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FAKERS  作者: 宇津木
彼らは存在を知られてはならない
4/35

~Eの場合~

 

 大変な時代に彼は生まれ、育った。大変だったのは彼だけではなかったが、彼には周りが見えてなかった。家のために、彼は身を粉にして働き、家のために、結婚をした。子どもには恵まれたが、愛情はなかった。

 彼にとって、家とは常磐会だった。常磐会の繁栄こそが、父の願いであり自身の目標だった。

 大変な時代を乗り越え、ようやく、これからようやく、と言った時、彼の病が発覚した。若すぎる死の影に、彼は激怒した。

 何に。それはおそらく、残虐性を持った運命に。

 そして、彼は気が付く。己から比べれば何の苦労もなく笑う息子に。

 健康な身体を持った、若い男の存在に。


 自らが集めた医師に、それを問うた。その手術は可能か?と。

 その男は「可能だ」と応えた。

 だから彼は、医師のためにすべてを準備した。人も、物も。


 そしてそれは成された。他の誰かのためではなく、それはまさしく彼がために。


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