表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/62

採用試験を受けました。

新作を始めました、良かったら読んでみて下さい、よろしくお願い致します。


第一話 面接を受けました


ありがとうございましたと、青年が、お辞儀をしながら、扉から出て来る、直ぐに扉の向こうより、

「次の方お入り下さい、」

と、声がかかる、ここは王都にある総合ギルド庁舎の一室、扉の横にはギルガス公爵家使用人採用面接会場と、書かれている。

廊下の長椅子に座っていた青年が、立ち上がりドアを開け一礼して部屋の中に入って行った。

室内に入り、目線を上げると窓際のテーブルの向こうに、笑顔で微笑む髪の毛に少し白髪の入った細身の初老の紳士と、髪をぴっちり七三分けにして銀縁眼鏡の奥から鋭い視線を向ける男性、二人の隣に少しふくよかな女性が座っていて、この女性も、初老の紳士の様に微笑んでいる、

「公爵家使用人採用試験にようこそ、先ずは出身と、お名前を聞かせて下さい、」

と、鋭い視線の男が視線とは他所に丁寧な口調で問いかけてくる、

「はい、バレス辺境領より参りました、エルル、エルル-ルコルと申します、本日はよろしくお願い致します、」

と、もう一度頭をさげる、

「はい、ルコルさんですね、お掛け下さい、」

「はい、ありがとうございます、」

エルルと名乗った、この国では珍しい黒髪黒目の歳の割には、未だ少年いや、少女と言って良いほど幼く見え、中性的な容姿をしている、また辺境の更に奥から出て来た割には、とても仕立ての良い上品な服装を着ていた、

椅子に座ったエルルに、

「それではルコルさん、貴方を当家へと、推薦された方の書状を提出して頂けますか、」

エルルはカバンの中より、封書を出し、よろしくお願いしますと、テーブルの上におく、

置かれた封書の裏を見て男は一瞬目を見開く、が直ぐにテーブルの上に置き、

「推薦状は後程確認させて頂きます、では、ルコルさん、ルコルさんの出来る事をお話し下さい、と、言われても難しいですね、貴方が採用試験に合格すれば執事見習いとなります、当家の執事には、高い教養、品のある立ち居振る舞い、あと、主人をお守りする戦闘力が必要となりますが、」

問いかけられたエルルは、にっこり笑顔で、

「幼少の頃より、祖父母には、器用と言われて参りました、どのような事にも対応出来ると、思います、」

エルルの受け答えに、鋭い視線の男の目が、すっと細められる、

「ほおう、ではルコルさん、公爵家の方が急な病や、怪我をなされた場合は、如何しますか?」

「はい、医術の心得もございますが、高位神官様の様な、治癒魔法を行使することも出来ます、」

エルルの返答に、男は目を閉じ、暫くして、大きく息を吐いて、

「ルコルさん、貴方は多分嘘などおっしゃって無いのでしょう、先程の事など共にに働き出せば直ぐにわかる事、ルコルさん、何故当家なのですか?より良い待遇の働き口も有ると思いますが、」

エルルは目を輝かせながら、言いました、

「私は幼少の頃より、大きなお屋敷の執事になる事が、夢だったのです!」



・・・・

「ふうー、如何でしたか執事長、侍女長、」

先程まで微笑んでいた初老の男と、女は今は笑みも消え、

「メイド見習いは用選考ですね、執事長、ロバート」

と、侍女長が告げる、執事長は頷き、ロバート、呼ばれた男は、

「見込みが有った者で、戦闘試験を行いましょう、冒険者ギルドの訓練所が抑えてあります、」

「執事見習いはなぁ、ロバート、ルコルの推薦状を見せてくれ、」

ロバートより手渡された推薦状を見て、執事長も驚く、

封蝋が我が家、公爵家の物だからだ、執事長は封蝋をとき、推薦状を確認すると、先代様から、

エルルは私の執事にする、死にたく無ければ間違っても戦闘試験などするで無いぞ!

エドモンド・フランツ・フォン・ギルガス

と、書かれていた、執事長は、

「先代様の希望では、ルコルは採用だな、しかし、辺境領へ連れて行くのであれば、執事見習いをもう一人か?」

「いえ、ルコルを辺境にでしたら、彼方から変わりの執事を寄越せばよいこと、たとえ公爵家と言えど余剰人員は雇えません、今夜旦那様に相談致します、」

「では、メイドの戦闘試験の会場へ移動いたしましょう、」

との、侍女長の言葉に三人は試験会場をあとにした。



・・・・

オーライド聖王国、王都ヨツバルンのギルガス公爵王都屋敷の一室で重厚な執務机の上に置いてある書類をを持ち上げ、目を通す金髪の髪を全て後ろに流し整った顔立ちに細めの翠の瞳の屋敷の主人、アルク・フランツ・フォン・ギルガスの前で執事長のペレス、侍女長マチルダが、採用になった執事見習いのエルル・ルコル、メイド見習いのイオ・タリスマンの報告をしている、

「うむ、わかった、見習いとは言えこの家の一員となった二人だ、見習いから早く一人前になれるよう面倒をみてやってくれ、、あと父上が執事にしたいと言った者も、見習い期間はこちらで研修させよ、父上がうるさいかもしれんが、そこまで執着するなら、私も近くに置いて見てみたい、それ程優秀な者か?」

「まだ何とも言えませんが、推薦されたのは先代様でございます、御隠居様はルコルを名前呼びしている事から、面識があるのでは無いかと思われます、」

「で見習い達はどうしておる?」

「はい、先程使用人部屋に案内した所です、明日より、それぞれ先輩執事、メイドにつき研修をさせます、主人様には、ひと通り教え終わった後にご挨拶させて頂きます。」

「よし、わかった、父上のお気に入り、早く合ってみたいものだ、」

と、と持っていた書類を机の上にに置き、アルクは椅子に深くもたれかかった。



・・・・・

「ここが公爵家の使用人部屋になる、こっちが、ルコル、あちらがタリスマンだ、とりあえずあと、廊下の奥に使用人用トイレと、風呂があるが風呂の使用時間などの説明は明日させてもらう、今日はもう遅いので悪いが風呂の利用は明日からで我慢してくれ、あと明日朝礼で皆に紹介する、日の出前にそこの使用人食堂に集合する事、制服は各自部屋に用意してあるが、大きさが合わない時は朝報告してくれ、あと、私は執事長補佐のロバート・グリア、ロバートと呼びなさい、質問は?」

エルルとイオの二人が、

「ありません、ロバートさん」

と答えると、ロバートは頷き

「では明日、私の部屋は奥から三つ目の部屋だ、何かあれば来なさい、ではお休み、明日遅れるなよ、」

と、ロバートは言葉を残し自身の部屋に帰っていく、

「あの、」

声を掛けられたエルルは振り向くと、長い銀髪を片側に纏めた碧眼の女の子がペコリと頭を下げ、

「イオ・タリスマンです、よ、よろしくお願いします、」

「エルル・ルコルです、同期の同僚だから、エルルと呼んで下さいね、」

と、エルルが微笑むと、イオは少し赤くなりながら、

「わかりました、エルルさん、私の事もイオと呼んで下さい、」

「はい、イオさん、では私はトイレにいってきます、おやすみなさい、イオさん、」

「おやすみなさい、エルルさん、」

エルルはイオが部屋に入って行くのを見ながら廊下の先のトイレに向かうと入り口に、男性用と、書かれている扉を見つけ一応ノックをして、応答がないのを確認して中に入ってエルルは絶句する、酷いアンモニア臭に思わず鼻をつまみ、三つの個室の中を確認すると、汲み取り式のボットン便所で、個室の中は長方形に穴が空いているだけで、唯一穴の前方に木の板が貼ってある、

エルルは思った、ダメだ、ここでようを達することはできない!無理!絶対無理!

まずは部屋全体の汚れを消す、自慢のオリジナル魔法のクリーンをかけて、一気に汚れと、匂いが無くなり、トイレが綺麗になっていく、

自分がこれから毎日使う所だ、この際とことん改装してしまえ!まず三つある個室の二つに簡易水洗便器を取り付ける、取り付けるといっても、自作の水洗便器をアイテムボックスから出し土魔法を併用して左官作業を行い設置、一番奥の個室は簡易水洗便座を取り付ける、

これでよし、ついでににコンクリートの打ちっぱなしの様な床や壁に、なんちゃって大理石を薄く貼り個室の扉も落ち着いたベージュに塗り替え、全ての個室の壁に便器と便座の使い方を絵と言葉で描いておく、至れり尽くせりの仕様だ、最後に入り口の横に化粧台を作りこれ又アイテムボックスから、大きめの一枚鏡を壁に貼り付けて、よし!完成我ながら良い仕事をしたぞ、さて、事後報告になるがロバートさんの部屋に行くか、


コン、コン、

「夜分遅くにすみません、ルコルです、」

と、言葉をかけると、中から微かに音がして、扉が開く、ロバートが部屋から顔を出し、

「ルコルか、何かあったか?」

エルルは思わず、

「ロバートさん!僕はあの御手洗では、ようを達す事が出来ません!御手洗を改装させて頂きます!絶対!三つの個室の内一つは私の実家の御手洗と同じ型にさせて頂きます!絶対!ロバートさんが駄目だと言っても僕は直ぐに改装しますから!絶対!」

エルルは一気にまくし立て、ふん!っと鼻で息をすると、ロバートさんは苦笑いをしながら、

「トイレとお風呂掃除は新人の仕事になりますので構いませんよ、ルコルが綺麗にしてくれたトイレを楽しみにしています!お掃除頑張って!」

と言って部屋のドアを閉めた。


エルルは自分の部屋に入り、部屋を見回す、ベッドと、作り付けの箪笥に小さな机と椅子が置いてあり、あと小窓が付いていた、エルルは直ぐににベッドをアイテムボックスにしまい、自家製低反発マットレス付きベッドと愛用低反発枕を出しベッドメイキングを行う、とりあえずこんな所かな、部屋のカスタマナイズは後日、今日はお風呂に入れないため、オリジナル魔法の体さっぱりクリーンでさっぱりしてと、ちゃんとお気に入りのパジャマに着替え、ベッドに転がってぼんやりしながら思う、

色々あったが何とか公爵家の執事見習いになる事が出来た、明日からが楽しみだ、本当今まで色々あったなぁ、とエルルはこれまでの事を思い出す。



ありがとうございました。

他に投稿させて頂いています、(神様の休日)は、お休みさせて頂いています、申し訳ありません、よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ