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12/20

衝撃の事実

夏休みが終わり、いつも通りの学校生活が戻ってくる。

やはり夏休みが終わったばかりで登校している生徒の大半はだるそうに歩いている。


「はーなと!」


ポンっと肩を叩かれて後ろを振り返る。


「雪菜・・・おはよ」


「おはよ!」


そこに居たのは雪菜だった。

正直顔も見たくない。

近くにいるだけで吐き気がするしストレスで髪の毛が抜けそうだ。


こいつよく普通に話しかけてこれるよな。


「って、え?髪切ったの?」


「ん?あぁ、昨日美容院に行ったんだよ」


「それになんだか雰囲気が変わったような・・・かっこいい・・・」


かっこいい?よし!効果てきめんだ!

おっと、矢田義に言われてたことを忘れてた。


「雪菜、髪飾り変えた?」


「おっ、よく気づいたね〜」


雪菜の髪には銀色に光る髪飾りがされていた。


「綺麗な雪菜によく似合ってるよ」


「え!き、綺麗?ど、どうしちゃったの花登!」


顔を赤らめながら雪菜が言う。

・・・前までなら顔を赤らめた雪菜を可愛いと、愛おしいと思っていたのに今はなんとも思わない。

むしろ更に心が冷たくなっていく。


「何が?俺はいつも通りだよ」


須羅浜 花登、冷静を保て。


「そ、そっか。でもいつもよりかっこいいよ」


前までの俺なら飛んで喜んでいたであろう言葉は今の俺には雑音にしか聞こえなかった。



そこからしばらく歩いて学校についた。


「え、あの人かっこよくない?」


「確かに!あんな人居たっけ?」


「なんか爽やかだよね」


「あれ須羅浜じゃね?」


「マジで?!確かに面影があるわ!」


なんだろう。

あちらこちらから視線を感じる。

横を見ると雪菜が誇らしげな顔で居た。


「ふふん!」


「どうしたんだ?」


「いやー?ただ私の彼氏が花登で誇らしいなって思っただけ!」


はっはっはっ!気持ちわりぃな。

何が誇らしいだ。

それなら浮気なんてするはずがないだろう。



下駄箱に向かい、自分の上履きを取り出す。

それを履いて廊下を歩き出す。

上履きと廊下が擦れてキュッキュッと音を立てている。



教室に入ろうと扉に手をかけた時、隣のクラスがかなり騒がしいことに気づいた。

なんだろうと思い少しだけ覗いてみる。


「・・・は?」


そこには美少女が居た。


「え、あれ誰だ?めっちゃ可愛くね?」


「マジでやべぇよ!俺どストライクだわ」


「俺告白しようかな・・・」


「やめとけ!お前ごときが付き合えるはずないだろ!」


みんながそんなふうにコソコソ話している時


「どうしたの美優莉、めちゃくちゃ可愛くなってるじゃん」


「あ、志摩君・・・」


俺は驚きすぎて声が出なかった。


「や、矢田義?」


しまった、声が出てしまった。

そう思った時にはもう遅かった。


「・・・え!す、須羅浜君?!」


「や、やっぱり矢田義だよな?」


「そうです!矢田義 美優莉です!まさか一緒の学校だったなんて!」


いやほんとそれな。

驚きすぎて声出なかったもん。


「え、誰?結構イケメンじゃん」


「いいじゃん、私狙っちゃおうかな」


「だ、誰だあの男!くそ!気安く話しかけやがって!」


またコソコソ話されてるよ・・・

そんな中で1人だけ近寄ってくる人物がいた。


「美優莉?その人誰?」


「あ、志摩君・・・この人は須羅浜 花登君。私の友達だよ」


そう矢田義が言うと


「へぇ・・・君が須羅浜君なんだ」


嫌な笑みを浮かべながら志摩はそう言った。

こいつが浮気相手か・・・

あの時の光景を思い出しただけでも腹が立ってくる。


「俺、志摩(しま) 孝太(こうた)。よろしく」


「・・・あぁ、よろしく」


俺は差し伸べられた手を取って握手した。

握手した後、志摩はどこかへ言ってしまった。


「須羅浜君!なんでこの学校だって言ってくれなかったんですか!」


「なんでって、まさか一緒の学校だとは思わないだろ」


「それはそうですけど・・・」


せっかく矢田義への気持ちを諦めたばっかりだって言うのに、まさかこんなに近くにいたなんて・・・

また気持ちが出てきてしまう。


「あ、矢田義、今日も可愛いぞ」


「かわ!な、何言ってるんですか!」


「だって会ったら褒めろって矢田義が言うから・・・」


「わ、私が言ったのは服を褒めろ、です!」


そうだったっけ?

まぁいいや。

これは紛れもない本心なのだから。



俺たちの会話を聞いていた周りの生徒たちがざわつき始めた。


「え、あいつら付き合ってんの?」


「たしかあいつらそれぞれ付き合ってるやつ居なかった?」


「え、まじ?それって浮気ってこと?」


「うわ、サイテーじゃん」


ふざけるな。

浮気されたのは俺たちの方だ。

自然と拳に込める力が強くなっていく。


「須羅浜君・・・」


「あ、す、すまん」


「なんで謝るんですか。須羅浜君は何も悪くないですよ。悪いのは浮気した彼女さんの方なんですから」


矢田義にもこの声が聞こえているはずなのに俺を励ましてくれている。

違うだろ。

なんで俺が慰められてるんだ。

矢田義だって辛いだろうに。


「もう大丈夫だ」


「そうですか?良かったです」


もう矢田義に心配をかけてはいけない。


「何はともあれ、これからもよろしくな」


「こちらこそお願いします!」


こうして俺たちはまた再会した。

ええ!一緒の学校だったの?!

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― 新着の感想 ―
[一言] 早く別れるなら浮気を突きつけて別れた方がいいと思うけどね あまり長く引っ張る意味が無いと思う 普通ならその間に彼女なんだから食われて終わりでしょ笑
[一言] 主人公が彼女(心の中では元カノ?)に未練たらしく、ウジウジしてなさそうなところが良いですね。 ここで、浮気された者同士がくっつくと、彼らが浮気者扱いになってしまうところが辛いですね。 復讐を…
[一言] >こうして俺たちはまた再開した。 一応、誤字報告はやりましたが、最後の文章でこれは台無しですね。
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