MDvsKFC闘争勃発1
「GO! アクティーブ!」
ドナルドが拳を振り上げて、爽やかに叫んだ。
次は、手でひさしを作って左右を見渡す動作をし始めた。
「遠くを見てー。友達さがすよー。見つけたよー」
そして正面を向く。
アサルトライフルを構えて、次々と撃ってくるマフィアたち。それに対抗するかのように、ドナルドは両手に何か持った後に交互に二回づつ投げた。
「ハンバーガー、四個分」
アンダースローから投擲された、そのハンバーガーがマフィアたちの手前と中にそれぞれ落下した直後。
爆発した。
大きな赤黒い煙りの塊を噴き上げて、男たちを吹き飛ばしたのだ。
「これか? これか? これかぁ?」
赤アフロ頭は遠慮なしに、どんどんハンバーガー爆弾を投げつけてゆく。そして、それと共に路上は悪性の腫瘍の如き爆炎をひっきりなしに形成していった。無情に吹き飛ばされてゆくマフィアたち。男たちの怒りと悲鳴が上がっていく。
ドナルドはお構いなし。
「こっちの方がイイかな?」
お次は、赤い物を放り投げた。
それは、リンゴ。
赤々とよく熟れた林檎。
それの落下の瞬間まで、マフィアたちの眼にはスローモーションに見えた。
ドウンッ
爆発と共に、その煙りはまるで巨大なミルククラウンを思わせた。灰色の煙りが、中央に丸い塊を作り、それを取り囲む煙りは王冠を形成する。
見事に決まったのが嬉しかったらしく、ドナルドはぴょんぴょんと跳ねながら拳を交互に突き上げていた。
「はっはっはっはっはっはっ……。やった。イェイ、イェイ、やった」
「ドナルドは嬉しくなると、つーいやっちゃうんだ」