんだよ、サムが作ったチャーハンと唐揚げを食べたけど、自分が作った物と殆ど変わらなかったよ!

サムの料理にお腹の膨れたエルルは、食堂の隅に前世のテキ屋の屋台を作り、カキ氷屋さんの準備をした。


公爵屋敷のエントランスでマリーと、侍女長マチルダにソフィアが、中々帰って来ないエルル達を今か、今かと待っていた。




ありがとうございました。

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