納得行かねェ!
(ん゙ッ、眩しッ)
何やら眩い光が眼の中に入ってきた。
(何だここは、天国か?三途の川か?)
「残念じゃが、三途の川でも、天国でもない」
心を見透かされたように、言葉を紡ぐ老人の声が聞こえてくる。
天国でも三途の川でもない?
(じゃあ地獄か?そんなお天道様にしばかれるようなことした覚えはねェんだが)
少々苛立った様な声で言った。
正直納得いかないのだ。
地獄に堕ちるなど。
「地獄でもありませぬよ」
今度は美しい女の声が聞こえる。
しかし、あいも変わらず姿は見えない。
「天界じゃ。生きとし生けるものが必ず訪れる場所、そして、次の運命を決める場所じゃ。」
運命を決める、そう軽々しいものなのだろうか?
(正直、信用ならねェ、証拠を出してもらえねェとな)
「ふむ、最もな正論じゃ。じゃがのう…そもそもここに生けるものが来たのが初めての事例なのじゃ」
初めての事例。
その言葉を聞いたとき、俺は少々残念そうな声音で言った。
(そうか、ここはただの俺の幻覚なんだな。がっかりしたよ。もう一回新しい命をもらえると思ったのに)
俺はさっさと次のステージに行きたいのだ。
油売ってる時間はない。
となれば、早く目覚めよう。
「残念じゃが、お主はすでに死んでる」
(…はァ、まだ言うか?俺は生きてて、ここは俺の幻覚、それで十分だ)
「証拠ならあったぞ?」
(…あァ?)
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
(証拠がある?じゃあさっさと見せてもらおうか)
「ほれ」
老人の声と同時に、ある映像が見えた。
葬式だ。
誰の葬式かって?
(…俺の、葬式か)
確かに、これは証拠になる。
なんてったって、俺の葬式が見えるのだ。
つまり、俺は死んだあとで、こいつらは本当に…
(神様、合ってるだろ?)
「正解じゃ」
パン、とクラッカーを鳴らす音が聞こえた。
愉快な神様だぜ。
(じゃ、さっさと新しい命をくれよ)
「そうじゃの。次のお主が生まれる場所は…魔物が存在する世界、そこの英雄の血筋に生まれる、と」
(…はァ!?)
ふざけてるのかこのクソジジイ。
俺は確かにまともな人生を送りたいと言った。
しかし、富やら名声やらが欲しいわけじゃない。
あくまで常識の範囲内でそういう人生を送りたいのだ。
英雄やら勇者やらになりたいわけじゃない。
(取り消せ。俺はそんな人生送りたくない)
「悪いが、一度決定したものは取り消せないのじゃよ…」
「残念ですが、そういう人生を送ってください」
ジジイと女が同時に言う。
お前らは見てるだけだから良いよな。
そうか。良いこと思いついた。
(なぁ、後継者っているか?)
「ん?まァ孫まではおるが…それがどうした。」
丁度いいな。
こいつらがいなくなってもなんとかなるってわけだ。
(じゃ、そこに続く道を作ってくれ。それと最後に…あんたらの姿を見せてくれよ)
「ふむ、まァ特別じゃぞ?」
「まぁ、良いではないですか」
ゲートのようなものと、神々が姿を表した。
ジジイは意外と筋骨隆々の大男、強者のオーラがひしひしと伝わり、手には雷を持ち、天の羽衣を身にまとっている、髪色は白いが、それでも若い頃の強さがわかる。ローマ神話のような格好をしている。上半身はほぼ裸で、下半身はトガを纏っている。
逆に、女は予想通りの美女、腕や体は細く、まさにボンキュボンって感じだ。髪色は黒色で、ジジイとは違い、なんでか巫女服のような格好をしている。
まぁ、そんなのはどうでもいい。
(じゃ、行くか!)
「「はい?」」
俺は有無を言わせず、二人をゲートに突き飛ばしたのち、仕方なく俺も入った。
ようこそ世界。そしてさよなら。俺の平凡な人生。
どうもどうもこんにちは。
上空です。
いやはや、全くやる気が出ませんね。()
まぁ、次からはもっとキャラクターを増やせるように頑張ります。
それでは。