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しりとり
「ハルぅーー!しりとり」
「なんだい急に」
しばらくの静寂。
「暇なんだね」
ハルが笑いながら言った。
「リトマス紙」
「試験管!」
しばらくの静寂。
「暇だね」
「うん、、、」
「今向かってるハルの故郷?ってどんなところなの?」
リコが尋ねた。
「うーん。とっても綺麗な場所だよ。でも、、、」
「でも?」
「とっても悲しい場所だ」
「ふーん」
リコはそれっきり、何も言わなくなった。
しばらくして、ハルはバイクを停めて空を見上げた。
太陽が半分雲に隠れていた。
その上空を大きな鷹が横切った。
ハルは真っ黒なヘルメットを被り直して、再びバイクを発進させた。