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ふたごの星  作者: よしだのあ
球技大会のお星さま
7/8

スポーツの夏、始まります?

「それで、結局帰らなかったんだ?」

 萌ちゃんにそう聞かれたのは、ゴールデンウィークが明けてしばらくたった頃。そろそろ冬用の制服を着ているのがツラくなっていた、5月半ばの昼休み――萌ちゃんと2人でお昼ご飯を食べながら、おしゃべりしていた。

「あたしは帰ったけどね。まあ優子は・・・いろいろ大変なのよ、あの子も」

「そういえば、優子ちゃんは?」

「ああ、優子なら、委員会の仕事があるからって、どっか行っちゃったわよ」

 ふーん、と萌ちゃんはうなずいて、「優子ちゃん、体育委員だっけ?」と聞いてきた。

「ええ、確かそうよ」

「そう、それじゃあれか、球技大会の話か」

「球技大会?」

 あたしが訊くと、萌ちゃんは「うん、先輩が言ってた、毎年7月にあるんだって」と答えた。

「7月って・・・まだ5月よ、ちょっと準備が早いんじゃない?」

「それがそうでもないみたいなの。6月の初めに中間テストがあるでしょ、それが終わったらすぐ動き出すみたい」

「結構本格的なのね、優勝したら何かもらえたりするのかしら」

「うん、たぶんね。まあ、1年生のうちらにはだいぶ不利だけど」

「なんで?」

 首をかしげて訊くと、「上級生とも試合するんだよ」と教えてくれた。

「学年の壁を越えて、クラス対抗。当然、校内優勝は毎年3年生」

「それはそれで楽しそうじゃない。1年生が優勝したら面白いわよ」

「無理でしょ」

 萌ちゃんは苦笑して、「翔子ちゃん、球技得意?」と聞いてきた。

「まあね、中学の時バスケやってたから」

「そうなの?それじゃ、バスケもあるって先輩言ってたから、大活躍できるんじゃない?」

 萌ちゃんの言葉に、あたしは「本当?じゃ、あたしはバスケ一択だわ」とうなずいた。

「ちなみに、他には何が?」

「えーっとね、バスケの他には、バレーと、テニスと・・・フットサルなんかもあったかな? 先輩からちょっと聞いただけだから、私もよくわからない」

 萌ちゃんはそう言って、「ま、詳しいことは、それこそ優子ちゃんに。ね?」と笑った。

「まあ、そうね。まだ5月だし」

 あたしも笑って、お皿に残った最後の一口を口に運んだ。

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