1.プロローグ
窓から降り注ぐ明るい光に、私は目を覚ます。
ベットから起き上がり、窓から外を見てみる。
私の新しい出発の日を祝うかように、雲ひとつない晴天。
「うーん!」
伸びをして身体を伸ばす。
そして、両手で頬をパチパチと叩いて気合を入れる。
時間にはまだ余裕はあるけれど…
私はベットから降りて、新しい制服に手を通す。
鏡の前に座り、どんな髪型にしようかと思案する。
今までは、肩まである黒髪をキッチリと二つに分けて三つ編みしてたけど…
今までとは違い、知っている人のいない世界にせっかく飛び込むのだから
今までと同じでは仕方がない。
ちょっと悩んだ末に、ハーフアップにしてみる。
そして黒ゴムで結んでいたけど、制服のチェックスカートと同じ赤色のリボンを結んでみる。
さらに、眼鏡ではなくコンタクトデビュー。
本当はお化粧もしたいけど、そこまで派手にして初日から目を付けられたくないし。
校則違反で捕まっても嫌だし。
ビューラーでまつげをくるん!として、色付きリップだけのおしゃれで止めておく。
かばんを持って、姿見の前で一回転。
うん、私いい感じ!!!
*****
階段をトントンと降りていけば朝ごはんの匂いがしてきた。
「おはよう!!」
元気よく挨拶すれば、
「おはよう」
とパパとママが返してくれる。
「今日は入学式だけど、すっかり準備は出来ているようね。ごはん食べて片づけたら出発するからね。」
「はーい!」
私は返事をして、テーブルに着いて朝ごはんを食べ始める。
朝ごはんは一日の始まりで一番大事だからね。
しかも、入学式の最中にお腹が鳴っても困るし・・・。
*****
入学式に間に合うように、家を出て電車を乗り継いで行く。
家からはちょっと遠いけど、中学までの知り合いのいない学校が良くて遠くを選んでみた。
受験勉強は大変だったけど、希望していた高校へ無事に合格出来て嬉しくて仕方がない。
新しい友人を作って、充実した高校ライフを送りたい。
そのための高校デビュー初日。
期待に胸を膨らませて校門をくぐり、クラスを確認して教室へ急ぐ。
パパとママは、直接入学式会場へ向かって行った。