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リバース・イン・道頓堀川
大阪府大阪市。
道頓堀川。
黒い水面が突然にブクブクと泡を吹き始めた。
その泡も段々と大きさと速さを増してゆき、沸騰したかのような激しさが加わって、それも最高潮にまで達したかと思われた瞬間。
破け飛んで飛沫を撒き散らした。
そして、白く大きな影が橋の上に降り立ったのだ。
その影は壁の如く巨体で厚い。
しかし、白の三つ揃いでお洒落に決めて紳士的な微笑みを浮かばせていた。シルバーに輝く頭髪は七三に分けており、口髭と顎髭も同じくシルバー。黒縁眼鏡も高そうな品だ。
そして、杖を突いて立つ姿は、まさに老紳士。
その優しい笑みの中に、様々に蠢くどす黒い負の感情が窺いしれた。
白髪頭の老紳士の口が開くと、低いが確かな響きを持った声でこう云ったのだ。
「人間どもめ。カーネルの真髄を教えてあげよう……」
レッツ フライドチキン!
ドナルドって、しゃべれるんだー。
「そうさ。ドナルドはおしゃべりがとっても大好きなんだ。今度、ドナルドとおしゃべりしようね」