010
マークは、片膝をつく。
「大丈夫か。」
魔法師らしき人がやってくる。
「あぁ、すまねぇ。」
「きにするな。飲んでおけ。」
「ありがとな、キース」
マークは、緑色の液体が入った瓶をうけとり、コルクみたいなものを取り中を飲む。
すると、マークの血が止まっていく。
レイは少し驚く。
現代の日本では考えられない現象だったからだ。液体を飲むだけで血が止まって、傷が治っていくのだ。
(何だあれ。魔法の世界とはいえ、あそこまですごいのか、もしかしたら、こっちの世界の方が、医療が発達してるんじゃ)
レイはこっちの世界が面白くて、少し感激を受けていた。
すると。
「おい。これは・・・・」
マックスは、絶句する。
「くそ。」
キースは絶望に近い声を出す。
そこにいたのは。リーファベアが3体だった。近くにいて、
「俺のことはいい。アイゼンさんと逃げろ。」
マークは悲痛な顔で、指示を出す。マークの傷は、治っては来ているが、待っていたら、襲われるし、もし戦っても、まだ完全に傷は治っていないため、動けば傷がまた開く。
「いや、俺が倒す。」
「何言ってんだ小僧。お前には無理だ。大人しく隠れて逃げろ。」
怜はマークの忠告を無視して前に出ていく。
「グラビティ。」
怜は、10メートルの空間をグラビティで押しつぶす。さっきとは違い、徐々に負荷をかけていき、リーファベア三体は、口から血を出し、倒した。
「おおい。まじかよ。」
「なんだ。これ。」
「何しやがった小僧。」
と、次々口を出す。
すると、それを馬車から見ていたのか、男の人が出てくる。
「行けません。領主様。」
「よい。」
馬を操縦していたアイゼンは、取り敢えず降りて、得体の知れないレイに近づけないように、手を出して、忠告するが、大丈夫だと、言うように、手をかざし、アイゼンを止める。
そしてレイは、領主様と言われているから、豪華な服を身にまとっているだろうと、思っていたが、思っていたより普通の格好だった。
「ですが、」
「構わない。」
領主は、怜を見つめる。
「君は何者だ。」
「田舎から出てきた、ただの人だよ。」
「そうか、助けてくれてありがとう。」
領主は、レイの田舎から出て来たと言う言葉を信じたわけではなかったが、敵に回すより、自分の味方になって貰えればと思い、声をかけたのだ。
「別に礼はいらない。自分がしただけだしな。」
「面白いね。君は街に向っていると言ってたな。」
「あぁ」
「どうだ。私の街に来ないか?」
「領主様⁉︎」
そんな事を言うとは思っていなかったのか、アイゼンは、びっくりする。
「いいのか?」
「勿論だ。立ち話はなんだ、少し中で話さないか。」
「おう。」
「領主様、それは危険です。何処の馬の骨かもわかりません。」
アイゼンは、レイを睨みを効かせる。
「招待したのに、歩かせるのはな、それに、大丈夫だろう。」
「また、領主様の感ですか?」
「まぁな。」
ため息をつきながら、アイゼンは扉を開ける。
「はぁ、わかりました、レイ様お乗りください。」