表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/20

矢田義の奇行

俺が勝利の余韻に浸っていると矢田義が話しかけてきた。


「や、やりましたね!須羅浜君!」


「あぁ!遂にだ!」


普段、俺は落ち着いている方だとは思うのだが今は興奮と達成感、それと快感でテンションが上がってしまっている。



俺たちはお互いに両手を上げてハイタッチをした。

そんな俺たちに声がかけられる。


「なぁ、お前らが浮気してたわけじゃないのか?」


そんなことを聞いてきた名前も知らない男子生徒。


「そんなわけないだろ?俺たちが浮気してたんじゃなくてあいつらが浮気してたんだよ。お前らだってさっき写真見ただろ?」


「あぁ、一応聞いてみただけだ」


なんだそれ。


「それはそれとしてだな」


なんだ?まだなにかあるのか?


「お前らは付き合ってんの?」


こいつ!なんて爆弾落としやがるんだ!


「ばっ!おま!」


「え!!い、いや、その、私たちはそういう関係ではないです・・・はい」


そうだ。

俺が矢田義なんかと釣り合うはずがないんだ。


「へぇ?そうなの?俺結構お似合いだと思うんだけどな」


お前さては良い奴だな?


「そ、そうか?」


「あぁ、まぁどっちかって言うと矢田義さんが一方的に・・・」


「わあぁぁぁ!わあぁぁぁ!」


え?矢田義さん?どうしたの?

ちょっと怖いよ?

え?ほんとなんで叫んでんの?!


「や、矢田義?どうしたんだ?」


「なんでもないです!本当になんでもないです!」


「そ、そうか?」


なんか必死すぎやしませんか?



矢田義が男子生徒をキッと睨みつける。

そんな顔もできるんだ・・・


「わ、悪かったよ。ま、矢田義さん、頑張れよ」


「余計なこと言わないでください!」


矢田義ってこんなに言葉に棘あったっけ?


「あいつ知り合いか?」


「全くの他人です」


なんでそんな人に棘突き刺してんだよ・・・


「じゃ、じゃあなんか気に入らないことでもあったのか?」


「・・・ばか」


なんでぇ?!え、俺にも棘突き刺してくんの?!


「な、なんでぇ・・・」


「知りません!」


俺が呼び止めるより先に矢田義は教室から出ていってしまった。

なんか変だったな。


「お前ぇ、鈍感過ぎだろぉ」


やめろ、言葉の最後を伸ばすな!イライラするだろうが!


「何がだよ」


話しかけてきていたのはさっきの男子生徒だった。


「てかお前誰だよ」


「お前酷くね?クラスメイトの久坂(くさか) 悠陽(ゆうひ)だよ」


「・・・誰だよ」


「・・・そろそろしばくぞ?」


そんなこと言ったって知らんもんは知らん。


「で、ひさか、何の用だ?」


「くさか、だ!はぁ、まあいい。お前ほんとに気づいてないのか?」


「だから何がだって言ってるんだ、田坂」


「うん久坂な?矢田義さんのことだよ」


「矢田義がどうしたんだ?名坂」


「お前絶対わざとやってるだろ?そうなんだろ?」


こいつ面白いな。


「なんというか、矢田義さんも大変だな」


終始真坂の言っていることは意味が分からなかった。

ほんと意味わかんねぇよ。な?八坂。


「まぁ須羅浜も愛想尽かされないように気をつけてろよ」


そう言って木坂は自分の席に戻って行った。

愛想?誰に?

まぁなんでもいいか。



とりあえず今は気分が良い。

あいつらの顔が頭にこびりついて離れていない。

・・・ふふっ

矢田義ちゃん・・・がんばれ!

面白い、もっと読みたいと感じた人は下の5つ星評価、ブックマークをお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 鈍感は程々にしないと嫌われますよ。
[一言] 鈍感な人は、同じ情報を与えられても周りと同じ結論には至れませんからね。 にしても、ここまで匂わされても分からないとは本当に鈍感が過ぎますね……。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ