ビルの頂上
高い場所だからであろう
風が心持ち強く寒く感じてしまうのは
「ここから飛んだら空を駆け巡れるかな」
たまにいるんだ
空を本気で飛べると妄想する奴が
「やめておけ。真衣は羽が生えてる訳じゃあないんだし、大怪我か死ぬだけだよ」
高さは10階くらいか
「私が死んだら悲しんでくれる?」
言葉に重さを感じた。
「死ぬ気なのか?冗談に聞こえない雰囲気を漂わせているけど」
「私が今まで冗談を言った事がある?」
「ないな。」
そこまで会話が続くと真衣が空虚な前を向け始めた
人の命は短い
むやみに命の無駄遣いをする必要はないんだ。