MDvsKFC闘争勃発5:降臨!ヴェルタース魔王の巻!!
ヴェルォーリ
ヴェルォーリ
ヴェルォーリ
ヴェルォーリ
ヴェルォーリ
ヴェルタース・オリジナルと、いう意味らしい。「ベロリ」とも聞き取れる。
ヴェルタース魔王、ここに降臨。
革のソファーに腰掛けたまま、Vネックセーター姿の老紳士が宙に浮いて車道を走ってゆく。そして、彼の回りをまるで小型衛星のようにぐるぐると何周もしている、マッシュルームカットの“孫”がいた。この二人組みは、眼から青白い眩い光線を絶え間なく発射していき、次々と建物の破壊に通行人を消失させていく。
「私はヴェルタース・オリジナル。私は特別な存在なのです。―――そして、この可愛い“孫”も特別な存在なのです。解りましたか、人間ども」
破壊の限りを楽しそうに続けていた二人組みの前に、車道で堂々として子供たちとフリスビーをしながら戯れている、黄色い繋ぎ服姿の道化師がいたではないか。そんなこと知ったことではないと、ヴェルタース魔王と“孫”が共に破壊光線を発して、道化師の周りにいた子供たちを一瞬にして消し去ったのだ。
魔王が余裕のひと言。
「ドナルド君、君はここが車道だと知って浜辺で戯れるような事をしていたのかね」
「もちろんさ」
スマイル、0¥。
爽やか、プライスレス。
その瞬間、ドナルドは爽やか満点の笑顔のままで、フリスビーを魔王めがけて投げ飛ばした。すると、それは魔王をすり抜けて、周りを回っていた“孫”の首をはねたのだ。同時に宙へと跳ね上がったドナルドがフリスビーをキャッチするなりに、三回転スピンを決めて着地。十点満点です。転がった“孫”の首は、ヴェルタース魔王の足下に立って、彼を見上げるかたちとなったのである。
ドナルド・マジック!!
「ドナルド君、今日のところはお互いに引き分けとしよう」
「んーーー」
「ハンバーガーは四個買っていってあげよう。これでどうかね」
「もちろんさ」