表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/30

岡田啓介

 本日は北陸地方で初めて内閣総理大臣に就任した、岡田啓介についてです。

 福井市に生まれた彼は、旧制福井中学校(藤島高校)を卒業して上京し、初めは予科へ通っていたのですが、学費の掛からない学校として、海軍兵学校に入学しました。

 同期生には廣瀬武夫、小栗孝三郎、財部彪、竹下勇らがおります。


 海軍時代は主に水雷艇乗りで、当時の水雷艇は魚雷を積んで敵艦に肉薄し、魚雷発射後に急速離脱するという運用でした。この運用(高速近距離射法)は鈴木貫太郎(鬼貫)の発案です。

 日清戦争の時は防護巡洋艦「浪速(なには)」(艦長:東郷平八郎)に搭乗して豊島沖海戦、黄海海戦に参加。

 日露戦争では「春日」に副長として勤務。1910年に艦長に就任します。


1908年から1910年の間は海軍水雷学校校長を勤めています。後任が前出の鈴木貫太郎です。


 再び艦隊勤務となり、1914年には創設されたばかりの第二水雷戦隊の司令官に就任します。

 第二水雷戦隊は、第二艦隊(加藤定吉海軍中将)の麾下で青島の戦い(1914年)に出撃し、膠州湾の海上封鎖作戦を遂行しました。

 第一次世界大戦後の軍縮の流れの中、国運をかけて臨んだワシントン軍縮会議(1922年批准)で、断固反対の意思を表明して反対派を煽る加藤定吉に対して、現職の加藤寛治と合わせて「お調子者の両加藤」と揶揄しています。


 1923年に海軍次官(海軍省)、翌年には聯合艦隊司令長官(海軍大将)を歴任し、1927年に海軍大臣(田中義一内閣)として初入閣します。

 その後、1932年に海軍大臣(斎藤実内閣)として再入閣、斎藤内閣が退陣すると、大命降下により内閣総理大臣に就任しました。

 軍備の方針は「軍拡による米英との戦争は避け、国力の充実に努めるべし」という信念を持ち、1930年に批准したロンドン海軍軍縮条約の枠内で軍事力の整備を図ります。

 ところが軍内部の不満の高まりに抗えず、1936年1月に軍縮条約から離脱、更に一週間後には内閣不信任決議を可決されて、解散総選挙に至ってしまいました。

 これには他にも「天皇機関説」に対するのらりくらりとした答弁なども影響しています。

 総選挙の結果、対立していた政友会は惨敗し、民政党が第一党となりました。

 その一週間後、二二六事件が勃発します。

 岡田首相は官邸で襲撃を受け、義弟の松尾伝蔵が射殺され、首相本人は女中部屋の押し入れに匿われていました。その後、女中を装って官邸を脱出し、事件の収拾を図ります。

 事件の鎮圧が終わった後の3月9日に総辞職しました。

 その後は重臣会議の構成員として、首相奏薦に携わり、日米開戦後は終戦に向けて海軍内へ影響力を行使しています。

 東條英機内閣を倒して、和平派の鈴鈴木貫太郎を総理大臣に推薦した時、東條英機が「陸軍以外の者が総理になれば、陸軍がそっぽを向く恐れがある」と高圧的な態度で言ったのに対して岡田啓介が「陛下のご命令で組閣をする者にそっぽを向くとは何たることか。陸軍がそんなことでは戦いがうまくいくはずがないではないか」と反駁して、東條英機を黙らせました。


 戦後は公職追放を受け、1952年のサンフランシスコ講和条約の締結を見て、その年の10月に85歳にて逝去しました。

 岡田啓介がいなければ、終戦せずに我々日本国民は絶滅するまで継戦していたでしょう。

浪速は配備されてから度々、明治天皇のお召し艦になっています。

豊島沖海戦では「高陞号事件」の渦中に。


天皇機関説を問題視した右派は、議会で岡田を攻撃しました。

「日本の国体をどう考えるか」と聞かれると、「憲法第1条に明らかであります」と繰り返し、「憲法第1条には何と書いてあるか」と聞かれると「それは第1条に書いてある通りであります」と、人を食った答弁で切り抜けました。岡田は、そのしたたかさから「狸」とあだ名され、吉田茂は岡田を「国を想う大狸」と評しています。


第19回総選挙 466議席

立憲民政党146→205

立憲政友会301→175

昭和会  20

社会大衆党18

国民同盟 15

無産諸派 4

国家主義 3

中立   26


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ