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決意

「ねぇ、いいでしょ?」


「おいおい、そんなにがっつくなよ」


雪菜の白い肌にイケメン男子の腕が伸びる。


「私、もう我慢出来ないの」


そう言って雪菜が白いワンピースを脱ぎ始める。


「ったく、しょうがねぇな」


イケメンの方もズボンに手をかけて脱ぎかけている。



やめろ。


「やめろォ!」


俺は叫びながらは自分の家のベッドの上で目覚めた。

今は夏休み中で8月の末だ。

だから当たり前にクーラーはつけて寝ていたが全身が汗でびちゃびちゃになっていた。



ベッドの横で充電していたスマートフォンのディスプレイを見る。

時間は深夜2時頃。

もちろん外は真っ暗だ。


「・・・はぁ、最悪だ」


目覚めは最悪。

よりにもよってあんな夢を見るなんて・・・



だがその悪夢があの出来事が現実であったことを突きつけてくる。


「クソ!」


誰に言うわけでもなく1人で悪態をつく。



ベッドから降りて汗でびちゃびちゃのシャツを脱ぐ。

今更お風呂に入り直す気力なんて無い。

だから手短に服だけを着替える。



あの現場を見てから雪菜には連絡していない。

時々雪菜から連絡は来るができるだけ話したくないので適当に流している。



なんか最近冷たくない?

なんて連絡が来た時はスマートフォンをベッドに投げつけてしまった。

冷たくなるのは当たり前だろ。

あんなの見せられたんだから。



着替え終わりもう一度ベッドに横になって目を閉じる。


・・・・・・・・・


だめだ。

一向に眠たくならない。

どうやら完全に目が覚めてしまったようだ。



もう一度スマートフォンのディスプレイに目を向ける。

時刻は2時30分。

まだ30分しか経っていなかったようだ。



俺としてはもう一度寝直して夢のことなど綺麗さっぱり忘れてしまいたかったのだが、そう上手くはいかないらしい。

憂鬱な気分のままスマートフォンをいじくる。

何気なしにトークアプリを開くと雪菜の名前が目に入った。



何気なしに、とはもう言えないがその名前をタップする。

そして画面を下にスワイプ。

ディスプレイに写っている会話の内容がどんどん遡っていく。



俺は会話の内容を読み直した。


『これから委員会よろしくね!』


『よろしく』


この時は全く話したことが無かったし、委員会の連絡というだけで連絡先を交換していた。



そこから少しは業務連絡のような会話が続いている。

ある時から突然俺が世間話をするようになった。

明らかに好意がダダ漏れである。



結構会話が続いている。

あの時は楽しさと不安が入り交じっていたな・・・

会話が続くことに楽しさを覚えている反面、会話がつまらなくないかと何度も読み返していた。



また下にスワイプする。


『その、改めてこれからよろしくね?』


『あぁ、こっちこそよろしく』


そうだ。思い出した。

この日、俺は屋上に雪菜を呼び出して告白をしたんだ。

絶対に無理だと思いながら告白したため、了承された時は本当に飛び回るほどに嬉しかった。



また少しスワイプする。

そこからはどうでもいいことで深夜まで会話したり、どこに行くかという予定などが沢山書いてあった。



横たわっていたベッドが水で濡れた。

また泣いてしまった。

もうあの時に涙は枯らしたはずなのに。

どうして、どうして涙が止まらないんだ?



あの楽しかった思い出たちも全て過去の物。

もうこれからあんな時間は訪れることはない。

あんなに愛らしかった雪菜の顔も今頭に浮かべると憎しみしか湧いてこない。



もう戻れない。

だったら俺だけが悲しい思いをするなんておかしい。

俺を打ち砕いたあの2人にもこれ以上の苦痛を与えてやる。

そうでなければ気が晴れない。



ふつふつと怒りを抱きながら朝まで眠ることは出来なかった。

今日はもう1話投稿しようかと思っています!

20時頃の投稿を予定していますので良ければ見に来てください!

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