綺麗な言葉
ぼくの言葉に 力がない
今日の現実を生きる人々に
なんの役にもたたない
ぼくの書き連ねる
ただ綺麗なだけの言葉
それじゃ誰の飢えも 満たすことができない
書き連ねども 書き連ねども
ただ雑多な散文が 増えてゆくばかり
それは世界の小さな破片ですら ない
頼りない ぼくの断片
ぼくの詩は 死だ
美とはもっとなにか ちがうはず
美とは 力で あるべきだ
ならば ぼくは 書きましょう
せいいっぱいの きれいごとを
力ある きれいごと
だれかに なにかの 力あたえる きれいごと
そのほうが ずっといい
ぼくは ぼくのからだを
パンのように 少しづつ ちいさくちぎって
それを 言葉に変えて
公園のすずめたちに あたえるように
世界に ばらまき 与えましょう
それで誰かの飢えが 少しでも みたされるなら
本望じゃ ありませんか