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MDvsKFC 最終決戦!!



 闇夜の支配する丑三つ時。

 静寂な黒い世界に立つ、男が二人。ひとりは赤いアフロ頭の白塗りの道化師、ドナルド=マクドナルド。そして、あとひとりは、巨大なる白き老紳士、カーネルサンダース。

 戦闘の舞台は、外人墓地。

 男二人は、静かに視線による火花を散らしてゆく。

 カーネルが杖を両手で掴んで構えた。

「ドナルド君、やはりこれは、直々にこの私の手で始末せねばなるまい」

「もちろんさ」爽やか満点。

「さあ……。いつでも来てもよろしいぞ、ドナルド君」

「もちろんさ」

 スマイル、0¥。

 手加減プライスレス。


 刹那。横に走った銀色の閃光とともに、ドナルドは跳躍して、後方に着地。

 それは、カーネルが杖から引き抜いた仕込み刀が狂気の光りを放ち、墓石を斜めに割いたと同時に、ドナルドの躰から紅白の縞の左腕がボトリと落ちた。だが、四肢のひとつを失ったこの当の道化師は、傷口を押さえつけながらも顔色を全く変えることなく微笑んでいる。それと、奇妙な事に、その赤い肉の断面からは、一滴も血を滴らせていなかったのだ。

 だがそのような姿に気にも止めず、カーネルが更に抜刀するも、白塗りの道化師は間一髪で開脚して地に伏せた。そして、この隙を狙ったドナルドが口の端を歪めた瞬間。一気に地を蹴って垂直に跳躍をして、身を捻りながら爪先をカーネルの顎と腹に差し込んで、その巨体を宙に浮かばせてゆく。

「自然に体が動いちゃうんだ」

 フッハッ、フッハッ! と爪先を数発お見舞いしたのちに、老紳士から距離を置いて着地。ドナルドの蹴りを喰らいながらも、片膝を突いて堪えたカーネルは杖を頼りに身を起こしてゆき、抜刀の構えを取る。

「では、ドナルド君。君に、ケンタッキーの真髄を見せてあげよう」

「楽しみだなぁ」

「――――と、云いたいところだが。今回は、私は戦力を大いに失った。そのかわり、君から腕を一本奪えたということで五分と五分だ。良しとしないかね。如何かな?」

「もちろんさ」

「何せ、お互いに経営者だ」

「もちろんさ」

「ということだ。今回、私から一方的に仕掛けたが、更に何か戴いて一旦身を引こうか。何がよろしいかね、ドナルド君」

「ハンバーガーが、四個分くらいかな」


 戦果、ハンバーガー四個分。

 休戦、プライスレス。



『ドナルド の うわさ』完結




最後まで、このような書き物にお付き合いしていただきまして、大変ありがとうございました。

変な物を見せつけてしまい、なんだか申し訳ありません。


このような書き物に対して、最後までお読みしていただいた読者様の方々へ感謝しております。本当に、ありがとうございました。

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