表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

埋められた赤ん坊

作者: さゆき

庭の柿の木を掘り起こすよ。

家の者が言った。


庭の木を全部根元から掘り起こし、庭を

芝生に変えるそうだ。


私は真っ青になった。


やめて・・だってあの柿の木の根元には


私が埋めた赤ん坊の白骨が出てくるはずだから。


そうしたら警察が来るだろう。

調べればすぐに誰が埋めたかわかってしまう。

そうしたら私の罪だとわかってしまう。

捕まってしまう。今の生活が壊れてしまう。

やめてやめてやめて


誰かがもう掘り出してしまっている。

もうダメだ、終わりだ・・。



ここで目が覚めた。

夢だった。汗をかいている。


何故、こんな夢を見たのだろう。


そうだ。

思い出したくないことだから、記憶の奥に埋めていた。


二十歳くらいのこと、飲み会で知り合った男とお酒の

勢いで一夜を共にして、その挙句。

妊娠してしまったのだ。


当然男は逃げてしまい、私は薄暗い路地の奥の病院に

駆け込み、そして・・


あの時私が殺した赤ん坊は、男の子だったのか、女の子

だったのか、生きていれば今いくつになっているのか。


毎日罪の意識もなく生きている私に、思い出せときっと

夢に出てきたのだ。


ごめんなさい。

許してください。


記憶の奥に埋めた私の赤ん坊。

一生後悔する。

それが私の償いだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ