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ナイフとフォーク  作者: 市原 蚕
3/3

故郷

「リコ、着いたよ」

ハルが、リコの鞘をずらしながら言った。

「むにゃむにゃ、、、、」

ハルが刃の中のリコを覗くと、リコが眠たそうな顔をして寝ていた。

「着いたの、、、?」

「うん、着いた」






ハル達は、村の中にいた。

村といっても、土を固めただけの道の周りに、木造の質素な家がぽつぽつあるだけだった。

ハルはその中の一つの小さな家の横にバイクを停めていた。

「ここがハルの、、、故郷?」

リコが鞘とナイフの柄の間に顔を覗かせながら言った。

「そうさ、、、」

ハルは玄関の前に立っていた。

そして何も言わず、扉を開けた。

「ノックは?」

「いいの」

家の中には誰もいなかった。それどころか、部屋はぼろぼろだった。

部屋のいたるところに蜘蛛の巣が張られており、机やタンスの表面には埃がたまっていた。

「うわ、、、なんだここ、、、」

リコが、嫌そうな顔をして言った。

「ここがボクの家さ、、、」

「え?」

ハルは部屋の隅に置かれている小さな机に向かった。

そこには、写真があった。小さな写真立てに収められており、その表面は埃まみれだった。

ハルは、表面の埃を指で払った。

そこには、和やかな表情をした男と女と、女に抱かれた赤ん坊が写っていた。

「ボクだ、、、」

ハルはそう呟いて、目を閉じた。

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