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Silver Soul Online~もう一つの物語~  作者: 藍澤 建
一階層・始まりの街
1/89

《1》プロローグ

初めまして、もしくはこんばんは。

森たくわんと申します。

無性にVRMMOを書きたくなったので書いてみました。

本編の【竜国編Ⅱ】を見てからご覧頂いたほうがいろいろとお分かりいただけるかと思います。

 ふと目が覚めると、僕は自分の部屋に居た。


 ……って、自分の部屋?

 僕は目を見開いて周囲をみわたす。

 そこは四~五年前、僕が『日本』にいた頃に一人暮らしで使っていたアパートの一室。

 頭でも打ったのかと頭へと手を当てると、短く切りそろえていた髪は長く伸びており、右腕へと視線を下ろすと、そこには生身(・・)の腕が。


「ど、どうなってんだ……?」


 そう呟いて記憶を呼び起こす。

 僕は数年前に、異世界へと転移した。

 目が覚めたのは、ダンジョンの中だった。

 僕はそのダンジョンからなんとか脱出し、仲間を作りながらも、一年もしないうちに――僕は神にまで上り詰めた。

 まぁ、こうして第三者視点で聞いていると『お前頭おかしいんじゃないか』とでも言われそうだが、事実なのだから仕方ない。

 その後、三年間を修行に費やして――


「そ、そうだ……、僕は確か『竜国』で――」


 瞬間、その映像が脳裏にフラッシュバックした。

 空に浮かぶ気味の悪い巨大な異形。

 そして――ソレに腹部を貫かれた、その男。

 僕はハッと腹へと手を当てるが、けれどもそこには傷跡の一つもなく、僕の思考は更なる困惑の坩堝へと落ちてゆく。


「アレで死んだわけじゃ……ないんだよな? うん、何となくあれで死んだわけじゃない気がする」


 そう、あの後に何かがあった。

 絶対に忘れちゃいけない、この現状に繋がる最も大切な何かがその直後にあって――そして今、僕がここにいる。


「あぁ……もう何が何だか――ッ!」


 やはり何度考えても今には繋がらず、僕はうがーっと頭を掻き毟った。

 記憶が欠如している。明らかに忘れちゃいけない何かを忘れている気がする。そんな違和感が頭の中にへばりついている。

 僕はとりあえず落ち着こうと肺の中の空気を吐き出して――


 ぴろりろりんっ!


「……は?」


 部屋の中に、突如としてそんな音が響き渡った。




 ☆☆☆




 目を見開き、部屋中を見渡した。

 そして数秒、僕はやっとその音の発信源を見つけることが出来た。

 のだが――


 《新しい物語(ニューゲーム)のご案内》


「……に、ニューゲーム……?」


 目の前には一台のパソコンが。

 その青い画面にはただ一言、その言葉が刻まれており、その横には『yes』と書かれたボタンが。

 それを見て硬直すること数秒。


「……yesしか、選択肢ねぇじゃねぇか……」


 僕は悪意しか感じないその画面にはため息をつくと、マウスを動かしてそのボタンをクリックした。

 瞬間、画面が切り替わり、画面にデカデカとその文字が現れる。僕はなんとなくその言葉を声に出して読み――


「Silver Soul Online……だって?」


 悪意しか感じない。

 日本語に訳せば『銀の魂』だろうか。

 僕はため息をつくと、その下にある文章へと目を向ける。


 ──────────────────

 これは全知全能の神が作りしもう一つの世界。

 貴方がたはこれより異世界へと転移する。

 その世界ではNPCは生きている。

 やろうと思えばなんでもできる。

 建国するか? 大量殺人鬼となるか?

 はたまた世界を救う英雄となるか?

 全てはあなたの行動次第。

 さぁ、この先には無限の可能性が広がっている。

 無限の可能性から貴方だけの未来を掴み取れ。

 ───────────────────


「全知全能の神……ねぇ?」


 その言葉には聞き覚えがあった――と言うか知り合いだった。

 そして僕は確信する。


「まぁ、アイツは悪いやつじゃないし、アイツがこのゲームを作ったって言うなら……それなりの理由があるんだろ」


 ――それも、多分僕のことを思ってのことだろうし。


 僕はそう結論づけると笑みを浮かべる。

 視線の先では先ほどの文字列が崩れ去ってゆき、その裏から一つのボタンが現れる。

 ――START。

 相も変わらず選択肢を与えてくれない仕様のようだが、どうせ考えても何もわからないんだ。ならば今はぐだくだ考えてないで、黙ってその考えに乗ってやるさ。



「あんな面白そうな啖呵切ったんだ。期待は裏切ってくれるなよ? ゼウス」



 僕はそう呟いて、そのボタンをクリックした。


《本編の簡単なあらすじ》

異世界へと転移した彼は、困惑こそしたものの日本に未練はあまり無く、異世界で生きることを決める。

目が覚めたそこは巨大なダンジョン。

そのダンジョンから抜け出した彼は仲間を作りながら、徐々に『執行者』という二つ名で知れ渡ってゆく。

そうして一年が経った頃、彼は自分を『最強』と呼ばれる者達と比べて無力さを実感し、三年間を『神王ウラノス』と元人間の『死神カネクラ』の元で修行に費やす。

そうして三年後。

仲間達の再会を約束していた彼だが、その場にはその仲間達は誰一人として来ず、ブチ切れた彼は大陸中を仲間達を探して旅をすることに。

港国、森国、和の国、農国――そして、竜国。

竜国にて全員の仲間達と再会した彼。その後に待っていたのは仲間達の平穏な日々――では、なかった。

突如として襲来したラスボス――混沌。

彼は撃退するべく相対するが、混沌に自らの腹を貫かれる。

自らのステータスが激減し、スキルが幾つか消滅し、彼はかなりの弱体化を強いられる。

それと同時に秘宝クラスの魔道具によって単身、混沌や強大な力を持つ大悪魔達の住まう世界へと送られてしまう。

ステータスの激減した状態で、勝機すら見えない場所に送られた彼は、激戦の末に『開闢』スキルの最終奥義、自らの命を燃やして強さとする『生命の燈』を使用し、混沌を追い詰めるが、決着間際で燃え尽きる。


《戦闘スタイル》

ステータス的には後衛。

自他ともに認める最強の後衛だが、けれどもありとあらゆる武器を使いこなし、前衛としても全世界トップクラスの技術を誇る。

特に暗殺系の能力に長けており、隠蔽、気配遮断の技術は超一級。特に『人を騙す』技術に関しては間違いなく全世界でも最高クラスである。


以上が本編と彼の説明です。

本編未読な方にも楽しめるように書いてみました。

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