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2人の末路

2人のその後が見たいという声が何件かあったので追加します!

これで本当に終わりです!

後日談、と言うか志摩と雪菜のその後の話を少しだけしようと思う。



俺たちは結局付き合うことになった。

その事実に俺は飛び回るほどに嬉しくなったし、絶対に矢田義を手放さないと決意した。



このまま2人でハッピーエンドを迎える。

そう思っていた。

だが現実はそんなに甘くは無かったらしい。



ある日、俺と矢田義が学校の屋上でご飯を食べていると雪菜が近寄ってきた。

今更なんだ?

そんな俺の疑問はすぐに雪菜が答えてくれた。


「花登、私気づいたの。本当にあなたが好きだったって。だから私とやり直してください!」


俺と矢田義は顔を見合わせた。

そして俺は雪菜の目を真っ直ぐに見据えて口を開いた。


「なぁ雪菜、二度と俺に話しかけてくるなって言ったよな?」


雪菜が口ごもる。


「俺はもうお前とはやり直すつもりもないし、やり直せない」


「・・・え?やり直せないってどういう・・・」


「俺はもうここにいる矢田義と付き合ってるからな」


「え?う、そ。そん、な、嘘だよ!そんなの嘘だ!」


俺が付き合ってるって言ってるんだから嘘なわけないだろ。

そう言おうとした時、矢田義が口を開いた。


「嘘じゃありません!私は須羅浜君とお付き合いさせて頂いてます!だから須羅浜君を取ろうとしないでください!須羅浜君のことを1番愛してるのは私ですから!」


こんな感情的な矢田義は初めて見た。

矢田義の新たな一面をしれて嬉しく思いながら恥ずかしいことを大声で言われた俺は俯いて顔が熱くなるのを自覚していた。


「ち、違うよ!花登のことを1番愛してるのは私だよ!」


矢田義の言葉とは全然違う。

愛している、と言われているとに俺の心は熱くなるどころか逆に冷たくなっていた。


「なぁ、雪菜。もう俺に付きまとうのは辞めてくれないか?もうお前のことなんて好きじゃないんだ。正直に言うと迷惑だ」


少し酷いことを言ったがここまで言わないと雪菜は諦めないだろう。


「そん、な・・・花、と、捨てないで・・・」


顔をぐしゃぐしゃにしながら雪菜が泣いていた。

捨てないで、か。

よく言うな、最初に捨てたのはお前なのに。


「もういいからどっかに行ってくれ」


冷たく突き放す。


「ひぐっ、うぅ、」


雪菜はとぼとぼと猫背になりながら屋上から出ていった。


「・・・」


「・・・」


俺たちはしばらく無言だった。

なんとなく気まずい。


「あの、須羅浜君」


先に沈黙を破ったのは矢田義だった。


「そんなに辛そうな顔をしないでください。私じゃ物足りませんか?」


矢田義が少しだけ寂しそうな顔でそう言ってきた。

何をやっているんだ俺は。

矢田義にこんな顔をさせたかった訳じゃない。

でも実際にさせてしまった。

最低だ。


「そんなわけない!俺は本気で矢田義のことを」


俺の口からは続きの言葉が出てこなかった。

なぜなら矢田義の唇で塞がれてしまったからだ。


「ふふっ、知ってますよ」


彼女は目を細めてニヤリと笑っていた。

あぁ、俺は彼女に敵わない。

きっとこれからも。



少しだけ冷静になった俺たちは顔を合わせられないほどに真っ赤にしていた。


「そ、そろそろ戻るか!」


「そ、そうですね!」


わざとらしく声を張り上げながら俺たちは屋上を後にした。

そこからは普通に午後の授業を受けた。

そして終業のチャイムが鳴り響いた。



俺が帰る準備を済ませて廊下に出ると矢田義が待っていた。


「一緒に帰りましょう。須羅浜君」


「あぁ、帰るか」


彼氏彼女の関係になると一緒に帰るのは当たり前。

そんなふうに思っている人が大半だろう。

だが俺たちは付き合い始めたばかりでそんな何気ない時間でもかけがえのない時間なのだ。



そんな時間を噛み締めようと思いながら廊下を歩いていると前から見覚えのある人影が見えてきた。

あれは・・・はぁ、今日は会いたくないやつによく会うな。

志摩だった。


「み、美優莉!俺が間違ってた!もうあんなこと絶対にしない!だから俺の元に帰ってきてくれ!」


どうやら志摩は矢田義の魅力に魅せられてしまったようだ。


「・・・今更何なんですか?」


これはきっと矢田義自身がケジメをつけなくてはならない問題だろう。

だから俺は口を挟まずに静観する。


「浮気したことは謝る!お詫びに何か好きな物を買うから!」


物で許してもらおうなんて考えが浅はかすぎてもはや笑いすらも出なかった。


「それにそんなやつよりも俺の方が絶対にいいって!」


顎で俺のことをさしながら志摩がそう言った。

イラッとしたが俺のその感情は矢田義が晴らしてくれた。


「私の彼氏を悪く言わないでください!あなたなんかより何倍もかっこいいですから!そもそも初めは罰ゲームで告白してきたんですよね?そんな不誠実な人とは関わりたくないので金輪際私に関わらないでください」


それでは、と言って矢田義は歩き出した。

志摩は膝から崩れ落ちていた。



矢田義がかなりのボリュームで話していたせいか、周りにいた生徒たちがチラチラと見てきていた。



俺たちは帰り道を隣り合わせで歩いていた。


「今日は散々な日でしたね・・・」


「あぁ、そうだな・・・」


俺たちは精神的に疲弊していた。


「・・・1番愛しています」


「!!!や、やめてください!恥ずかしいです!」


その言葉通り、矢田義は顔をリンゴのように真っ赤にしていた。


「めちゃくちゃ嬉しかった。俺も1番愛してるぞ」


「本当にやめてください!」


更に顔を赤くした矢田義が叫ぶようにそう言った。

その声は少し暗くなってきていた空に響いて消えた。





その後、久坂に聞いた話だと2人は浮気していたと言う真実が学校中に広がってコソコソと陰口を言われているそうだ。

そのせいで学校でのいじめに繋がっているとか。



まぁ自業自得だ。



これからも俺の自慢の彼氏になれるように変わり続けていこう。

ここまで読んで頂いてありがとうございました!

これからもちょろちょろと小説を書こうと思いますのでよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >その後、久坂に聞いた話だと2人は浮気していたと言う真実が学校中に広がってコソコソと陰口を言われているそうだ。 言葉としては「真実」よりも「事実」が適切だけど、この使い方では「噂」の…
[一言] リクエストに応えていただいてありがとうございます。次回作も応援します。
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