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暗殺術師の異世界秘録  作者: 五輪亮惟
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才能至上主義


 この世界は《才能》が全てだ。《才能》が全てのものをいう。勉強にしても読書にしても会話にしても。そしてもちろん、戦闘すらも。


 この世界の《才能》には2種類ある。

 元々生まれ持った才能である《タレント》に、神様から授けられた才能ギフテッド


 この世界は、才能至上主義だ。

 例えば、《剣術》の才能を持たない奴は、《剣術》の才能がある奴には剣でほぼ勝てない。長年鍛錬し続けようとも、いとも容易くその時間を上回ってしまうのが《才能》だ。そういう風にできている。


 《才能》は絶対的なものだ。

 《筆記》の才能があれば書記官へ、《料理》の才能があれば調理師へ。《魔法》の才能があれば魔術師へ。職業選択の自由すら、才能によって縛られる。それは単純でありながらも、残酷なシステムだ。



 俺には《剣術》と《盾術》の《才能》があった。だから、14になると同時に冒険者となった。村の親友で幼馴染のジェラとベクテル、ドルナ達と一緒に。俺たちなら世界一の冒険者パーティに成れると信じて。


 でも最初の方は、失敗の連続だった。

 雑魚モンスター一体を倒すのにも苦労したし、受けた依頼のほとんどを達成できなかった。冒険者なんか辞めたい、何度もそう思ったけど、その度に仲間が励ましてくれた。


 だから俺は、ここまで来れたんだ。

 俺らが拠点にしてる小さな街の中では、ちょっとした有名人になれた。同業の冒険者仲間にもお褒めの言葉を頂いたし、依頼や討伐時の報奨金の額も大きくなった。


 だから俺らは、新しいことに挑戦してみようと思ったんだ。これまでみたいな弱いモンスターを狩るんじゃなくて、脅威度の高いモンスターの討伐依頼を受けたり、ダンジョンや洞窟を攻略したりした。


 大成功だった。俺たちは一気に名を挙げた。

 誰一人欠けることなく、全員でたくさんの困難を乗り越えることが出来たんだ。世界一の冒険者パーティになる、という目標が、段々と近づいてきたように思えた。



 そしてそんなある時、とある依頼で遠出をしていた時のこと。立ち寄った小さな集落で、1人の少女を見つけた。彼女は俺らと同い年で、早くに両親を失い、身寄りもないなからと酒場の給仕役として働いていた。


 そのときの俺達のパーティは、攻撃兼盾役の俺と魔法による火力担当のジェラ、盗賊役のベクテル、遊撃役のドルナの4人構成だ。俺らは回復・支援役が欲しかった。そこで目を付けたのが、この少女だった。


 《白魔法》の《才能》があったんだ。

 詳細なステータスは分からないが、支援役としての十分な魔力量はあるらしかった。だから俺は、彼女を勧誘した。どうかウチのパーティに入ってくれないかと誘ったんだ。

 俺の必死の説得により、彼女は渋々ながらも了承してくれた。



 彼女の加入により、俺らのパーティの戦力は2倍3倍に膨れ上がった。怪我をすれば即座に回復され、火力が欲しい時は攻撃力上昇の魔法。更には、荷物持ちとしてモンスター討伐時の黒石やドロップ品を回収してくれた。


 2ヶ月ほどして、彼女はパーティの皆と打ち解けたようだった。みな彼女のありがたみを理解し、いつも感謝していた。彼女1人が加入したお陰で、攻略ペースは飛躍的に伸びて更に僕らの名が知れ渡ったのだ。


 俺らはノリノリで、波に乗っていた。まさに順風満帆だった。受けた依頼の全てが楽勝で達成出来たし、モンスター討伐もお手の物。この時俺は、この5人ならばなんでも出来ると思っていた。



 そんな幸せな日が約3ヶ月ほど続いたある日。

 小さな遺跡の調査依頼を受けた俺たちは、地図に従ってその遺跡を目指し歩いていた。なんでも、既に滅亡した王国の財宝が眠っているとかなんとか。冗談半分で受けた依頼だったが、実際にその遺跡を目の前にすると、嘘では無いと思わされた。

 長い年月を経ち雨風に晒されてなお、気品と威厳に満ちていたからだ。俺らはそのオーラに圧倒されていた。


 パーティのみんなと、もし財宝を手に入れられたら何をするか、みたいなどうでもいい雑談を広げながら、俺らは遺跡攻略の準備をしていた。そしていざ遺跡に足を踏み入れようとした、その時。入口で座り込む少年を見つけたんだ。



◆❖◇◇❖◆



「いったたたた……」


 背中がバキバキと痛む。硬い地面で寝転んでたみたいな感覚だ。僕は腰に手をやって、大きく伸びをした。ゴキッゴキッと鈍い音が鳴る。


「ここ、どこ……」


 心の声が漏れたかのように木霊した。

 さっきまで目の前にいた女神様の姿はなく、洞窟のような場所で目覚めたみたいだ。

 そして、その入口付近の壁には何やら奇妙な絵が。日本では見た事ない文字と模様だ。となると外国語か? いやでも、僕の体はもう無いとか言ってたよな。となると、ここは………。


「い、異世界……っ!」


 あの女神様……名前何だっけ、ナントカ様の言うことはやっぱり本当だったんだ。いきなり異世界どうですか、って言われても本心じゃ信じられないもんな。

 疑ってごめん神様。


「君、こんなところで何してるの?」


「え? うわっ!」


 後ろから声を掛けられた。

 誰だろうと振り向くと、そこには絵に書いたような冒険者の格好をしたイケメンが。鉄の胸当てや籠手を身につけた彼は、腰には鞘に収まった剣をぶら下げていた。感動した僕は、自分の目がキラキラと輝いているのを感じた。


「急に声を掛けてごめんね。こんなところで、どうしたの?」


 心配そうに僕の顔を覗き込むイケメン。

 金髪に青い目をしてる。正しくファンタジー世界から出てきた様な風貌だ。

 あ、いや。ここがファンタジー世界だからむしろ僕から飛び込んだみたいな感じか?


「えと、ちょっと、道に迷ってしまって……?」


 女神様から遣わされました。

 というのは無理な言い分なので、口早に適当なことをでっち上げておく。

 僕がそう言うと、彼はうーんと考えるような素振りを見せた。


「どうしようかな………ここに置いておくことは出来ないし………君、何処か帰る場所はある? ここら辺近くの村だと……」


「歩いていくと2時間はかかるよ。1人で帰らせるのは得策じゃないと思う。私の名前はジェラ、コイツはケルスト。貴方の名前は?」


 イケメンの隣にいた女の人が口を開けた。

 僕と同じくらいの歳だ。というかイケメンさんも僕と同じくらい。15前後か?


「もと……じゃない。イストリットです」


「ん、イストリット君ね。そうねぇ………ここはちょっとした遺跡みたいな所なんだけど。私達と一緒に来てみない?」


「ちょっ! ジェラ!」


 イケメンが女の人の話にビックリしてるみたいだが、それはこっちも同じだ。一緒に行く、っていうのは武器とか持ってモンスターを倒してお宝ゲット、てことだよね?


「それは危ないよ! もし何かあったら───」


「───そのために私達がいるんじゃない。別に1人で戦わせるわけじゃないし、職業体験みたいな感じ? どう? 一緒に行かない?」


「い、行きたいですっ! けど、いいんですか? 色々と迷惑を掛けてしまうと思いますし……」


 願ってもない機会だ。僕は食い気味に彼女へお願いした。折角ファンタジー世界に来れたんだ、リスクを恐れて何になる。


「大丈夫。危なくなったら私達が何とかするからさ。ルシェルド、この人に合いそうな武器を渡して」


 彼女がそう言えば、後ろに控えていた少女が大きなバックパックから1振りの剣を取りだした。僕が想像した長剣ではなかったが、片手で扱える大きの、やや太い剣だ。


「あ、ありがとうこざいます……」


 ズシン、と鉄の重さが手にのしかかった。

 人生で初めて本当の剣を持つ。心臓が激しく高鳴った。なんたって子供の頃から夢見続けていたファンタジー世界の象徴だ。


「ま、ソイツが妥当かな。扱いが簡単だから《才能》がなくてもそこそこいい線行けるし。もし何か欲しい武器とかあれば教えてよ。ステータスで確認してさ。それじゃケル、行こっか」


 あ、あぁ……。

 困ったような声を絞り出したケルストさんは、彼女の背中をじっと見てからため息をついた。


「ジェラがごめんな。アイツは昔からああなんだよ。別に悪い奴じゃないんだけどな………。ま、許してやってくれ」


 別に怒ってないし、何なら感謝しているくらいだ。自分からついて行かせてっていうのはちょっと頼みずらかったし。


「い、いえ………大丈夫です」


「そっか、良かったよ。それじゃあ君は俺らの隊列の1番後ろ、ルシェルドの隣にいてくれ。何か気になることとか、分からないこととか会ったら彼女に聞いてみて」


 彼の目線の先には先程剣を渡してくれた少女が。彼女がそのルシェルドさんだな。迷惑をかけるかもしれないから挨拶しとかないと。


「それじゃ、改めて遺跡の攻略を始めよう! みんな命を大切に! 必ず成功させるぞ!」


『おう!』


 ケルストさんの掛け声のもと、遺跡の攻略が開始された。僕は彼らの列の最後を歩いている少女の隣に立つ。パッと見た感じ、武器は装備してないっぽい。非戦闘員なのかな。


「………」


 いや、なんか声掛けずらい。

 ファンタジー世界の、遺跡攻略だもんな。しかも目覚めてからまだ5分も経ってないんだから。妙な緊張感と高揚感がぐちゃまぜになったみたいな、言葉にしずらい心境だ。


「………あ、その。イストリット、です」


「ルシェルドです、よろしく」


 言葉に詰まりながらも自己紹介をした僕とは対照的に、彼女は短いながらも慣れた口調で話した。何を話すべきかを必死に考えながら、どんどんと進む彼らのあとを追う。


「あの、ステータス……ってなんですか?」


「ステータス? もしかして、しらない?」


 ジェラさんが先程言っていたステータスという単語が気になったので、彼女にぶつけてみた。すると、僅かに驚いたような表情で聞き返される。


「恥ずかしながら、そういうものとは全く無縁で、ですね」


 嘘は言っていない。

 転生者であることは隠すべきだと判断した僕は、適当にそれっぽいことを言っておく。日本にはステータスなんて……いや、あるにはあったな。数値化はされなかったけど。


「ステータス、っていうのはわたし達の基本的な情報が記された情報のことだよ。小さく『ステータス』って唱えてみて」


 言う通りに唱えてみると、仰天した。

 目の前に、ゲームのステータス表示のようなウィンドウが現れたのだ。そこには自分の名前や年齢、種族、性別などの個人情報から、レベルや能力値、スキル欄があった。


「そこに、一通りの情報が書いてあるよ。他人からは文字が見えなくなってるから、盗み見される心配もなし。レベルとかスキル欄とかは、こまめにチェックしといた方がいいと思う」


「あ、ありがとうございます。教えていただいて」


「ううん、大丈夫だよ」


 優しいな、この人。

 まるで穢れを知らないような長く真っ白い髪と紫の瞳は、まさにファンタジー小説から飛び出したような見た目だ。日本じゃ純粋な白髪の人はご老人以外中々お目にかかれないからな。めっちゃ美人さんだし、おめ目に優しい。


「ん、暗殺術……?」


 しかし、気になることがある。

 僕のステータスのスキル欄に書かれた文字だ。

 暗殺術と書かれてあった。何やら物騒だが、これは大丈夫なのか? 日本でこんな才能があったらやばい事に巻き込まれちゃう気がするけど。


 この世界では、こういうのがスタンダードなのかな。普通は剣術とか戦鎚術とかじゃないの? あと魔法とかさ。なんで暗殺術?


「あの、この世界ってスキルがとても大切……なんですよね」


「ん? この世界って、他があるのか知らないけど……そうだね。スキルのあるなしでできることが大きく変わるから、大抵は自分のスキルにあった武器とか職業を選ぶかな」


 ほほう。スキルにあった、か。

 ならば僕の場合暗殺者かスパイで、武器は暗器とかか? いやでも暗器ってなんだろ。服の袖に潜めたナイフとかワイヤーとかちっちゃい拳銃とかか? まずこの世界にそういうものはあるのか?


「あと、それぞれのスキルにはスキルツリーっていうのがあってね。そのスキルの中でさらに細かなスキルを手に入れられるんだ」


 ほうほうほう。RPGなんかによくあるシステムだよな、それ。試しに自分の《暗殺術》スキルが表示されたウィンドウを軽くタップしてみた。すると、まさにゲームで見たようなそれがあった。《暗殺術》スキルを大元に、枝分かれしたたくさんのスキルが薄い字で表示されていた。


(薄いヤツはまだ解除されてないってことだよな。んで今出てるのが2つか。えぇっと、《暗殺の才能》と《背撃》か)


 《暗殺の才能》の効果は常時敏捷:中アップ。そして《背撃》の効果は背後からの攻撃:中アップ。前者は所謂パッシブスキルだな。いつでも発動しているようだ。対して後者はアクティブスキル。僕がターゲットに対しての背後からの攻撃力が上がるらしい。


「ありがとうございます、教えてくれて」


「いや、別にいいんだけど……今のスキルについての話は、誰でも知ってるような話だよ? それを本当に知らないなんて……あ、もしかしてどこかの王族とか?」


「いえ、違いますけど………。なんと言うか、ウチの家族はそういうことがあまり好きじゃない、らしくて……?」


 やっぱりこういうスキル体系に関してはかなり初歩的な知識みたいだな。こんなことになるんなら神様に予め教えてもらえばよかった。


「ふーん……あ、みて」


 興味なさげに僕の話に相槌を打つルシェルドさん。と、そんな時に前の列が立ち止まる。

 彼女が指さした先には、ケルストさんやジェラさん達がおり、その間から粘土のような色をした人型のナニかがいた。人間では無いみたいだな。顔が凄いことになってる。


「あれ、クレイボーンっていうモンスターだよ。多分1番数が多い雑魚モンスター。一体だけだと強さは知れてるけど、複数体いたらかなり厄介なんだ」


 彼女はそう言いながら、左手を僕らの前に立ちケルストさん達へ向けた。これ、もしかして魔法? まだなにか変化したことは無いみたいだけど……。


「一体だけだから、ケルくんが簡単に倒してくれると思うけど、念には念を入れてね。もし怪我したら回復しなきゃいけないでしょ?」


「あぁ、ヒーラー的な……」


 彼女の説明に思わず感嘆してしまった。

 僕はRPGゲームにそこまで詳しくないから分からないけど、回復魔法が使える人はアタッカーが怪我した時に即座に復帰させないといけないから、こうやって後ろで構えて待機してるもんなんだな。いやでも、当たり前なのか?


「ん、倒したみたい」


 ケルストさんの剣筋は、美しいの一言だった。

 剣を抜き放ちクレイボーンへ向けたと同時に、ダッシュで距離を詰め間合いに入る。クレイボーンが腕を振り上げた瞬間に、スキが出来た腹に一撃を叩き込んだのだ。

 よろめくクレイボーンに、更なる追撃を仕掛けた。バツ印を描くようにクレイボーンへ斬撃を放つと、最後には腹部へと剣先を向け一気に貫いたのだ。


 そして同時に、断末魔と共に体が解けて灰になるクレイボーン。コトン、と床に黒色の石が落っこちた。あれがドロップアイテムか? よくRPGなんかでも聞くよな。


「すごい……」


「ね。わたしは前線に出て戦う戦闘員じゃないから、彼の本当の凄さは分からないけど、いつも彼の剣術に助けられてるよ」


 ケルストさんが剣を鞘に収めたと同時に、彼らはまた前へと進み出した。そして、先程までクレイボーンがたっていた所を通りすぎたところ。床に落ちた黒い石をルシェルドさんが拾い上げた。


「あれ、ケルストさんは拾わなかったんですか?」


 忘れてたのかね。


「ううん、これがわたしの仕事だから。前線で戦えないわたしは、回復・支援魔法でみんなを援護したり、こうやって黒石やドロップ品を拾ったり運んだりするんだ。このバックパック、パンパンでしょ?」


 ああ、なるほどなぁ。

 確かに、相対的な負担が少ない後方支援者が、荷物持ちや回収係をして戦闘員の疲労や集中力を出来るだけ奪わないようにする。というのは、賢いパーティ運営だな。まさに適材適所と言ったところか。


「なるほど……」


 ゲームなんかじゃ、自分の好きなキャラとか攻撃力全振りで選んでたけど、確かにこういう相性とか役割分担があるんだなぁ。ゲームみたいな非現実的なストレージがある訳じゃないし、こういう裏方的存在も必要だよな。


「支援魔法だけじゃなくて破壊魔法を使って、中遠距離のダメージディーラーになりたかったんだけど、わたしは白魔法以外の『才能』がなくてさ。このパーティーに拾ってくれた恩もあるから、自分から雑用を引き受けたんだ」


 そうか、『才能』が関わってくるのか。

 言われてみたら確かに、ファンタジー小説じゃ魔法を使うには才能がいることが多い。全人類が使えるものじゃない気がするな。ゲームみたいに好きな魔法を取得できたりはしないのか。



 話し込んでいると、前を歩いていたケルストさんらの足が止まる。何事かと思えば、今度はクレイボーン三体が道を塞いでいるみたいだ。


 誰が相手するのだろうと思っていると、明るい茶髪の少女、ジェラさんが1歩進む。あの人はどんな戦いをするのだろう。見た感じ武器は持ってないように見えるな。魔法使いとか拳闘士とかか? あ、いや、あの服は………。


「わぁっ…!」


 ジェラさんが三体のクレイボーンに向けて右手を翳した。そして、僕の耳には届かない位の小さな声で何かを唱えた瞬間。紅の魔法陣が彼女の右手に展開された。


「くらえ…っ!」


 そして、真っ赤な炎がクレイボーンを飲み込んだ。ありえない光景が目の前に広がったのだ。僕は空いた口が塞がらなかった。右手の先に現れた魔法陣から火炎放射器の如く炎が吹き出たのだ。


「よしっ!」


 数秒後、何事も無かったかのように炎は消滅した。そしてクレイボーンが立っていた場所の地面には、砂が集まった3つの山が出来ていた。


「すっご……」


「ジェラさんの赤魔法は中級上位者レベルって言われてるからね。あの魔力任せの赤魔法はかなり強力だよ。伊達にこのパーティーのメイン火力は名乗ってない」


 軽快にハイタッチをするジェラさん達を横目に、ルシェルドさんは3つの山に手を突っ込んだ。黒石を探すためだろうけど、こういうこともしないといけないんだな。


「中々いい調子だよ、みんな。このまま集中して行こう!」


 リーダーであるケルストさんの言葉通り、僕らのパーティーは遺跡の奥へ奥へどんどん進んで行った。驚くべきほど速く、効率よく、全く無駄の無い連携だ。まさに順調だった。



 ──────そして、大きな大きな階段をの降り終えたところで、耳を劈くような爆音が轟いたのはその数時間後だ。


 

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