桔梗
桔梗です。
志まだ 半ばにして都会を追われても
負け戦にうなだれた背中をするんじゃねえよ
もう一度 胸をはって ただいまと声を出せ
ひらいたてのひらと あたたかい笑顔で
ふるさとはむかえてくれるはずたから
錦を飾ることはできなくても
ちいさな花くらい 持ち帰ることならできるだろうさ
青い星 咲かせたその一輪は
帰郷の夜空を彩ってくれるあかり
愚かな夢 ずたぼろにして 革靴 脱いだけど
未練なんか まるまった背中に負うんじゃねえよ
もう一度 肚 割って ただいまの声 しぼれ
かえしたてのひらと 青ざめた真顔を
ふるさとに向けなどするな もう二度と
男をあげることは難しいもの
ちいさな花だけが おまえの涙まで知っているのさ
青い星またたく その一輪は
帰郷の夜空にほんのりと灯をともした