MDvsKFC闘争勃発2
白髪頭の老紳士の拳が戦慄く。込み上げてくる怒りが、彼を刺激した。
「おのれ……。ドナルド」
全身を白い三つ揃いで決めた老紳士の目が、カッと見開き、あることを決意させた。静かにかつ低い声を響かせてゆく。
「お前たち、軍に要請してメルカバとレオポルド、そしてF15とF22をありったけ用意して来い」
それを聞いたマフィア(カーネルの配下)たちは、驚愕した。あるひとりが発言をする。
「ボス。それらを投入した場合、市街地戦となりますが……」
「構わん」断言。
老紳士の目は緩やかに歪み口元には笑みをたたえていたが、その実はこめかみに青筋を浮かせて眼は血走っていた。笑ってなどはいなかったのだ。表情筋は笑顔を作っているのだが、心の奥にたぎる怒りは並々ならぬ炎が燃えていた。
そのままの貌で、老紳士は言葉と一緒に怒りを吐き出してゆく。
「街が破壊されようがどうなったって構わん。儂はあの赤アフロ頭の道化師野郎が許せんのだよ……。ことごとく儂の行く道行く道を邪魔しおってからに……。―――以前、道頓堀川にこの儂を突き落としたのも、あのドナルドだ。人の商売に土足で踏みにじるなどとは断じて許さんぞ。道化師野郎を消す為ならば、多少の犠牲くらい何とも思わぬ。例え街そのものが無くなろうとな……」
そして、腕を前に伸ばして杖を突き出した。
「お前たち! あのドナルドに我々ケンタッキーの真髄を教えてやれ! そして道化師野郎の肉の一片……いいや、細胞ひとつひとつに恐怖を染み込ませてこいっ! 永遠に拭えぬ恐怖をな!」
「おお!!」
部下たちが一斉に雄叫びをあげた。
レッツ フライドチキン!